平安時代 - 天長7年(830) - 喜多院

    広い境内は歴史探索にもお花見にもピッタリ

    慈覚大師(じかくだいし)が天長7年(830)に創建した星野山無量寿寺(せいやさんむりょうじゅじ)を起源とし、慶長(けいちょう)17年(1612)に徳川家康(とくがわいえやす)の相談役として信頼の厚かった天海僧正(てんかいそうじょう)が第27世住職になると、寺号を喜多院と改めました。寛永(かんえい)15年(1638)の火災後の再建時には、江戸城紅葉山(もみじやま)(皇居)の別殿が移築されました。

    広々とした境内には歴史的な建造物が点在し、歴史好きならもちろん、季節や自然を感じたい人にも楽しめるはずです。客殿では三代将軍・徳川家光が生まれた部屋や家光の乳母だった春日局(かすがのつぼね)の部屋なども見学でき、1989年(昭和64〜平成元)の大河ドラマ『春日局』の放映時にも脚光を浴びました。

    毎年1月3日のだるま市(初大師)の日には、縁起物のだるまを求めて多くの参拝者が訪れます。小江戸川越七福神めぐりの第三番・大黒天もまつられています。3月下旬〜4月上旬には、約100本のソメイヨシノとしだれ桜が咲き、お花見を満喫することも。

    喜多院には七不思議や伝承話も残されており、それらにまつわる場所を見て回るのもおもしろいかもしれません。

    見どころ

    移築された江戸城の建物

    寛永15年(1638)の大火災では山門と経蔵を除き、すべての堂宇を焼失してしまいましたが、三代将軍・徳川家光(とくがわいえみつ)が深く信頼していた天海僧正のため、すぐに復興の命を出します。それを受けて紅葉山の御殿を解体し、新河岸川(しんがしがわ)に開設された舟運を利用して運び、移築されたものが客殿、書院、庫裏(くり)などに当てられました。それらは国の重要文化財に指定されています。

    「徳川家光公 誕生の間」と呼ばれている客殿の上段の間


    貴重な文化財の数々

    寛永15年(1638)の大火で奇跡的に焼失を免れた山門(寛永9年(1632)建立)や、入母屋(いりもや)造りで本瓦葺(ほんかわらぶき)の鐘楼門(しょうろうもん)(寛永10年(1633)建立)、天海をまつる慈眼堂(じげんどう)(寛永16年(1639)建立)などは国指定の重要文化財。また、山門に接して建てられた番所(ばんしょ)(江戸中期〜末期建立)や、多宝塔(たほうとう)(寛永16年(1639)建立)は、県指定の有形文化財に指定されています。

    喜多院で最も古い山門は4本の柱の上に屋根が乗った四脚門(しきゃくもん)形式、朱塗りの華やかな扉が目を引く慈眼堂

    表情豊かな五百羅漢(ごひゃくらかん)

    五百羅漢は、天明2年(1782)からおよそ50年にわたって造られたもので、全部で538体あります。「人間の素直な感情をありのままに表現しているんですよ」と住職の塩入秀知さん。喜怒哀楽の表情があるほか、仏具や日用品を手にしていたり、動物を従えていたりと動作もいろいろ。一人ひとりの顔をじっくり眺めていると、自分にそっくりな羅漢に出会えるという言い伝えもあります。

    ひそひそ話をしているように見えるものも

    参拝帰りに一服できる茶店

    境内には、だるまや仏像、根付けなどを販売するみやげ店や、軽食などを売る茶店や露店もあります。名物の厄除けだんご(焼きだんご)や開運だんご(餡だんご)をはじめ、冬場はおでんや甘酒、夏場はところてんやくずきりなども売っているので、小腹を満たすこともできます。

    スティック状のさつまいもを味付けした「川越おいもくん」300円

    普段は入れない仙波東照宮(せんばとうしょうぐう)

    喜多院の南隣には、日光、久能山(くのうさん)と並んで日本三大東照宮のひとつともいわれる仙波東照宮があります。朱色の随身門(ずいしんもん)と石鳥居をくぐった先の石段を上りきった一角が社殿です。普段は門が閉まっていて、日祝日には正面の扉が開きますが、入れるのは拝殿の前まで。拝殿内部や本殿を見学できるのは、正月や1月と4月、8月の17日の祭典などの日に限られます。

    天海が家康公をまつったもので建物は色鮮やか

    所在地 : 川越市小仙波町1-20-1 アクセス : 東武東上線・JR「川越駅」東口から徒歩20分
    東武東上線「川越市駅」から徒歩18分
    小江戸巡回バス「喜多院バス停」下車すぐ
    電話 : 049-222-0859(喜多院拝観寺務所)
    時間 : 3月1日〜11月23日は8時50分〜16時30分(日祝は〜16時50分)
    11月24日〜2月末日は8時50分〜16時(日祝は〜16時20分)
    休み : 2月2・3日、4月2〜5日、
    4月下旬〜5月上旬(宝物特別展開催日の前後日)、
    8月16日、12月25日〜1月8日
    料金 : 境内自由(客殿・書院・慈恵堂・五百羅漢の拝観料400円)

    ※表示価格は2015年3月取材時の税込価格です。

    同じ時代の観光スポット

    page top