新・駅前そぞろ歩記

亀戸水神・亀戸
亀戸水神・亀戸

歌川広重の浮世絵「名所江戸百景」の中の『亀戸梅屋舗』。江戸時代、亀戸といえば梅屋敷が大人気でした。広さ3600坪の梅園には「臥龍梅」(がりょうばい)と名付けられた巨木があり、梅の季節が近づくと、まだ花が咲かないうちから寒さの中に文人たちが大勢訪れて賑わった由。これを見習って、正月に亀戸七福神めぐりをしました。現代の亀戸もやはり梅の名所あり。亀戸天神社の梅まつりはもうすぐです。

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亀戸水神・亀戸
七福神めぐりの前に亀戸水神社にご挨拶

東武スカイツリーライン・曳舟駅から亀戸までを結ぶ、わずか3.4㎞・全5駅の東武亀戸線は、下町をのんびり走る都心のローカル線。往年の車両の塗装を再現した列車も走って郷愁を誘います。

今回は亀戸水神駅から七福神めぐりをスタートします。駅前に出ると、下町の住宅街。駅名の由来となる亀戸水神社は住宅街を西に歩いた一角に建つ小さな社殿です。七福神には該当しませんが、亀戸水神駅で下車したら、まずはこの社にご挨拶。そのまま西へ進み、蔵前橋通りを渡ると常光寺(じょうこうじ)(寿老人)に出ます。本尊の阿弥陀如来は行基(ぎょうき)の作と伝えられ、江戸時代の庶民の行楽「江戸六阿弥陀詣」(えどろくあみだもうで)(6体の阿弥陀如来を参詣)の霊場のひとつ。

ここからさらに西へ少し歩くと、東覚寺(とうかくじ)(弁財天)に出ます。この寺は江戸時代から「亀戸不動」として信仰を集めていました。

ここから明治通りを渡ると亀戸香取神社(恵比寿神・大国神)。創建は飛鳥時代の665年という、江東区で最も古い歴史を持つ社です。平将門の乱に際し、追討使の俵藤太秀郷(たわらのとうたひでさと)は、この神社に参籠(さんろう)して、戦勝祈願。乱をめでたく平定しました。このことから、武運長久の神として、現在では武道・スポーツの神として親しまれています。

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亀戸水神・亀戸
8番目の神さまは亀戸天神社に

明治通りと蔵前橋通りに囲まれた区画は、さながら寺町の風情。鬱蒼(うっそう)とした樹木で覆われた普門院(毘沙門天)はその昔、南千住から当地に移転してきた歴史があり、その際に誤って梵鐘(ぼんしょう)を隅田川に落としてしまい、そこが「鐘ケ淵」という地名になったといわれています。天祖(てんそ)神社(福禄寿)には織田信長がここで流鏑馬(やぶさめ)を行ったところ流行病が収まったという伝説があり、いまも「歩射」(びしゃ)という祭事が行われています。天祖神社から北十間(きたじっけん)川に沿って東へ歩を進めれば、亀戸梅屋敷跡の碑があります。七福神めぐりの最後は龍眼寺(りゅうげんじ)(布袋尊)。江戸初期に住職が萩を植え、以後諸国から集めた百種もの萩を植えたことから萩寺とも呼ばれ、江戸の名所となりました。

七福神ではないものの、この寺町には学問の神・菅原道真公を祀る亀戸天神社あり。8番目の福の神としてお参りしたいところです。境内の梅はまだ蕾ですが、1月24・25日は一年の吉運を招く伝統のうそ替え神事、梅の花が見頃になる2月には梅まつりが開かれます。

社寺以外にも亀戸の街中には見どころがいっぱいです。かつての梅屋敷の建物をモチーフにした複合商業施設「亀戸梅屋敷」は、休憩所を兼ねた観光案内所と物産店。ホールでは定期的に落語会を開催しています。

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亀戸水神・亀戸MAP
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