新・駅前そぞろ歩記

五月晴れのフジのはな物語
足利市(あしかがし)

足利市駅のそばを流れる渡良瀬川。その対岸には関東の小京都と呼ばれる足利の市街地が広がっています。季節は初夏。足利には「世界一美しい」ともいわれるフジの名所「あしかがフラワーパーク」があり、「大藤まつり」の期間中は大勢の人が花を愛でに訪れます。足利市駅からシャトルバスで約30分。または駅構内の足利観光交流館「あし・ナビ」で、レンタルの自転車や電動アシスト自転車を借りてもよし。五月晴れの花見に出発!

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足利市(あしかがし)
海外からの観光客も 足利のフジを観に来る

平成9年に開園した「あしかがフラワーパーク」は、日本で初めて大藤の移植に成功。地下に260トンの炭素を埋設して花にも木にも人にも優しく清々しい環境づくりをしています。最大の見ものは350本以上のフジが咲き誇る藤棚の数々。咲く順番として、うす紅、紫、白、黄色という彩りで、4月中旬から5月中旬まで約1か月間楽しめます。

中でも圧巻なのは、樹齢150年になる2本の古木が作る広さ1200畳の大藤棚。息を呑む美しさは「CNN世界の夢の旅行先10カ所」に選定。また夜間のライトアップは「日本夜景遺産」に認定されています。ほかにも大長藤や八重黒龍、むらさき藤棚、藤のドームなどが美しさを競い合っています。白藤や鮮やかな黄色のきばな藤は長さ80 mのトンネル状の藤棚。フジの花が織りなす幻想的な空間を夢見心地で歩いていきます。

この大藤まつりに競演するのが園内各所に植えられた5000本以上のツツジ。そして約400種2500株のバラと色鮮やかなシャクナゲ、クレマチス……ここは花の楽園なのです。

あしかがフラワーパークの近くには、もうひとつ足利が誇る観光スポットがあります。それは世界屈指の陶磁美術館「栗田美術館」。江戸時代に肥前鍋島藩で生産された伊萬里(いまり)・柿右衛門(かきえもん)・鍋島(なべしま)を2千点余り所有しているのです。山野草を中心とした3万坪の敷地に本館をはじめ歴史館や無名陶工祈念聖堂、陶磁会館などが点在して、まるで森の中を散策する気分で鑑賞することができます。巨大なミュージアムショップもあります。

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足利市(あしかがし)
石畳を散策して 足利学校から鑁阿寺へ

足利の市街地で代表的な観光スポットは、史跡・足利学校と鑁阿寺(ばんなじ)です。足利学校は日本最古の総合大学といわれ、フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして最も有名な坂東(ばんどう)の大学」と海外に紹介したほど。平成27年に日本遺産に認定されました。足利氏の館跡にある鑁阿寺は800年の歴史を持ち、国宝に指定された本堂や国の重要文化財の鐘楼などがあり、大日如来を本尊として祀っていることから「大日さま」と呼ばれ親しまれています。

歴史の重みを感じるこの辺りは、どこか懐かしい石畳の散歩道。周辺には記念館や美術館、ショップや飲食店などがあるので、お気に入りを探しにのんびりとそぞろ歩いてみてはいかが。

ここから中橋を歩いて渡良瀬川を渡れば足利市駅に戻ることができます。橋の下には両岸とも緑地が広がります。多目的広場ではフリーマーケットやコンサートなどが開かれているそうです。

足利市駅の西側には浅間山(せんげんやま)があり、見晴し台から渡良瀬川と足利の市街地、天気がよければ遠くに男体山や妙義山などが眺望できます。またここには足利富士浅間神社の上の宮(男浅間)と下の宮(女浅間)があり、昔から6月1日に初山詣の祭りが行われます。これは別名「ペタンコ祭り」と呼ばれる奇祭で、この1年間に生まれた赤ちゃんを連れて参拝し、朱印を赤ちゃんの額にぺたんと押してもらいます。そうすれば病気をせずにすくすく育ち、運も開けるという言い伝えから、300年以上も続いているそうです。

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足利市MAP
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