SL復活への軌跡
運転・車両・施設概要
鬼怒川線を走るSL「C11形207号機」と
車両・施設概要についてご紹介します。
C11形207号機とは
このたび当社がJR北海道から借り受けたSL「C11形207号機」は、1941(昭和16)年12月26日に日立製作所笠戸工場にて製造、その現役期間中は、一貫して北海道で使用されていた車両です。1974(昭和49)年廃車後は、北海道日高郡静内町(現・新ひだか町)にて静態保存されていました。2000(平成12)年からJR北海道が動態保存機として使用を開始。「SLニセコ号」を中心として「SL冬の湿原号」、「SL函館大沼号」などで活躍してきました。
北海道の大自然の中を疾走するC11-207
SLニセコ号として活躍していた頃のC11-207
運転概要
運転区間 | 東武鬼怒川線 下今市~鬼怒川温泉間 12.4km |
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停車駅 | 下今市・東武ワールドスクウェア・鬼怒川温泉 |
所要時間 | 約35分 |
運転日 | こちらをご覧ください。 |
車両概要
蒸気機関車 C11-207 1両 JR北海道から借受
車掌車 ヨ8634、ヨ8709 各1両 JR貨物、JR西日本から譲受
客車 14系(スハフ14-1 スハフ14-5 オハフ15-1 オハ14-1 オハ14-505 5両)・12系(オロ12-5 オロ12-10 2両)JR 四国・JR北海道から譲受
ディーゼル機関車 DE10-1099 1両 JR東日本から譲受
- ※蒸気機関車(SL)の借受および車掌車・客車の譲受は、車両等の産業文化遺産の保存実績がある東武博物館が行い、ディーゼル機関車の譲受は東武鉄道が行いました。
SLの編成図
- ※客車の座席数は、約200席です。
転車台の設置
JR西日本が所有する、かつて国鉄で使用していた長門市駅転車台および三次駅転車台の譲渡を受け、下今市駅に長門市駅転車台、鬼怒川温泉駅に三次駅転車台をそれぞれ設置しました。
名称 | 旧設置場所 | 協力会社 |
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下今市駅転車台 | 長門市駅(山口県 長門市) | JR西日本 |
鬼怒川温泉駅転車台 | 三次駅(広島県 三次市) | JR西日本 |
下今市駅転車台
鬼怒川温泉駅転車台
南栗橋SL検修庫(埼玉県久喜市)の新設
南栗橋SL検修庫
南栗橋SL検修庫は「鉄道産業文化遺産の保存と活用」を目的として、蒸気機関車(SL)をはじめとして、ディーゼル機関車(DL)および車掌車の保守用施設として建設しました。
SL・DL・車掌車は、従前の当社が運行・保守している電車に比べ、検査や修繕の方法が全く異なるため、当検修庫の建設にあたっては、保守実績のある関係各社のご協力をいただきながら設計をおこない、排煙装置や専用ピットなどの専用設備を整備しました。
SL復活運転を契機として、隣接する南栗橋車両工場の既存設備も活用しながら、ご協力いただいた関係各社から託された思いを受け継いで、SLをはじめとする保守技術の継承・伝承に挑戦してまいります。
下今市駅舎改修およびSL展示館・転車台広場・下今市SL機関庫の整備
SL発着の拠点となる下今市駅は全面的に改修を行い、かつてSLが走っていた時代を彷彿とさせる昭和レトロ感のある拠点に生まれ変わりました。構内にはSLの日常の点検等を行う下今市SL機関庫を新設するとともに、SLの雄姿を間近で見学できるエリアを整備するなど、下今市駅を中心として地域の観光拠点性向上を図り、日光・鬼怒川エリア全体の地域活性化を目指しております。
SLの発着駅となる下今市駅
下今市SL機関庫
下今市駅転車台広場・下今市SL機関庫
下今市駅舎内
下今市駅SL展示館