春うらら、クラフトの街 東向島春うらら、クラフトの街 東向島

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どんどんと春めいてきて、おさんぽを楽しむのにぴったりな季節がやってきました。
今回の舞台は、東京スカイツリー®のおひざもと、曳舟駅から東向島駅にかけて。
桜を愛でながら、手仕事やリノベカフェを訪ねてみませんか。

少しでも混雑を避けて
春爛漫の隅田川沿いへ

東武鉄道沿線のなかで人気のある桜の名所といえば、隅田川沿いに続く隅田公園。桜並木と川面と東京スカイツリーなどの摩天楼がセットとなった風景は、東京の春を代表する美景のひとつとなっています。この風景を見られるのは、隅田川右岸の浅草側。外国人旅行者も復活した昨年は、歩くのもひと苦労するほど、花見に訪れた人でごったがえしていて、人気のカフェは数時間待ちは当たり前、というにぎわいぶりでした。

隅田川沿いは魅力的だけど、混雑するから……。こうあきらめていた皆さんにおすすめなのは、浅草側からすみだリバーウォークや言問橋、桜橋などを渡った隅田川左岸に続く桜並木。こちらも多くの人出がありますが、浅草側に比べると少ない印象。首都高向島料金所の辺りまで川沿いに桜が植えられていて、桜の花のトンネルが続いています。
なかでも、桜橋の辺りまで北上すれば、例年、花見客はぐっと少なくなります。加えて、最寄り駅となる押上駅やとうきょうスカイツリー駅周辺も混雑するので、東武スカイツリーライン曳舟駅を起点とするのがおすすめ。この一帯は隠れ家のようなお店がたくさんあって、知られざる新しい下町の魅力を発見できます。

隅田川左岸の桜を愛でる際に欠かせないのが、桜橋のすぐ近くにある「長命寺桜もち」。享保2(1717)年、隅田川沿いの桜の葉を塩漬けしてお菓子にしたことがルーツというここの桜もちは、江戸時代から花見のお供として愛され続ける東京が誇る伝統菓子です。桜の開花時期は早く売れ切れるほどの人気ゆえ、事前に予約しておくようにしましょう。

アートなスポットが点在する
曳舟駅周辺から散策スタート

東武スカイツリーラインの曳舟駅前は、東口側にこそ商業施設が並んでいるものの、西口側はすぐに住宅街が広がる閑静なエリア。まずは、ヨーロッパの古書をアート作品として鑑賞するという、知られざる体験を「LE PETIT PARISIEN」で楽しんではいかがでしょう。書籍こそ知識であり、財産であると考えたかつてのヨーロッパの貴族たちは、所蔵する際に独自の装丁を施しました。その象徴的なものが、本の見返し部分に貼られた蔵書票。家ごとに異なる紋章や図案などを描き、本の持ち主を示した小さな紙片です。店主の石川順一さんは、蔵書票をとおして書籍を文化的な価値の高いものとして広める活動を行っています。

駅前から曳舟川通りを南へ下ったところにある「ろくろと米 ととと」は、陶芸体験とこだわりのお米を使った和食がセットで楽しめる体験工房。昼に開かれるカウンターでのミニろくろ+ランチコースなら、陶芸ビギナーでも気軽に参加できます。こちらは、すぐ近くにあるアート体験施設「CREA BASE」が2023年4月にオープンした話題の新スポット。とくに週末は満席になることが多いので、早めの予約がおすすめです。

国道6号近くまで移動すると、ビカクシダという植物が飾られた店内が写真映えすると話題の「貯⽔葉」があります。ランチタイムは魯肉飯、カフェタイムは豆花と、台湾料理が味わえます。

