新・駅前そぞろ歩記

都心の中の 長閑な路地裏巡り ひとつめ小町の初春
北池袋~池袋(きたいけぶくろ~いけぶくろ)

ターミナル駅から一つめの駅がある町のことを、だれともなく「ひとつめ小町」と呼ぶようになりました。池袋をターミナル駅とする東武東上線のひとつめ小町は、北池袋駅。池袋からは、わずか1分です。駅の改札横には、「北池袋驛開設記念碑」がひっそりと立っています。都会の喧噪(けんそう)を感じさせない長閑(のどか) な雰囲気が漂います。駅そばには「ふれあいロード北池」の商店街。小さな店が軒を連ねた、どこか昭和の懐かしさが漂う小町なのです。

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北池袋~池袋(きたいけぶくろ~いけぶくろ)
日本独特の工芸文化 食品サンプルを体験製作

北池袋駅から東へ5分ほど歩くと、上池袋交番。その傍らに小さな祠があり、中にお地蔵さまが。その名を「お茶あがれ地蔵」といいます。元禄時代、この地で病死した女性の幽霊が現れて「お茶あがれ、お茶あがれ」とささやいたため、地元の人々がこの地蔵を建て、供養したといわれています。

この辺りは長閑な住宅街ですが、その中にユニークな工房があります。食品サンプルの大和(やまと) サンプル製作所。食品サンプルとは、飲食店の店頭に飾られる本物そっくりの料理見本です。これは繊細な手仕事を得意とする日本独特の工芸文化で、最近では海外からも高く評価され、ストラップなどのアクセサリーが日本土産として人気です。

大和サンプル製作所では、食品サンプルの製作体験教室を開いています。メニューは天ぷらやラーメンなどの食品系やパフェ、タルトなどのスイーツ系。子どもでもスタッフがアシストしてくれるので、家族で楽しめます。もう気分はプロのシェフ。製作した作品はもちろんお持ち帰りOK。海外からも体験に訪れるほどの人気で、受付はネットでの完全予約制になっています。

同じ住宅街の路地裏に佇むのは、苔色(こけいろ)工房。「大人可愛い」作風が注目されている陶芸家・田中遼馬さんの工房&ショップです。好きなデザインを選んで器をオーダーすることもできます。

子安稲荷神社もまた住宅街の中に広がる小さなお社ですが、子育て神社として古くから地元に親しまれ、安産祈願や初宮参りで賑わっています。

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北池袋~池袋(きたいけぶくろ~いけぶくろ)
平和通りを歩いて 賑わいの池袋駅西口へ

次に、北池袋駅の西側を池袋駅方面へ向かうと、池袋本町公園に出ます。ここは花の名所にもなっていて、春になれば緩やかなカーブを描くツツジの築山とサクラが美しく、色とりどりの花が楽しめます。

住宅街の中に、昭和鉄道高校と東京交通短期大学が並んで建っています。鉄道マンを養成する高校や短大は全国でも珍しい。一般の人がむやみに立ち入ることはできませんが、高校の敷地内には明治のイギリス製蒸気機関車が展示されており、道路から垣根越しに見えます。

川越街道沿いに建つ重林寺は、護国寺の末寺。明治時代に本尊の不動明王の胎内から発見された画は弘法大師の手になるといわれています。

川越街道を渡ると商店街の平和通り。北池袋の長閑な住宅街から繁華な池袋へ入りました。

刀剣杉田は日本刀の専門店。重要美術品指定などの名刀がずらりと並び、博物館の趣きです。

商店街に森がある!? 「池袋の森」は林学博士・故島田錦蔵氏の屋敷跡を整備した小さな公園で、研究用に植えられた珍しい樹木や植物が繁茂。野鳥や昆虫の観察も楽しめます。

平和通りの先は、再開発が始まろうとしている池袋駅西口。駅近くには、東京に残る数少ない定席・池袋演芸場が正月気分を盛り上げています。

散策の終点は、東武百貨店に昨年リニューアルオープンした、都内百貨店最大級のレストラン街「スパイス」。2017年初そぞろ歩きの初ディナーは何にする? 46店舗もありますから食べたいものが必ず見つかります。

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北池袋~池袋MAP
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