平家の里に開かれた名湯・湯西川温泉。「かまくら祭」で雪国の情緒を満喫する旅へ

「美肌の湯」で知られる名湯・湯西川温泉

栃木県日光市の日光国立公園内にある湯西川温泉。日光市の最北部に位置し、すぐ北は福島県です。標高は約750mと高いため、夏は涼しく、冬は雪が多く降りますが、そのぶん雪国ならではの絶景を堪能することができます。

湯西川温泉は、温泉地名の由来ともなった湯西川の渓谷沿いに多くの旅館や民家が建ち並びます。温泉の歴史は古く、壇ノ浦の戦いに敗れ逃れてきた平家落人が河原に湧き出る温泉を見つけ、傷を癒した起こりとされています。また、追討ちから身を潜めて山村生活を営むため、この地では今もなお端午の節句に鯉のぼりを揚げない、焚き火をしない、鶏を飼わないなど独自の風習が残っているといいます。

湯西川温泉は小さな集落ですが、年間100日以上にも及ぶ数々のイベントが開催されています。地域の人たちが一丸となって「お客様に喜んでもらいたい」と取り組んでいるイベント。そのあったかいイベントに合わせて湯西川温泉を訪ねてみてはいかがでしょうか。

「美肌の湯」と山の幸で温泉旅の醍醐味を感じる

湯西川温泉の魅力は何と言っても「美肌の湯」です。温泉につかった瞬間、肌がヌルッとするのを感じます。これは皮膚の古い角質が取れ、肌が綺麗になる効果があるためとされます。

泉質はアルカリ性単純温泉で、無色透明、無味無臭で含まれる成分が少なく、肌への刺激が少ないのが特徴です。肌に優しいので、お子様や高齢者の方も安心して温泉につかれます。

温泉と共に楽しみの一つである食については、四季を感じる郷土料理を味わうことができます。季節によって湯西川で捕れるイワナ・ヤマメ・ニジマス等の川魚、山菜、キノコなどの山の幸が味わえます。みそべら等を囲炉裏でじっくり焼いて頂く落人料理も有名です。また旅館によっては、野鳥・熊・鹿・山椒魚など珍味を使った珍しい地元料理を提供することもあります。

温泉に浸かって日々の疲れを癒しながら、四季折々の郷土料理も堪能する。これこそ温泉旅の醍醐味です。

日本夜景遺産にも認定されたミニかまくらのライトアップ

湯西川温泉において開催される年間100日以上にも及ぶ数々のイベントの中でも最大の観光イベントが「かまくら祭」です。2009年に「日本夜景遺産」に認定され、栃木県内の冬のイベントとしては知名度も規模も最大級となっています。

かまくら祭は毎年1月下旬から3月上旬まで開催され、ミニかまくらのろうそくが灯る夜は特に幻想的な景色が広がります。会場は5ヶ所ありますが、日本夜景遺産に認定されたライトアップは「沢口河川敷ミニかまくら会場」。地元の人たちが作り上げた1200個ものミニかまくらの美しい灯りは、冬の湯西川温泉でぜひ見ていただきたい景色です。

迫力ある大きなかまくらが見られるのは「平家の里メイン会場」。趣深い茅葺屋根の家々の周りに、冬の風物詩である大きなかまくらがいくつも並びます。

「かまくら祭」の魅力をすべて堪能するには湯西川温泉に泊まりがけでゆっくりと会場を巡るのが一番ですが、1日の中で複数の会場が楽しめるようイベントの時間が会場ごとにずらしてあるなど、日帰りでも十分に楽しめるように工夫もされています。それも、地元の人が一丸となって作り上げているイベントならではの心遣いです。

訪れるたびに楽しめる湯西川温泉の食とイベント

400余年の歴史がある湯西川温泉。「美肌の湯」で体をほぐし、四季を感じられる川の幸や山の幸、また珍しい郷土料理でお腹を満たし、心づくしのイベントで楽しむ。温泉旅の楽しみが、湯西川温泉にはギュッと詰まっています。ぜひあなたも、冬の湯西川で、この季節にしか味わえない景色に出会ってください。

※2019年11月現在の情報です