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昭和レトロな商店街や宿場町の面影を残し、23区内でとても活気あふれる街のひとつといわれる北千住。
続々と最先端スポットが誕生しているなか、「アートな街」としても注目度がアップしています。新しい北千住のめぐり方を紹介します。
江戸時代の宿場町から
下町のにぎわいが続く街
東武スカイツリーラインをはじめとして、全5路線が乗り入れる北千住駅。1日あたりの乗降客数は都内屈指の多さを誇る一大ターミナルです。この北千住駅から歩くのが、この街のめぐり方。とはいえ、アートスポットはかなり広範囲に点在しているので、駅周辺にあるシェアバイクを利用するのもおすすめです。
北千住らしさを感じるなら、まずはにぎわいを見せる駅西口へ。プロムナードでつながった北千住マルイやルミネ北千住が駅前にそびえ、西側へまっすぐに延びる北千住駅前通りに沿って飲食店やショップが集まるビルが林立しています。その路地裏には、赤ちょうちんを掲げた居酒屋や現地の味を日本に広める外国料理の名店などが所狭しと密集。昼も夜も多くの人が行き交い、古くから変わらない街の姿を見ることができます。
そんな活気あふれる駅前通りをおよそ150m進むと、南北に走る旧日光街道に行き着きます。今でこそ細い路地ですが、その名の通り、江戸時代に設けられた五街道のひとつに数えられる古道。起点の日本橋から最初の宿場町が置かれたのがこの北千住であり、往時の街は全長4㎞にも及ぶほど大いに繁栄しました。旧街道沿いには、江戸時代建造の建物なども点在していて、人気の歴史さんぽ道となっています。
街のアートシーンを学びに
まずは2つの中核施設へ
街のリアルな姿や歴史を知ったら、いよいよアートさんぽへ出発。まずは、西口の駅前から南側へ歩いて10分ほどの墨堤通りの界隈をめざしましょう。アートをテーマにした新スポットが続々と誕生している最注目エリアです。
このエリアには、必ず立ち寄りたい2つの中核スポットがあります。そのひとつ目が、墨堤通り沿いに立つ「BUoY」。ユニークな名前の由来は、沈めても水中に沈まず、船舶の目印となるよう海に浮かぶ「浮標」。地下の銭湯を演劇などができる劇場に、2階のボーリング場はカフェ&ギャラリーへとリノベーションした、現代アートや建築、音楽、演劇などの要素を融合させた、北千住のアートシーンを牽引する存在です。
コラージュ画像1の店内写真は「BUoY」のカフェスペースを写したもの。新と旧、無機質と有機質、カラフルとモノトーンなどさまざまな要素がうまく調和されていて、広く居心地のいい空間が広がっています。明るく開放的な窓際席、照明が落とされ静かに過ごせる店内奥のソファ席、客同士の交流が生まれそうな大きなテーブル席など、好みの場所を見つけるのも楽しみです。さらに、時には現役のアーティストが店内の片隅で作品を制作する現場に出合えることもあります。
「BUoY」西隣すぐのミリオン通り商店街にある「仲町の家」が、2つ目の中核スポットです。こちらは、戦前に建てられた築100年ほどの日本家屋を利用した文化サロン。北千住で音をテーマにしたさまざまなイベントなどを企画する、アートで人と人をつなぐアートプロジェクト「アートアクセスあだち音まち千住の縁」の拠点にもなっています。
路地から石畳のエントランスを進んで足を踏み入れると、街中の喧噪とはかけ離れた静かな空間が広がっています。有料のイベントが開催されていなければ無料で入館でき、みごとな日本庭園を前に縁側でゆったりとくつろぐと、とっても気持ちいいですよ。この街に詳しいコンシェルジュが常駐しているので、おすすめの場所を教えてもらうこともできます。さらに、その時期に街で開かれているイベントなども案内してもらえるので、さんぽの最初に訪れるのがよさそうです。
芸大の誕生から始まった
「ミックス」アートがキーワード
このように、2つの中核スポットをめぐると、北千住のアートシーンは他の街と少し異なっていることに気づきます。そう、ミュージアムをめぐって作品を鑑 賞するのではなく、アートをテーマにさまざまな要素をミックスさせた場所やプロジェクトを訪ねるのが北千住スタイル。 2006年に東京藝術大学の千住キャンパスが開校してから、こうした活動が盛んになりました。「BUoY」や「仲町の家」で行われるアートイベントには、数多くの芸大生も参画。街にアートの風を吹き込みました。
さらに北千住は、職業も出身地も多彩な人々が集う宿場町だった歴史から、新しい多様な文化を融合させていくことに長けていたのかもしれませんね。こうして「ミックス」アートをキーワードにこの街をめぐると、アート感覚あふれるカフェやショップにもたくさん出合いました。
墨堤通りの辺りで見つけたのは、スタイリッシュな空間がコンテンポラリーアートのミュージアムを思わせる「SLOW JET COFFEE」、古民家を再生させた店内で日本各地のモノづくりをメインに販売するカフェ「KiKi北千住」、手毬に魅せられた館長がその魅力を広めるべく開いた、ユニークな「はれてまりカフェ」もすぐ近くです。
駅前から北西へ少し離れた荒川の土手近くにある「タカラ湯」は、富士山の銭湯絵とともに、日本庭園と縁側が実に見事な銭湯。テレビ番組のロケ地などになることも多いその美景は、アートと言っても過言ではないでしょう。
飲食店の競争が激しい北千住駅西口の駅前にも、アート感覚にあふれたお店をいくつも発見。昭和ポップカルチャーをテーマにした「Sd coffee」は、昭和をテーマにしたミュージアムのような店内が唯一無二の存在です。この街に数あるカフェのなかで高い人気を誇る「わかば堂北千住」は、レトロとモダンや芸術作品などを融合させた店内が魅力。「2538 DELI coupe」は、まるでアートオブジェのような美しい盛り付けのコッペパンが人気を集めています。
「びあマ北千住店」は、世界中のクラフトビールを集めたショップ。〝気鋭のアーティストによる作品のようなラベルの商品をジャケ買い〞して、部屋に飾りたくなるほどカラフルな商品がそろっています。




