秋色を探して、南会津秋色を探して、南会津

福島県の会津地方南部、栃木県との県境に位置する南会津エリアは秋、目を奪われるような見事な紅葉が広がります。
ちょうど、山の幸がもっともおいしくなる季節も到来。今年の秋は、南会津で紅葉リゾートを楽しみませんか。

南会津の秋の美景は
三大紅葉名所でまず眺めて

南会津と聞くと、かなり遠い印象を抱くかもしれません。特急リバティ会津は、実は中核タウンとなる会津田島駅まで浅草駅から直通運行。東武線からなら、乗り換えなしでアクセスできる、とくに秋におすすめの穴場の旅先なのです。浅草駅からおよそ1時間45分後に到着する下今市駅を過ぎると、沿線に山々が迫るようになってきて、車内からも紅葉を愛でることができます。
全国各地に広がる紅葉の名所のなかでも、南会津の特徴は、趣の異なる千変万化する秋の風景を楽しめること。たとえば写真1枚目の「観音沼森林公園」は、静かな水面に色とりどりにライトアップされた木々が写り込む幻想的な風景。2枚目の昼間の風景も、水辺に続く草紅葉との組み合わせが美しく、福島県内屈指の紅葉の名所となっています。
最寄り駅から歩いてアクセスできることから、年間をとおして多くの観光客が訪れる「塔のへつり」は、川の流れが長い時間をかけて断崖を塔の形に刻んだ国の天然記念物。そんな特異な奇岩の絶景と瑠璃色の川面、そして木々の紅葉をセットで見ることができます。入り口にあるみやげ物店には地元の特産品などが並び、旅に楽しみをプラスしてくれます。
江戸時代、会津西街道の宿場町だった「大内宿」は、立派な茅葺屋根の建物が保存された歴史地区。未舗装に戻された街道沿いに歴史的な建物が2列に並ぶ姿は、日本の原風景と呼べるほどの美しさを誇ります。そんな大内宿では秋、街道沿いや周囲の木々が紅葉し、茅葺屋根と一帯となった美景が広がります。高台から遠望したり、街道を歩いたりと、視点を変えて眺めるのがおすすめです。

3つの紅葉の名所を紹介しましたが、秋に現地を訪れたことのある人ならお分かりのはず。鉄道の車窓から、ドライブ中の窓からと、一帯は紅葉した山々が続いているのです。たとえば観音沼森林公園の駐車場前を通る道は、南から西方にかけて山々を望むパノラマライン。はるか先にまで続く山並みのすべてが秋色に染まっていて、まるで錦絵のような絶景です。
会津田島と湯野上温泉を結ぶ、南会津のメインルートである国道121号を走っているだけでも、紅葉した山並みが永遠と続きます。大内宿へ路線バスで向かうなら、清流沿いに続く木々が紅色に染まった、紅葉のトンネルを進みます。
そう、南会津では3つの名所だけでなく、どこでも紅葉狩りを楽しむことができるほどの紅葉パラダイスなのです。

旅の宿は、湯野上やその先にある芦ノ牧がおすすめの温泉地。自然に抱かれた宿の多くは露天風呂を備えていて、紅葉を愛でながら湯浴みができる風情ある体験ができます。夕食では、地元で採れた川魚やキノコなどの秋の恵みもふんだんに味わえるのも魅力。身も心も秋一色に染まることができます。
次は、そんな秋の南会津の旅でおすすめの立ち寄りスポットをお届けします。運転をしない人も楽しんでもらえるよう、会津田島駅と湯野上温泉駅を結ぶ会津鉄道と徒歩や路線バスでめぐることもできる場所を選んでみましたよ。

AIZU-TAJIMA Sta.
- 会津田島駅 -

たとえば浅草発9時30分の特急リバティに乗車すれば、会津田島に到着するのは12時38分。ちょうどお昼時に南会津の旅を始めることができます。 会津田島は、南会津エリア最大の町。駅周辺にさまざまなお店やホテル、レンタカー店が点在しています。なかでもおすすめのランチスポットは、金物店だった昭和レトロな建物をおしゃれな空間へとリノベーションした「CAFE JI MAMA」。素材の水分だけで作られた無水調理のパキスタンカレーや、手作りのスコーンを味わうことができます。