昭和の香り漂うカフェと
端整なフォルムの如雨露(じょうろ)と─

桜橋周辺の桜並木から隅田川近くを走る墨堤通りを北上すると、東向島駅の西側エリアに到着します。一帯は小さな工場や工房が点在するクラフトの街。今回は、手仕事のすばらしさを知るために「根岸産業」を訪ねました。世界でも唯一無二となった、銅製の園芸用如雨露を根岸洋一さんが生み出しています。
「神社仏閣の屋根職人だった初代が創業し、2代目が園芸用如雨露専門の工房にしました。長年のノウハウを生かして、繊細ながらしっかりと水が出る構造のため、盆栽職人などに愛されています。現在は海外でも盆栽愛好家が増えたことで、世界26か国に愛用者が増えています」
使い勝手がよいうえに、フォルムも美しい如雨露を作る工程を見学することができます。対応が可能な時には、空き缶を使った如雨露作り体験も可能です。

近くにある鳩の街通りは、昭和の面影が残された商店街。そのなかほどに、東向島を代表する人気店「古⺠家カフェ こぐま」があります。昭和2(1927)年築の薬局を使った温もりある店内で、すみだブランド認証を受けたオリジナルの焼きオムライスなどが味わえます。

鳩の街通りの北側にある地蔵坂通りでは、お餅をワッフルのように焼いたモッフルが名物の「カフェギーゾ」を見つけました。ドリップやプレス式で淹れたコーヒーとともに、ひと休みできます。

国道6号を渡ってすぐの路地裏には、厳選した素材本来の味わいをたいせつにした、大福とどら焼きの名店「いちや 本店」があります。「東京ミズマチ」にある店舗は、行列ができるほどの人気を誇るこちら。花見のお供としてテイクアウトしてはいかがでしょうか。

江戸の町民文化を感じる
花の名所で春色を探して

「いちや 本店」からすぐの国道6号沿いを歩いていると、レトロモダンな建物のお店を発見しました。不定期で営業しているビリヤニ専門店「野島商店」です。緑のタイルが飾られ、斜めに引き込まれたエントランスは、昭和の面影を感じさせるデザイン。陶芸家・西山光太さんが作る壺で炊いたビリヤニは、バスマティライスを使った本格的な味わいです。

国道6号をさらに北上すれば、東武スカイツリーライン東向島駅に着きますが、春さんぽでは「向島百花園」にも立ち寄りたいところです。四季をとおして樹木や山野草のお花が楽しめるほか、さまざまな催しが開かれています。
百花園とは、一説では「四季百花の乱れ咲く園」という意味で名付けられたとされています。現在でも70本以上の梅に始まり、桜や多くの山野草、フジ、ハナショウブ、夏の七草、秋の七草、およそ30mの萩のトンネルと、一年を通じてさまざまな花を楽しむことができます。園内の「茶亭さはら」でひと息つきながら、春のお花を楽しんでみては。

花をテーマにした春さんぽでは、ちょっと足を延ばしてみたいおすすめのお店も見つけました。向島百花園から東側を走る明治通りを1・5㎞ほど南東へ進んだ通り沿いにある、フラワーショップ「L'eau et le Soleil」です。
昭和レトロな面影を残す長屋「旧邸」を使っていて、岩絵具で描かれた壁一面の青い絵と色とりどりの花が、フォトジェニックな空間をつくり上げています。ブーケやアソート、リース、スワッグなどのオーダーも可能で、東京23区内であれば平日&土曜の午前中に無料で配送してくれるうれしいサービスもあります。

このエリアのおすすめスポットや
アクティビティのご紹介

隅田公園

[すみだこうえん]

川の両岸をピンクに縁取る
江戸時代から続く桜の名所

台東区浅草側と墨田区向島側の両岸に続く公園。江戸時代の四代将軍・徳川家綱の命で植えられたことを起源とする、古くからの桜の名所として知られています。現在は両岸におよそ500本を超える桜が並び、開花期間にはさまざまなイベントが行われるさくらまつりが開催されます。

  • 入園自由
  • 東京都墨田区向島1,2,5
  • 桜橋周辺へは、東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩15分

長命寺桜もち

[ちょうめいじさくらもち]

