新・駅前そぞろ歩記

宿場の町の歴史が いまも商店街に息づいている。
中板橋(なかいたばし)

いい商店街のある街は、住みやすい。その活気ある情緒に触れながら、秋のファミリー散策はいかがでしょう。東上線「中板橋」では、駅を起点に都内でも有数の商店街が次々と続きます。懐かしさと同時に新しい発見が味わえて、四季折々のイベントやお店のサービスも盛況です。また、この賑わいの背景には、かつて中山道と川越街道という2つの街道沿いに栄えた歴史が息づいていることも見逃せない。由緒深い史跡の中には、いま流行のパワースポットだって見つかります。

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中板橋(なかいたばし)
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よくテレビのグルメ番組や穴場情報でも紹介される「中板橋」。駅北口を降りるとすぐ、有名な商店街が始まり、駅周辺はもちろん"一番街" "中銀座" "中通り" "オレンジ通り"など、広範囲に広がります。そもそもは東上線「中板橋駅」開業を機に、昭和10年頃から次々と店が軒を連ねるようになったとか。時代を生き抜いてきた老舗も多いのです。たとえば、レトロな店構えに惹かれて寄り道した「坂井善三商店」は漬物屋さん。昔ながらの旬のぬか漬けなどが並び、その中にはトマトを漬けたオリジナルも! こうして古い伝統だけでなく、新しい時代の動きが感じられるのも、中板橋商店街の特徴といえそうです。

また、商店街で開催される季節ごとの多彩なイベント&セールも、活気を支える大きな要素。石神井(しゃくじい)川の名所・桜並木が咲き揃う春の"さくら祭り"、秋の"神輿(みこし)まつり"、年末の"ウインターセール"(大みそかの晩には「カウントダウン餅つき」が行われます)、年2回開催される"グルメ祭り"など…イベントが盛り沢山です。

中でも7月に開催される"なかいたへそ祭り"は有名で、これは中板橋が板橋の中心(へそ) に当たることを洒落たユニークなフェスティバル。参加者が軽妙なステップで街中を練り歩くほか、へそ娘コンテストなども人気です。また、今年の10月30日(日)には、第2回目となる"はじめてのおつかいin中板橋商店街"が開催されます。子どもたちと地域を結ぶヒューマンな行事です。

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中板橋(なかいたばし)
おすすめは、珍しい史跡巡りから家族で楽しむ「絵本の世界」まで

中板橋という駅名は、かつて川越街道の上板橋宿と中山道の板橋宿(下板橋宿)の、中間に栄えたことから命名されました。2つの宿場町を反映するだけに、史跡も社寺も多数ありますが、いずれもちょっと個性的で通向き。

まず駅の南口を行けば、石神井川に架かる「下頭(げとう)橋」。ここは川越藩の大名ご用達の川越街道の宿場があった界隈です。下頭という奇妙な名前の由来は諸説ありますが、その一つには、昔、六蔵なる貧しい人物が、良民のために橋を架け替えようと、道行く人に頭を下げてお金を集めたという美談があります。その徳を讃えて、橋詰には「六蔵祠(ろくぞうほこら)」がいまに残ります。さらに「轡(くつわ)神社」には、徳川家康公が轡を祀った(馬蹄を祀ったとも)という伝承があり、百日咳に霊験があると聞きました。

一方、石神井川に沿って足を延ばせば、中山道の影響が色濃く漂います。「氷川神社」には富士塚があり、隣接する「氷川つり堀公園」では、滝のある自然の中で釣りを楽しめます。珍しいのは、街道沿いに佇む「縁切榎(えんきりえのき)」。このご神木には、悪縁を切り良縁を結ぶ不思議な力があるのだとか(幸せなカップルのお参りはご用心!)。まさにパワースポットです。

ここまで来たら、必見は「いたばしボローニャ子ども絵本館」。北イタリアのボローニャは、絵本の芸術性を広めるメッカですが、そこから寄贈された世界の絵本が閲覧できるのです。ここでは子どもと一緒に、大人の好奇心も刺激されることでしょう。

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中板橋MAP
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