すぐ近くには、「CAFE JI MAMA」オーナーの奥様が昨年開いた、日用品をそろえる雑貨店「ひと粒」もあるので、食後に立ち寄ってみましょう。店主が気に入ったものが並ぶなか、会津木綿や駆除された鹿の皮を使った小物など、南会津ならではの品々もそろっています。

駅を越えた北側にある「会津田島祇園会館」は、この地の文化を知る上で欠かせない施設。国の重要無形民俗文化財に指定されている「田島祇園祭」を紹介していて、見る者を圧倒する大屋台や豪華絢爛な七行器(ななほかい)行列など、伝統行事の臨場感を体験することができます。

Around AIZU-TAJIMA Sta.
- 会津田島駅から足をのばして -

そんな会津田島から直線距離でおよそ40㎞南西に、檜枝岐という村があります。ここは奥会津と呼ばれる秘境の地。その途中には、日本では数少ないスウェーデン料理が味わえる「ゲストハウス・ダーラナ」と、会津木綿の工房「会津木綿手づくり工房 MON&MARI」があります。この辺りは、建物がぐっと少なくなり、会津田島周辺とはがらりと雰囲気が変わって山深い印象の里山。会津田島駅前から路線バスでアクセスできるので、特急リバティで帰路に着く最終日などに足を延ばしてみてはいかがでしょう。

YOUSON-PARK Sta.
- 養鱒公園駅 -

会津田島駅から会津鉄道で3つ目の養鱒(ようそん)公園駅は、三大紅葉スポットの一つ「観音沼森林公園」への最寄り駅。

歩いて8分ほど進んだ開けた場所に、廃校となったレトロな校舎を使った「会津ジイゴ坂学舎m&yu」があります。2023年8月にカフェレストランがグランドオープン。映画やアートの拠点施設としても機能していて、これから注目を集めそうです。

YUNOKAMI-ONSEN Sta.
- 湯野上温泉駅 -

会津鉄道に乗って塔のへつり駅を過ぎると、「湯野上温泉駅」に到着します。茅葺屋根のレトロな駅舎のこちらの駅。寒くなると建物内に囲炉裏が開かれ、SNSでも話題です。また「大内宿」への路線バスを待つ間にぴったりな、足湯が無料で利用できるのもうれしいポイント。

大内宿にはたくさんのみやげ物店や食事処がありますが、入り口近くにある「古民家カフェ 分家玉や」がイチオシのお休み処。茅葺家屋の雰囲気に身を浸しながら、見た目も美しいスイーツやドリンクを楽しむことができます。

湯野上温泉駅では、「Chez やまのべ」でランチを楽しむのもお忘れなく。こちらは、県外からの食通に愛されるフレンチの隠れ家。駅から清々しい阿賀川沿いに歩いて15分ほどの場所にある名店で、季節ごとの野菜や海の幸などを使った至極の逸品を味わうことができます。

このエリアのおすすめスポットや
アクティビティのご紹介

観音沼森林公園

[かんのんぬましんりんこうえん]

  • 0241-68-2920(下郷町観光案内所)
  • 見学自由
  • 福島県下郷町南倉沢
  • 会津鉄道会津線養鱒公園駅から車で10分
    ※紅葉の見ごろ:10月中旬~11月上旬

塔のへつり

[とうのへつり]

  • 0241-68-2920(下郷町観光案内所)
  • 見学自由
  • 福島県下郷町弥五島下タ林
  • 会津鉄道会津線塔のへつり駅から徒歩4分
    ※紅葉の見ごろ:10月下旬~11月上旬

大内宿

[おおうちじゅく]


  • 0241-68-3611(大内宿観光案内所)
  • 散策自由
  • 福島県下郷町大内
  • 会津鉄道会津線湯野上温泉駅から大内宿バス猿游号で20分、大内宿入口下車すぐ
    ※紅葉の見ごろ:10月下旬~11月上旬

CAFE JI MAMA

[カフェジイママ]

レトロな温もりを残した店内で
こだわりのカレーとスコーンを

会津田島駅のほど近くで2007年12月にオープンした、町いちばんのおしゃれカフェ。10種類を使っているスパイスが香りながらも、やさしい味わいの無水カレーとスコーンが看板メニューです。スコーンには、近隣で飼育されたジャージー牛のヨーグルトが使われています。