お花見のお供に
TAKE-OUT

北海道産小豆の餡を小麦の薄皮で包み、西伊豆・松崎産の桜の葉で覆った関東風桜もち。葉は外して食べるのが◎。

2.赤毛氈が敷かれ、古風の雰囲気漂う店内

  • 03-3622-3266
  • 8:30~18:00(売れ切れ次第終了)※桜開花時期の電話予約は早めがおすすめ
  • 月曜
  • 東京都墨田区向島5-1-14
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩13分

LE PETIT PARISIEN

[ルプチパリジャン]

書籍をアートとしてとらえ
蔵書票の魅力を伝える

書籍を単なる読み物だけでなく、美術的作品としても鑑賞する魅力を紹介するお店。ラファエル前派やアールヌーヴォーと関連した19世紀後半〜20世紀前半の挿絵本、戦前の日本の書籍を中心に展示されています。書籍の持ち主を明らかにするために貼り付けられた、ヨーロッパ貴族の紋章や特定の意匠を施した道具である蔵書票についても紹介しています。

1.店主の石川順一さんが収集した、国内外の希少な古書を自由に閲覧できる店内。「オープンな書斎」をテーマとしています 2.蔵書票を研究する石川さんは、みずからの蔵書票も制作 3.アート作品としての価値も高い歴史的な蔵書票も数多く収蔵

  • 03-3612-9961
  • 13:00~18:00、19:00~22:00
  • 水・木曜(夜は不定休、上記電話にて要確認)
  • 東京都墨田区東向島2-14-12
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅からすぐ

ろくろと米 ととと

[ろくろとこめととと]

古民家でおしゃれに陶芸&
和食ランチを楽しんで

レトロモダンな空間で陶芸体験ができる工房。カウンターでのミニろくろは時間内であれば、おちょこや小鉢、小皿などを何個でも制作可能(焼成・送料別)。福岡県産コシヒカリの美味しさが味わえるランチは、明太子か牛すじを選べます。希少な日本酒もそろっていて、おちょこ1杯から注文できます。

1・2・3.カウンターでのミニろくろ+お昼のお食事コース5500円のほか、フリースタイルの手びねりと電動ろくろコースも用意。予約は公式サイトで受付 4.土鍋で炊いたお米が美味な陶京めんたい重

  • 090-6112-1010
  • 11:00~21:30(LO21:00)
  • 月曜
  • 東京都墨田区向島4-30-14
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩6分

貯⽔葉

[ちょすいよう]

店主の好きな2つを
ぎゅっと詰め込んで

店主・小林雄一郎さんが趣味で育てているビカクシダというシダ植物が、店内の壁を埋め尽くす台湾料理店。本場で食べて感動したという魯肉飯をメインに、カフェタイムは豆腐スイーツの豆花や中国・台湾茶などが味わえます。ビカクシダの購入も可能。

1.築40年ほどの建物とは思えない、おしゃれな空間の店内 2.大きな豚肉や煮卵がのった魯肉飯に、小鉢やスープが付いた定食1200円。写真の右中央は豆花800円

  • 非公開
  • ランチ11:00~14:00、カフェ14:00~17:00(LO16:30)
  • 水・木曜
  • 東京都墨田区向島4-5-7
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩7分

根岸産業

[ねぎしさんぎょう]

& more
CRAFT

0.5L5,000円~の銅製をはじめ、ステンレス製や真鍮製の園芸用如雨露を製造・販売。壊れても修理すれば長年使用可能。

  • 03-3611-2959
  • 9:00~18:00
  • 土・日曜、祝日
  • 東京都墨田区堤通1-17-30
  • 東武スカイツリーライン東向島駅から徒歩13分

古⺠家カフェ こぐま

[こみんかカフェこぐま]

昭和の看板や薬棚など
古き良き空間でくつろぐ

ノスタルジックな雰囲気に包まれた有名カフェ。店内には、薬局だった時代の棚や引き出しのほか、陶芸作品が飾られています。具入りのケチャップライスに溶き卵を入れ、オーブンで仕上げた焼きオムライスが、イチオシのランチメニュー。自家製スイーツも充実しています。

