新・駅前そぞろ歩記

懐かしいけど新しい街。カジュアルに楽しもう。
今回の登場人物
梅島(うめじま)

「梅島」は観光地というよりは、いわゆる住宅街です。温かい下町気質で知られますが、最近はその生活感にひかれて訪れる若い人の姿も見られます。それだけに、行列ができるような知る人ぞ知るグルメスポットは多く、また、駅高架下にリニューアルされた東武ストアなど、街は新鮮な表情を見せています。ここ足立区はオーストラリア・ベルモント市と姉妹都市。友好を記念する「ベルモント公園」はいま、バラの季節を迎えました。ぶらりとカジュアル散歩、いかがですか?

梅島(うめじま)
ページ上部へ
梅島(うめじま)
『たけしくん、ハイ!』の街にいまはベルモントの花も咲く

「梅島」といえば、ビートたけし(北野 武)さんが生まれ育った街。たびたびドラマ化されたエッセイ『たけしくん、ハイ!』の舞台としてもお馴染みです。〝下町の下町〞といったイメージの梅島には、昔ながらのイキの良さと、人を思いやる暮らしがまだ息づいている。どこからか「兄ちゃん、元気かい?」などという、たけし少年の声が聞こえてくるような気さえします。

まず、梅島駅で降りると、メインストリートは旧日光街道。南北に延びる商店街をぶらり行くと、近くに現れるのが「ベルモント公園」です。ここは、足立区がオーストラリアのベルモント市と姉妹都市になったことから誕生した憩いの場。池のある園内には、友好記念に贈られた樹木が植えられています。中でも珍しいのはオーストラリア原産の“ブラシノキ“。名前の通り刷子状の赤い花房をつける常緑樹ですが、ちょうど開花期、エキゾチックな風景は話のタネになるでしょう。いまが盛りといえば、バラも見頃。品種も様々で、香り高く咲き乱れる花は美しく、バラ愛好家の中では隠れた名所とされているそうです。

こうした庭園に趣を添えるレンガ造りの洋館は陳列館。ここではオーストラリアの伝統文化に触れられます。日用品や工芸品をはじめ、先住民のブーメランや、西オーストラリアの州鳥(ブラックスワン)の剥製も展示されていました。

昔ながらの街並みが、新しい欧米風ガーデニングをすんなりと受け入れていて面白い。これもまた生活をエンジョイする下町らしい一面です。

ページ上部へ
梅島(うめじま)
ちょっとオシャレに楽しみたい。おいしいカフェに、レストラン

街をそぞろ歩けば、和菓子屋さんや煎餅屋さんに惣菜屋さん…懐かしい風景と並んで、今風なパティスリーやカフェが点在するのも、嬉しい発見です。そうした中には、カニピラフがイチオシの展望レストランがあったり、オステリア(居酒屋風)にアレンジした本格イタリアンがあったりと、なかなかのグルメぶり。特に注目は、いま話題の〝かき氷〞屋さんでしょう。日光の天然氷を使った美味は格別なのですが、種類もボリュームもてんこ盛り。行列覚悟でも、訪れる価値ありです。

一方、若い女性を中心に人気上昇中の神社仏閣巡りでも、梅島界隈は楽しめます。まず御朱印ガールにおすすめは「明王院」。立派な朱塗りの不動堂から〝赤不動〞の愛称で、800年間も親しまれてきました。静寂な境内に佇むと、心が洗われます。また、住宅街の一角の、小さいながら存在感があるお社は「佐竹稲荷神社」。連なる鳥居を囲むのは足立区の保存樹林だと聞きました。梅島の街なかには、こうして、買い物ついでにお参りできるようなお社があちこちにあり、住む人の暮らしにさり気なく寄り添っています。

ちょっと足を延ばして、荒川土手へも行ってみましょう。青空の下に開ける川辺は、心と身体の解放区。東京スカイツリー®だって意外と近くに見えますよ。緑の階段状に整備された堤防で一休みしてみると、ご近所の子どもたちやお年寄りに混じって散歩する、まるで青春コミックから抜け出てきたような若いカップルの姿が印象的でした。の〜んびりと、幸せなシーンです。

ページ上部へ
梅島MAP
地図をダウンロード
Adobe Readerダウンロードページへ

PDFファイルをご覧になるには、Adobe Reader別ウインドウで開きますが必要です。
Adobe Readerは、アドビシステムズ社より無償配布されています。