1.太い梁などが残された店内 2.熊本産の茶葉のほうじ茶ラテ600円 3.フードにセットできるスコーン 4.無水チキンカレー980円。ドリンク+スコーンまたはケーキセット1380円 5.スコーンのテイクアウト1個170円

  • 0241-62-8001
  • 10:00~18:00(LO17:30)
  • 月・火曜
  • 福島県南会津町田島上町甲4004
  • 会津鉄道会津線会津田島駅から徒歩5分

ひと粒

[ひとつぶ]

やさしい風合いが魅力の
手作りの日用雑貨がずらり

「CAFE JI MAMA」から数十m道沿いに進んだ場所に、会津若松から移転して2022年にオープン。「店主が好きなアイテムをそろえた」という日用品が所狭しと並んでいて、全国で手作りされた品々がそろっています。会津木綿や鹿の皮で作られた財布などは、南会津みやげにピッタリです。

1.南会津産の素材を使った品々。手作りの一点ものばかりです 2.肌触りのいい会津木綿の作品の数々 3.酒店だったお店をリノベーションしています

  • 0241-62-8001
  • 11:00~17:00
  • 日・月・火曜(日曜は不定休、その他、臨時休あり)
  • 福島県南会津町田島上町甲4008-2
  • 会津鉄道会津線会津田島駅から徒歩6分

会津田島祇園会館

[あいづたじまぎおんかいかん]

800年を誇る伝統行事を
一年を通して見学できる

会津田島駅の北側にある観光拠点施設。館内では、毎年7月22日から3日間開かれる田島祇園祭を紹介。子供歌舞伎が演じられる煌びやかな大屋台のほか、七行器行列の人形、立体映像のジオラマなどを展示しています。売店や郷土料理の食事処も併設。

1.彫刻の見事さが目を引く大屋台の実物が目の前に見られます 2.豪華な和装に身を包んだ七行器行列の人形 3.古くから伝わる花嫁衣裳など、貴重な展示物も見ることができます

  • 0241-62-5557
  • 9:00~16:30(レストランは11:30~14:00)
  • 無休(12~3月は火曜休)
  • 大人500円、小~高校生300円
  • 福島県南会津町田島元大坪30-1
  • 会津鉄道会津線会津田島駅から徒歩10分

ゲストハウス・ダーラナ

[ゲストハウス・ダーラナ]

曲家を北欧風にデザインした
オーベルジュでランチを

築180年を超える伝統家屋・曲家を改装して、古風なスウェーデンの民家を再現したオーベルジュ。ダーラへストと呼ばれる、スウェーデンを象徴する木彫りの馬が出迎えてくれます。1階のダイニングでは、宿泊者以外でもスウェーデン料理が味わえます。客室は洋室3室があります。

1.北欧のインテリアや食器が飾られたダイニングで本格的な北欧料理を 2.ランチコース料理(要予約)のデザートの例 3.メインとなるスウェーデン伝統の仔牛のクリーム煮 4.入り口の彫刻がかわいい北欧の民家風の洋室

  • 0241-72-2838
  • ランチ11:30~LO14:30(コース、ディナーは要予約18:00~)
  • レストランは火・水・木曜
  • 福島県南会津町東426-1
  • 会津鉄道会津線会津田島駅から会津バス内川行きで42分、東下車すぐ

会津木綿 手づくり工房 MON&MARI

[あいづもめんてづくりこうぼうモンアンドマリ]

会津木綿の魅力にほれ込み
作り、教え、広める

美しい里山にある工房。Uターンして暮らし始めた後に会津木綿に出合った店主が、多彩な作品を生み出している。400年ほどの歴史がある会津木綿は、厚手で保温性・吸湿性に富み、豪雪地帯の知恵が生かされた素材。200種類を超えるカラフルな生地を使って、小物づくりも体験できます。

1.壁にずらりと並んだ材料となる生地。制作体験は要予約 2.バッグ9460円 3.次々と新作が生まれるコースター550円~ 4.ストール7150円

  • 080-3085-8613
  • 10:00~15:30(冬季は10:30~15:00)
  • 不定休
  • 福島県南会津町古町中川原1170-11
  • 津鉄道会津線会津田島駅から会津バス内川行きで1時間5分、古町農協前下車、徒歩4分

