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「輸送の安全」を推進する社内の体制
鉄道事業法に基づき、安全管理体制を確立し、輸送の安全の水準の維持および向上を図ることを目的として、安全管理規程を制定しています。
同規程では、鉄道事業における輸送の安全を確保するため、「安全方針」・「安全行動規範」をはじめ、社長が選任した安全統括管理者のもと、安全を推進し管理する社内の体制や各部門の責任者の役割・権限などを定めています。
「輸送の安全」への取組みの確実な実施に向けて
「輸送の安全」に関する会議輸送の安全の確保に向けて、以下の会議を通じて、経営トップから現業までが一体となって安全管理体制の見直し・改善を推進しています。これらの会議では安全に関する様々な取組みを審議し、安全施策の確実な実施と自律的・継続的な改善（スパイラルアップ）を図っています。
全線を7つのエリアに分け、現業部門管理者と社長をはじめ鉄道関係役員、本社各部門の関係者が意見交換を行い、安全に関する情報の共有化、連携の緊密化に取組んでおり、2016年度は各エリアで合計7回の意見交換会を実施し、コミュニケーションの充実を図りました。
なお、安全統括管理者は上記のほかに「駅および車掌職場」を対象とした定例外意見交換会を実施し、ホーム上の安全確保に関わる連携について幅広い意見交換を行いました。
社長・安全統括管理者・鉄道関係役員が現業職場を巡回し、現業所属員と直接対話を行うとともに、現業における安全に関する取組み状況や、実作業の確認を行いながら、鉄道輸送の最前線から安全意識の高揚を図っています。2016年度は年間9回の巡回を実施したほか、さらに駅および車掌職場を対象とし、ホーム上の安全確保に関わる職能間の連携を確認するため特別巡回を実施しました。
全社をあげて「鉄道の安全」の取組みについて再確認し、役員から社員一人ひとりまで、安全を最優先する意識の高揚を図るために、毎年8月1日を「安全の日」と定めています。
2016年度は、静岡英和学院大学短期大学部准教授の重森雅嘉氏より「ヒューマンエラーの認知科学」についてご講演いただくとともに、各職場が日頃行っている安全に関する取組みについて発表を行いました。
安全性の向上と一人ひとりの安全意識の高揚を図ることを目的に、夏季および年末年始に「輸送の安全」強化運動を実施しています。本運動期間中は鉄道事業本部としての点検項目を定め、輸送の安全について現業から本社までが一丸となって点検するとともに、社長をはじめ役員が現業職場を巡回し各職場における安全意識の高揚を図っています。
2016年11月30日に、第6回東武グループ交通事業者安全推進連絡会を開催しました。これは安全に関する取組みを東武グループ内で情報共有することにより、各社の安全管理体制の充実を図ることを目的として2011年度から開催しているものです。
2016年度は、国土交通省大臣官房運輸安全監理官付運輸安全調査官の難波和宏氏による「運輸安全マネジメント評価の概要・取組みについて」をテーマにした講演会とともに、グループ各社との間でヒヤリハットの改善事例および技術の伝承に関する意見交換を行いました。
「輸送の安全」に関して発生したすべての事象から、社内基準に基づき抽出したものを「事故の芽」とし、それぞれの事象に対して多面的（人・もの・環境・管理）な分析を行い、原因の究明と対策の策定を行うことで、同種事象の再発防止に努めています。
また、「事故の芽」には至らない事象を「安全のたね（ヒヤリハット）」として情報展開しているほか、安全活動のさらなる充実に向け、2015年10月よりヒヤリハットデータベースの運用を開始しました。これまでに他職場で発生した事象について職場に掲出し注意喚起を図るとともに、事象の影響度・頻度から対策の優先度を判断し、未然防止に繋げています。
2016年11月17日・18日に開催された一般社団法人日本鉄道運転協会主催の第37回運転業務研究発表会において「ＡＴＣのプロフェショナルを目指して！～魅せる運転士魂！ＡＴＣパターンを掴め！～」をテーマに、第一線で働く運転士の経験を活かした効果的な職場内教育について発表し、交通新聞社賞を受賞しました。
安全推進活動として「安全活動に関する意識調査アンケート」を実施し、平成25年度に実施した前回結果と比較、分析を行いました。この結果をもとに今後の当社における安全推進活動等の見直しに繋げていきます。
設備の点検・補修を委託している会社や、各種工事を行う協力会社とともに、事故防止および災害防止に係る会議を開催し、「輸送の安全」強化運動前の安全管理体制の確認をするとともに、安全教育や情報交換を実施しています。
2016年度は７月４日、11月28日の２回開催し、７月には記念講演として、アイテック阪急阪神株式会社の山本隆弘氏に「阪神大震災を知り、首都直下型地震に備える」のテーマでご講演いただき、また協力会社から事故防止、安全に関する取組みについて発表を行いました。
同業他社や異なる職場との交流や意見交換、イベント等を、現業職場が主体となって数多く実施し、安全推進活動の充実や情報共有に努めました。特に2016年度は同業他社との交流に力を入れており、他社の先進的な取組みを取り入れ、当社の取組みについて共有するなど、現業における安全意識のレベルアップに貢献しております。
他社で発生した重要な事故事例について鉄道事業本部内へ水平展開し、当社の対応状況を確認するとともに、半年ごとに取りまとめて鉄道事故防止等安全推進委員会（5月、11月）で共有しています。
2016年1月に実施された第７回運輸安全マネジメント評価からの約１年間の安全管理の取組状況について国土交通省に報告しました。
安全監査は、関係部署の安全管理体制の取組みが構築され、その仕組みが適切に運用され、有効に機能しているかについて確認し、社内全体の安全管理体制を継続的に改善する仕組みを確立することを目的としています。監査の実施にあたっては、監査責任者（安全推進部長）をはじめとする監査担当者が監査項目別にヒヤリングや記録の閲覧等を行います。
2016年度は、重点監査項目を
（１）情報伝達およびコミュニケーションの実施状況
（２）安全に関する教育の実施状況および記録の作成状況
（３）「安全のたね（ヒヤリハット）」の収集・活用状況
（ヒヤリハットデータベースの活用状況含む）
（４）車両および施設の改良工事等外注工事の施工管理体制の実施状況と定め、これらの取組状況について確認し、必要により助言を行いました。