1.「BUoY」のカフェスペース。 2.手毬に魅せられた館長がその魅力を広めるべく開いた、ユニークな「はれてまりカフェ」。 3.KiKi北千住のメニュー。静岡の茶師とともに開発した、オリジナルの日本茶を使ったメニューがそろっています。 4.「仲町の家」は築100年ほどの日本家屋を利用した文化サロン。 5.Sd coffeeでは、店内に所狭しと当時のグッズが並んでいて、オーナーが好みの銭湯に関するアイテムも販売。
銭湯&ボーリング場跡地に誕生した
この街のアートセンターのような存在
BUoY
[ブイ]


墨堤通り沿いにある、小さな看板だけが目印のアート空間。2階のカフェでは、豆や抽出法、蒸らす時間などが選べるこだわりのコーヒーやスイーツなどが楽しめます。「アート イン カフェ」をテーマに、アーティストによる芸術活動を見られることもあります。クリームチーズやマスカルポーネ、生クリームの濃厚な生地に、季節のフルーツやナッツなどを合わせて冷やした、イタリアのアイスケーキのカッサータ600円。ドリンクは3種の色から選べるクリームソーダ550円


左:4種の豆から選べる「読み上げるコーヒー」500円
右:タイミングが合えば、絵画などを描くシーンが見られます
非公開(HPより問い合わせ可)
木~金曜14:00~19:00、土・日曜、祝日13:00~18:00
月~水曜(HPで事前に要確認)
東京都足立区千住仲町49-11( 墨堤通り側入り口)2階
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩10分
カフェ、工房とめぐり伝統の
「手毬」の世界へ
はれてまりカフェ
[はれてまりカフェ]


駅東口の南東にある手毬をテーマにしたカフェ&工房。全国各地に残された貴重な手毬の魅力を紹介する工房が裏手に併設されていて、ワンオーダーすれば無料で見学できます。毎月1回、手毬の制作体験も実施(日時はSNSで要確認)。土・日曜はフードメニューも提供してます。


左:小さな手毬のアクセサリーも販売
右:手毬が作れるてまりキット4400円
03 -5284 -8232
12:00~18:00(LO17:30)
月曜
東京都足立区千住東2-5-14
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩7分
昭和ポップカルチャーを通して
元気がもらえるカフェ
Sd coffee
[エスディコーヒー]


日本にパワーが満ちていた昭和40~60年代のポップカルチャーをテーマにした人気店。店内では所狭しと当時のグッズが並んでいて、オーナーが好みの銭湯に関するアイテムも販売。ドリンクやフードがSNS映えすると話題を集めています。


左:ホットドッグ&牛乳シェイクのお店の夏のおすすめは、山椒がぴりりときいたスズキデンキの味1250円。ドリンクは抹茶めっちゃシェイク800円
03-6806-1013
11:30~18:00
火曜
東京都足立区千住4-19-11 サーパスビル1F
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩6分
日本の隠れた手仕事を紹介しながら
日本茶の新しい魅力にも出合える
KiKi北千住
[キキきたせんじゅ]


築90年ほどの古民家を自らリノベーションした日用品と喫茶のお店。静岡の茶師とともに開発した、オリジナルの日本茶を使ったメニューがそろっています。店内ではおもに日本のモノづくりを販売。月単位などでテーマが変わるので、SNSやHPで確認を。