1.木を多用した店内には、学習塾で使われていた机と椅子が並びます 2.ふわふわ食感の卵が特徴の焼きオムライス1150円。左奥のドリンクは、りんご牛乳630円

  • 03-3610-0675
  • 11:30~18:30(LO18:00)
  • 火・水曜
  • 東京都墨田区東向島1-23-14
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩8分

カフェギーゾ


新しくて懐かしい味わいの
モッフルを味わって

古材を使ったエントランスが目を引く、地蔵坂通りにあるカフェ。お餅を専用の機械でワッフル状に焼き上げたモッフルは、スイーツ系6種とご飯系3種。スイーツ系はハーフ&ハーフにできるほか、アイスの有無が選べます。多彩なドリンクのなかで、プレス式のコーヒーがおすすめです。

1.おすすめのモッフルは、ミックスベリーのアイスのせ600円。ドリンクとのセットもあります 2.古材で造られた入口とは変わり、細長い造りの店内はスタイリッシュな空間

  • 03-3611-0026
  • 12:00~19:00前後
  • 日曜(不定休あり)
  • 東京都墨田区東向島3-35-7
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩7分

いちや本店

[いちやほんてん]

お花見のお供に
TAKE-OUT

最高級のもち米や柔らかい甘さの鬼ザラ糖など、厳選した素材を使用。もちもち食感の大福250円~が絶品です。

  • 03-3612-0724
  • 10:00~17:00
  • 火曜
  • 東京都墨田区東向島2-34-10
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩5分

向島百花園

[むこうじまひゃっかえん]

風流な江戸っ子の気分で
多彩な花々を愛でたい

江戸の町人文化が花開いた文化・文政期に開園した歴史スポットで、国の名勝および史跡に指定されています。骨董商を営んでいた佐原鞠塢が、交友のあった江戸の文人墨客の協力を得て開園。花の咲く草木観賞を楽しめるほか、芭蕉句碑や山上憶良歌碑などの碑もあり、文人たちの足跡をたどることもできます。

  • 03-3611-8705
  • 9:00~17:00(最終入園は16:30)
  • 無休
  • 一般150円、小学生以下&都内在住・在学の中学生無料、65歳以上70円
  • 東京都墨田区東向島3-18-3
  • 東武スカイツリーライン東向島駅から徒歩8分

野島商店

[のじましょうてん]

理容店の空間で味わう
本格派の壺炊きのビリヤニ

昭和レトロな洋風建築の元理容店を使ったビリヤニ専門店。壁一面の鏡は往時の名残です。ビリヤニは店主・野島二郎さんの友人による特注の壺で、バスマティライスにスパイスや野菜、肉などを加えて炊き込んだもの。添えられる副菜やヨーグルトソースを合わせながら、味を変えて味わうのがおすすめです。

1.野菜のビリヤニに半熟たまごのピクルス、バターチキンカレーをトッピングして1380円。辛すぎず、スパイシーな味わいが後を引きます 2.細長い鏡をそのままに残した店内

  • 非公開
  • 12:00~15:00
  • 不定期営業(Instagramで要確認)
  • 東京都墨田区東向島2-34-4
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩5分

L'eau et le Soleil

[ルイルソレイユ]

& more
CRAFT

歴史ある長屋を改装して2021年に開店。花だけでなくグリーンなど多彩な品種がそろっていて、オンラインオーダーも可能。

1.春は黄色い小粒の花が特徴のミモザの季節 2.右側の壁一面に青い絵が描かれています 3・4.リースなどをオーダーして配送してもらうのがおすすめ。23区以外はゆうパックを利用

  • 03-6657-2779
  • 12:00~20:00
  • 日曜、祝日
  • 東京都墨田区八広2-45-9
  • 東武スカイツリーライン曳舟駅から徒歩14分

Present | プレゼント

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