新・駅前そぞろ歩記

旅情とロマンを道連れに”会津の夏”を行く
今回の登場人物
会津田島(あいづたじま)

車窓から眺める夏の景観も圧巻。その緑深い山々に四方を囲まれて、「会津田島」に到着です。ここ南会津町は、日本三大祇園祭のひとつ「会津田島祇園祭」の町として有名。祭の開催(7月22〜24日)をひかえ、町には華やいだ雰囲気が漂っています。それでは、ひとあし早くフェスタ気分を先取りしてしまいましょう。さすが南会津の中心地、他にも歴史を語る「鴫山城跡(しぎやまじょうあと)」あり、ノスタルジックな「旧南会津郡役所」あり…と、楽しい見所や”おいしいモノ”が充実してますよ。

会津田島(あいづたじま)
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会津田島(あいづたじま)
「祭化粧に祇園の灯」ひとあし早く夏の風物詩

浅草からも、鬼怒川温泉駅で乗り継げば、ほぼ直行感覚。さらに来春、東武新型特急(500系)の乗り入れも決定しましたから、会津はますます身近なエリアになっています。

ホームに降り立てば、「祭化粧に祇園の灯」と記された駅名標があるように、ここは「会津田島祇園祭」の町。祭は7月下旬ですが、いつ訪れても町中から、そこはかとなく華やかな雰囲気が楽しめます。この祭礼は”800年以上の歴史が息づく国指定重要無形民俗文化財”というから、凄い。これを実際に体感するなら、駅のすぐ近く、まず「会津田島祇園会館」を訪れてみてください。

祭を様々な視点から展示する館内は、臨場感ある演出空間。たとえば”七行器行列(ななほかいぎょうれつ)”コーナーでは、祭のハイライトシーンが、等身大の人形で再現されています。これは、氏子から選ばれた女性たちを中心に、花嫁衣装も豪華絢爛、神に御神酒や御供物を捧げるという古式ゆかしい神事。百名近い大行列となりますから、日本一の花嫁行列とも言われます。これを機に良縁に恵まれるというウワサも! また、祭の夜を賑わす”屋台”を実物大で紹介するコーナーも必見です。こちらの主役は子どもたち。こうした舞台付き大屋台が4台も町に出て、見事な”子供歌舞伎”を披露し、観客を大いにわかすのです。

そして、この祇園の神をお祀りするのが、会館の隣にある「田出宇賀神社(たでうがじんじゃ)」です。境内には「熊野神社」が並びますが、いずれも由緒ある佇まい。忘れずにお参りしていきましょう。

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会津田島(あいづたじま)
南会津のロマンや”おいしい”

田出宇賀神社では、既に御神灯の立つ場所も整って、その参道は早朝からきれいに掃き浄められているーーこうした準備まで伝統的な習わしだと聞きます。町並みをそぞろ歩けば、老舗の国権(こっけん)酒造さんを発見。ここでは昔ながらに祇園祭で神に奉納する御神酒(どぶろく)が、精魂込めて仕込まれます。会津田島はこうした造り酒屋が多いことでも有名。”米よし・水よし・人よし”といわれる風土が育む銘酒の数々には注目です。

もちろん”おいしいモノ”にも出合えます。会津の食材と知恵を活かした郷土料理から、スタイリッシュなイタリアンやカフェまで。気軽に楽しむソフトクリームとかサイダーなど、カジュアル・グルメもちょっと他とは違います。

すてきな体験をしたかったら、おすすめは『旧南会津郡役所』。明治のお役所は、こんなに瀟洒だったのですね! レトロな木造洋館は、外観も内装も細部に至るまで趣味がいい。現在は歴史的資料が展示されていますから、興味深いひとときを過ごせます。この建物の奥庭のように広がる「丸山歴史公園」には、緑陰に歴史モニュメントが点在し、時代に翻弄され志し半ばで散った人々のことが偲ばれます。

この近くにある「鴫山城跡(しぎやまじょうあと)」では、さらに時間は遡っていくよう。ここは、約600年も昔にこの地域を統治していた長沼義秀の築城と考えられています。史跡の多い観光スポットです。 夏の会津田島は、どこからか「また、きっせ!」というお国言葉が聞こえてくるような町でした。

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会津田島MAP
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