新・駅前そぞろ歩記

藤棚の香さやかに春から初夏へ向かう花の町
今回の登場人物
岩槻(いわつき)

鶴瀬駅の歴史は古く、東上鉄道(東上線の前身)が開通した大正3年の開設。当時、鶴瀬村にあったことから命名されました。その頃の駅周辺は関東有数の野菜の産地で、客車よりも貨物車が多く利用され、野菜を運搬する交通路として重要でした。現在は富士見市となって近郊都市化が進み、東上線で都心まで通勤する人が多い住宅都市。この町には緑豊かな自然が多く、季節の花々に触れる公園や緑地がいっぱいです。

鶴瀬(つるせ)
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鶴瀬(つるせ)
富士見市の花はフジ フジの回廊が薄紫に染まる

鶴瀬駅東口はいま土地区画整理事業の最中。完成すると駅前広場がぐんと広くなるそうです。ここから富士見市役所まで直線で結ぶ道路「鶴瀬駅東通線」も整備中で、市役所の隣には昨年、大型ショッピングモール「ららぽーと富士見」が開業。東口から東武バスで約6分で行けます。

市役所周辺でこの季節ならではの見どころスポットは、「文化の杜公園」。平成15年にオープンした公園で、そのシンボルは約400m の「ふじ棚の回廊」です。フジは富士見市の花。4月末には咲き始め、5月になると紫色の優雅な花の房が目を楽しませてくれます。また、色とりどりの花が美しい花壇もあり、大きな広場ではさまざまなイベントが催されている市民公園です。

緑に囲まれたガラス張りの美しい外観を見せるのは、富士見市民文化会館「キラリ☆ふじみ」。ここは富士見市の文化・芸術の発信基地として展示会や発表会など独自の取り組みを行っているので、訪問すると思わぬ発見や出合いがあるかも。

次に市役所前から鶴瀬駅東通線を戻りながら周辺のスポットを探索してみました。台地の住宅街に「氷川神社」を発見。古代人の生活場だった所に建立されたといわれ、創建年も不詳という古社です。境内には弁天池と湧き水「雲居の瀧」があり、清流に沿って林が広がります。

さらに氷川神社と向かい合っているのが、御神木の大ケヤキがそびえる諏訪神社。創建不詳の古社で、夏には「おすわさまの祭り」があり、獅子舞が奉納されて多くの人出で賑わうそうです。

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鶴瀬(つるせ)
全国の自治体で初ミニ鉄道が走った公園

花のスポットをもうひとつ。滝から流れるせせらぎや水遊びができる池のある山崎公園では、5月下旬からポピーの花が咲き、6月には江戸系、肥後系、伊勢系などの品種からなる約6000株のハナショウブが色とりどりに咲き始めます。

では次に鶴瀬駅西口に足を延ばしてみましょう。

駅の近くにある「むさし野緑地公園」は一見、市街地の中にある小さな緑の都市公園ですが、よく見ると公園内に小さな幅の線路が敷かれています。じつはこの公園は、昭和55年に自治体としては全国初のミニ鉄道が走った公園。以来、富士見市と富士見市ミニ鉄道クラブが協働でもう35年以上、運転会を実施しているのです。電気やエンジンで動く機関車も走りますが、圧巻なのはライブスチームと呼ばれる、ホントに蒸気で走るミニサイズのSL。この機関車がドラフト音を響かせながら5〜8名を乗せた客車を引っ張る姿は感動もの。乗車無料の運転会には子どもたちや家族連れが大勢集まります。

富士見市では、斜面林や屋敷林、河川、湧水など、昔からの水と緑の風景を残していくため、市民緑地や緑の散歩道として積極的に整備しています。鶴瀬駅東口方面では雲居の瀧のほかに谷津の森や権平山など。西口方面には富士見江川沿いの約600m を遊歩道にした富士見江川 プロムナードがあります。井戸水を利用したせせらぎや四季折々の花木を植栽し、休憩所としてあずま屋も設置。5月には約200m の藤棚が遊歩道を優しい薄紫色に飾ります。

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鶴瀬MAP
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