新・駅前そぞろ歩記

鎌ケ谷
緑が芽吹く 早春の北総台地

江戸中期に整備された木下(きおろし)街道6宿のひとつが鎌ケ谷宿。幕府直轄の野馬放牧場「 小金中野牧(こがねなかのまき)」の近くにかつては7軒の旅籠(はたご)と茶店、商家などが並んでいたといいます。松尾芭蕉はこの街道を旅した『鹿島紀行』の中で「やはたといふ里をすぐれば、かまがいの原といふ所、ひろき野あり」と綴っています。明治以降は鉄道網の発達に伴って「かまがいの原」は鎌ケ谷市となって発展していきました。鎌ケ谷駅から早春の散策をします。

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鎌ケ谷
マニアックなスポットは東経140度線と雨の三叉路

今回は、鎌ケ谷駅の西口からファイターズ鎌ケ谷スタジアムまでの緑のスポットを紹介しますが、その前に東口側にあるマニアックなスポットを二つ紹介しておきます。ひとつは、歩道や公園に引かれた東経140度の線。これは鎌ケ谷市のちょうど真ん中を通っている子午線(しごせん)で、市内のあちこちの歩道や遊歩道に、緑の塗料で実際に線が引かれているのです。

もうひとつのスポットは「雨の三叉路(三叉路)」。降った雨水が手賀沼・印旛沼・東京湾の方向に分かれて流れる、全国でも珍しい分水嶺(ぶんすいれい)があるのです。その雨の三叉路モニュメントは、そのまち独自の産物や観光資源を発掘し、地域活性化に結びつけることを目的とする、NPO法人ふるさとICTネットの「オンリーワンのまち」第1号に認定されています。

さて、駅の西口から緑と森のスポットを探訪することにします。市民に最も親しまれているのは、サクラの名所でもある貝柄山公園。水鳥の泳ぐ池の周りは四季の変化を楽しみながらの散歩に絶好です。

市民の森の中にある根頭(ねず)神社の森は、「ちば遺産100選」にも選ばれており、樹齢百年もの樹木が立ち並び、草木の種類も多く春が芽吹いています。

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緑に囲まれたファイターズ鎌ケ谷スタジアム

市民の森から800mほど西へ行くと、今度は八幡春日神社の森が広がっています。八幡宮も春日宮もそれぞれ全国にありますが、源氏など武家の守護神(八幡)と藤原氏の氏神(春日)を合祀(ごうし)した神社名は、とても珍しいのでは。参道入口の鳥居の前には巨大なクロマツの切り株が鎮座。この神社の森は二、三百年前にスギとクロマツを植栽したことから始まったそうで、いまやさまざまな樹木が大切に守られています。

八幡春日神社の森からさらに西へ歩いていくと、萬福寺の隣にファイターズ鎌ケ谷スタジアムが見えてきました。

東京ドームとほぼ同じ面積のスタジアムと室内練習場、そして選手寮があり、北海道日本ハムファイターズの二軍選手が暮らす町となっているファイターズタウン鎌ケ谷。このスタジアムでは年間約70試合が開催されています。ちなみに鎌ケ谷駅と新鎌ケ谷駅の発車メロディは、2009年から「ファイターズ讃歌」が採用されています。

このファイターズ鎌ケ谷スタジアムで、ちょっとマニアックなスポットを紹介。かつて大リーグの選手がこの球場で放った場外ホームランの飛距離が160mで、落下地点にはそれを記念した碑が建てられています。

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