会津ジイゴ坂学舎m&yu

[あいづジイゴざかがくしゃエムアンドユー]

映画監督の制作拠点が
グレードアップして誕生

3.11震災後に映画監督・安孫子亘氏が製作拠点として移った旧旭田小学校落合分校。今年8月からは、地元食材や自家養蜂しているはちみつを使ったメニューが楽しめるカフェレストランがグランドオープン。その他の教室では、映画が鑑賞(要予約)できるほか、アート作品が展示されることもある。

1.自家養蜂のはちみつをたっぷりとかけたワッフル650円とオーガニックホットコーヒー 2.はちみつや加工品も販売 3.どこか懐かしさを感じるカフェ&レストランスペース 4.安孫子亘氏の作品などが上映されるシアタールーム

  • 080-5445-6075(イケダ)
  • 10:30~15:30
  • 公式HPで要確認
  • 福島県南会津郡下郷町落合ジイゴ坂1604-1
  • 会津鉄道会津線養鱒公園駅から徒歩8分

Chez やまのべ

[シェやまのべ]

早めに予約して訪れたい
食通のみぞ知るフレンチの名店

フランスでの修業経験を持ち、名ホテルなどで腕をふるってきた山野辺宏シェフが移住して開いたお店。野菜は地元産、魚介類は上質な相模湾産を取り寄せるなど、素材へのこだわりに驚かされます。早々に予約で満席になることが多いため、南会津の旅を決めたらすぐに予約を。

1.南会津南郷から取り寄せた古材を使った店内。9月末には暖炉に火が灯る 2.手前が看板メニューの、10種の旬の魚と季節の野菜を使ったサラダ風オードブル。奥は魚のメイン料理。コースは3850円と5500円の2種のみ 3.オーナー夫妻が描かれた飾り

  • 0241-68-3585
  • 前日までの要予約、入店は12:00のみ
  • 不定休(12月中旬~2月末は休み)
  • 福島県下郷町湯野舘本乙1316
  • 会津鉄道会津線湯野上温泉駅から徒歩15分

湯野上温泉駅

[ゆのかみおんせんえき]

紅葉に彩られた茅葺屋根と
電車が写真映えする駅舎

大内宿への最寄り駅となる湯野上温泉駅。国内でもめずらしい茅葺屋根の駅舎が特徴で、紅葉のほか桜の開花時期もひと際美しい風景が広がります。駅舎内は寒い時期を迎えると、囲炉裏に火がつけられるのも魅力。屋外には屋根のかかった無料の足湯もあります。

1.2002年「東北の駅百選」に選ばれた風情ある駅舎。周囲の木々は大内宿と同じ時期に赤く染まります 2.囲炉裏のある駅舎内 3.さらりとした湯を引く足湯

  • 0241-68-2533
  • 売店8:30~17:00
  • 無休
  • 福島県下郷町湯野上大島乙
  • 会津鉄道会津線湯野上温泉駅構内

古民家カフェ 分家玉や

[こみんかカフェぶんけたまや]

こだわりのスイーツを
歴史を感じる空間で味わう

大内宿の雰囲気に馴染むよう、歴史ある古民家の古材を使い復元して開いたカフェ。都内で腕を磨いていた店主が生み出す、食材や見た目にもこだわったスイーツが楽しめます。ケーキは常時6~7種類あり、和の要素を取り入れたオリジナル。周辺で栽培されたお米の米粉を使ったロールケーキがおすすめです。

1.中庭などを望む縁側に向かって席が並ぶ店内。重厚で温もりある空間です 2.減少してしまっていた、大内宿の美しい景観の要素だった田んぼの再生にも尽力する店主。そのお米が店内で買えます。450g350円~ 3.左が、大内宿産のお米の米粉を使った本日のおこめロール550円。味は季節によって変わります 4.地元の特産である花豆が入り、いいアクセントになっている抹茶のテリーヌ550円

  • 0241-68-2948
  • 10:30~17:00(LO16:30)
  • 火曜
  • 島県下郷町大内権現上358
  • 会津鉄道会津線湯野上温泉駅から大内宿バス猿游号で20分、大内宿入口下車すぐ

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