新・駅前そぞろ歩記

岩槻
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かつては5万5千石の城下町、また日光御成道(おなりどう)の宿場町として栄えた岩槻。日光東照宮の造営に携わる匠たちが、この地に留まって人形作りをしたことが「人形のまち岩槻」の始まりといわれています。現在も雛人形・五月人形を専門とする人形店が軒を連ねる岩槻で、いま話題になっているのが2月22日にオープンする、人形をテーマとした日本初の公立博物館「さいたま市岩槻人形博物館」です。

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いよいよ2月22日オープンさいたま市岩槻人形博物館

埼玉県内で幕末まで存続した城は三つ。忍城(おしじょう)、川越城、そして岩槻城です。広大な城内の一部がスポーツ施設などを併設した岩槻城址公園となり、地域住民の憩いの場になっています。自然林に囲まれた起伏の多い公園で、菖蒲池には朱塗りの八ツ橋が架かり、水路には水鳥が戯れ、寒い冬でも楽しく散策ができます。また園内には昭和の時代を走り抜けた東武特急(デラックスロマンスカー)が展示され、土・日・祝日は車内も公開。鉄道ノスタルジーが味わえます。

公園から街中へ。市街を縦横に繋ぐ小路には、城下町の面影を残す名前が多く付けられています。諏訪小路を北へ進むと、かつての岩槻城の鐘楼(しょうろう)で城下の人々に時刻を知らせていた「時の鐘」。現在でも毎日、朝夕6時と正午に美しい音色を響かせています。

旧岩槻区役所跡に建つ「さいたま市岩槻人形博物館」。切妻(きりづま)屋根の巨大な平屋造りの館内に所蔵する人形は5000点以上。日本文化の中に息づく様々な人形の美と歴史を大観し、その魅力などを広く国内外に発信するグローバルな博物館をめざします。常設展示のほか、開館記念として雛祭りを祝う名品展「雛人形と犬筥(いぬばこ)・天児(あまがつ)・這子(ほうこ)」を開催。天児・這子は人形のルーツとされる希少なものです。

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梅の香りに包まれてまちかど雛めぐり

ミュージアムショップのオリジナルグッズも楽しみですが、博物館に隣接して岩槻の土産品販売やレストランを兼ねた「にぎわい交流館いわつき」も同時オープンします。

岩槻の街も雛祭り「まちかど雛めぐり」(2/22~3/8)で賑わいます。岩槻駅東口周辺の商店街では、各店舗で雛人形を展示。

岩槻城と城下町を囲む土塁と堀の上に祀られた愛宕(あたご)神社では、本殿へ続く27段の石段にずらりと約400体の雛人形を並べる「大ひな壇飾り」を実施します(土・日)。

また、大正時代の土蔵造りの店蔵(みせぐら)・丹過(たんが)長谷川家(国登録有形文化財)では、享保年間(約300年前)から伝わる旧家の雛人形を展示。

裏小路に建つのは岩槻藩校・遷喬館(せんきょうかん)の素朴な学舎。寛政年間に建てられたもので、修理・復元工事を経ていまに残されています。日光御成道(国道122号線)沿いの岩槻郷土資料館は旧警察庁舎で、丸窓・庇(ひさし)のアールデコ装飾など大正期の建築様式の名残りを留めます(国登録有形文化財)。ともに雛人形を特別展示。そのほか天神小路の酒造資料館など、歴史的な建物が大切に保存・公開されています。

なお、岩槻の雛めぐり期間中に、東武健康ハイキングでは「人形博物館オープン記念まちかど雛めぐりハイキング」を開催します。

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