左:コーヒー豆の購入もOK。おしゃれなパックに入れてもらえます
非公開
12:00~17:00(不定期で夜営業あり、公式HPで要確認)
火・水曜
東京都足立区千住東1-16-2
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩8分
「飲み飽きない」をめざした
北千住のおしゃれカフェ
SLOW JET COFFEE
[スロージェットコーヒー]


京都や土浦にも店舗を構える、人気コーヒーショップの本店。お代わりしたくなる味をめざしたというコーヒーとともに、店内で手作りされたモーニング&ランチやスイーツが味わえます。デザイン性の高いオリジナルのマグカップ1870円やタンブラー3300円~も人気。


左:日本茶とチョコレートのペアリングギフトセット2000円。3種のオリジナル茶葉の「時をつくるお茶」20~25g1080円も販売
03-3888-8278
7:00~23:00(フードLO22:00、ドリンクLO22:30)
無休
東京都足立区千住東1-29-12
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩10分
寺社建築を思わせる建築美
古き良き銭湯文化を今に伝える
タカラ湯
[タカラゆ]


「キングオブ縁側」や「キングオブ庭園」と称されるほど、錦鯉が泳ぐ池を配した日本庭園と縁側がみごとな銭湯。昭和初期に建てられた宮造り千鳥破風の堂々とした建物も目を引きます。お湯は井戸水を使っていて、肌ざわりなめらかなのも魅力。大人480円(料金改定の可能性あり)


左:オリジナルの手ぬぐい(写真)300円やポストカード100円も
右:建築当時の姿をとどめる、格子天井も見どころのひとつ
03-3881-2660
15:00~23:00(最終入場22:30頃)
金曜
東京都足立区千住元町27-1
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩17分
駅前にいることを忘れる
くつろぎ空間の大人気カフェ
わかば堂 北千住
[わかばどうきたせんじゅ]


古民家を居心地がよく、おしゃれな空間にリノベーションしたカフェ。平日でも行列ができるほど、北千住屈指の人気を誇っています。夜はアンティークな照明やロウソクのやさしい光に包まれ、真空管アンプが奏でる音楽が流れる大人の雰囲気に。


左:窓が大きく明るい雰囲気の昼間の2階
右:アート作品も各所に
03-3870-6766
12:00~24:00(LO23:00)、日曜、祝日~21:00(LO20:00)
無休
東京都足立区千住1-31-8
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩3分
日本家屋と庭園とアートを融合させた
北千住さんぽの拠点
仲町の家
[なかちょうのいえ]


築100年ほどの邸宅を使った文化サロン。建物や庭園を観賞しながらのんびりと過ごせるほか、常駐スタッフによる街やイベントなどの情報を得ることもできます。建物を使ったアートプログラムが開かれることもあるので、事前にSNSやHPをチェックしてみて。入場無料(イベント開催時は有料の場合あり)

左:奥に見えるのは茶室で、手前に波打って見えるのはアート作品の一つ。こうした作品は不定期でお目見え
03-6806-1740
土~月曜、祝日10:00~17:00
火~金曜(夏季、年末年始休業あり)
東京都足立区千住仲町29-1
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩10分
外で食べるのにもぴったりな
おしゃれなコッペを
2538 DELI coupe
[ニコミヤデリコッペ]


本格イタリア料理店などを手掛ける2538によるコッペパン専門店。手のひらサイズのため、複数個を食べ比べできると評判です。「パンをおさらに料理を食べる」をモットーに、挟まれる料理はいずれも本格的な味。2個入りのかわいいボックスでテイクアウトするのもおすすめです。

惣菜系や甘い系など、豊富なメニューがあるなか、厚切りローストポークコッペ350円(左)やあん生クリームチーズ260円がおすすめ。ローストポークは低温調理されていて、軟らかくジューシー。
03-3870-5600
11:00~24:00(売り切れ次第終了)
無休
東京都足立区千住4-19-16
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩6分
ラベル買いしたくなる
世界のクラフトビールを
びあマ北千住店
[びあマきたせんじゅ]


常時1000種ほど並び、毎週20種ほどが入れ替わるという、都内随一の品ぞろえを誇るクラフトビール専門店。瓶&缶のボトルのほか、種類が入れ替わるドラフトビールも10種あり、その場で飲むこともできます。フードの持ち込み300円もOK。


左:イートインはスタンドスタイル
右:カラフルなラベルの商品も多数
03-3822-2508
14:00~23:00、日曜、祝日~22:00
無休
東京都足立区千住2-62
東武スカイツリーライン北千住駅から徒歩すぐ
Present | プレゼント
