4.お客様の安全のために

■テロ・防犯対策

テロ対策

国土交通省が作成した「鉄道テロへの対応ガイドライン」に基づき、「不審者・不審物の対応マニュアル」を作成するとともに、鉄道テロの発生を抑制するため、防犯カメラの設置、侵入防止対策、非常用インターホンの設置、警備腕章を着用しての巡回等を実施しています。

【防犯カメラ設置】

主要駅および無人駅に防犯カメラの設置(モニター監視および録画を実施)を進めています。駅以外にも車両基地や踏切に防犯カメラの設置を進めています。

駅・踏切の防犯カメラ

【非常用インターホンの設置】

不審者・不審物等をお客様が発見したとき等に、駅係員への連絡を迅速に行うため、主要駅のホーム階段付近に非常用インターホンを設置しています。

駅ホームの非常用インターホン

【警備腕章を着用しての巡回】

テロの未然防止を図るため「見せる警備」の一環として、警備腕章を着用し、巡回警備を行っています。

【護身用具の配備】

主要駅・特急車内での不審者等異常事態発生時の安全確保を目的として、盾等の護身用具の配備を行っています。

【テロ対応訓練】

不審者・不審物への対応能力の向上を目的として、テロ事案等の発生などを想定した対応能力向上訓練を、警察・消防機関と連携して行っています。2018年度は志木駅、岩槻駅、東武宇都宮駅等でテロ対応訓練を実施しました。

外部講師によるテロ対策の講話

株式会社重松製作所 濵田昌彦氏による「CBRN テロ対策の現状と課題」をテーマにした講演会を当社および東武グループ各社を対象に実施しました。

「CBRN テロ対策の現状と課題」についての講演

車内防犯カメラ

車内のセキュリティ向上とテロ防止を目的として、車内防犯カメラを設置しています。引き続き、半蔵門線、日比谷線、副都心線・有楽町線直通車両等に車内防犯カメラの設置を推進します。

車内防犯カメラ
侵入防止対策

主要な車庫や留置線に対して、侵入抑止効果を高めるため、侵入防止フェンスの新設・警告看板の設置を行うとともに、車両基地照明の強化・防犯カメラの増設など様々な対策を進めています。

侵入防止フェンス・警告看板
車両基地照明の強化

■設備対策


踏切の安全対策

当社では踏切における事故の未然防止を目的に、以下のような設備対策を実施するとともに、関係機関と協力した踏切の拡幅や立体交差化を推進しています。

【踏切支障報知装置】

【視認性向上および遮断時のくぐり抜け防止】

道路からの視認性向上および警報中の踏切横断の防止を目的として、全方向型閃光灯やオーバーハング型警報機等を導入しています。また、全ての踏切遮断かんに「遮断かんさげベルト」「遮断かん警告標」を設置しています。

オーバーハング型警報機
全方向型閃光灯(せんこうとう)
遮断かんさげベルト・遮断かん警告標
【踏切の拡幅】

踏切における交通の円滑化と安全性のさらなる向上を図るために、道路管理者と連携して踏切の拡幅を積極的に進めています。

拡幅前
拡幅後
【立体交差化の推進】
【竹ノ塚駅付近高架化工事】

伊勢崎線西新井駅~谷塚駅間において、足立区が施行する都市計画事業として、2021年度の本線高架化、踏切除去を目指して連続立体交差事業を推進しています。

【清水公園駅~梅郷駅間高架化工事】

野田線清水公園駅~梅郷駅間において、千葉県が施行する都市計画事業として、2023年度の事業完成を目指して連続立体交差事業を推進しています。

【とうきょうスカイツリー駅付近
高架化工事】

伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅〜曳舟駅間において、墨田区が施工する都市計画事業として、2024年度の事業完成を目指して連続立体交差事業を推進しています。

今後も伊勢崎線・野田線春日部駅付近、東上本線大山駅付近をはじめ、踏切の立体交差化の推進について関係自治体等との協議を進めていきます。


駅の安全対策

お客様が安全・安心に鉄道をご利用いただけるよう、駅係員・乗務員による安全確認を徹底するとともに、ホームからの転落事故を防止するため、様々な対策を実施しています。

【ホーム端注意灯】

お客様が列車に乗降する際のホームからの転落防止を目的として、ホームの乗車位置付近に設置しています。また、点滅にあわせて「足元にご注意ください」という注意喚起の音声を流す装置の設置も行っています。

【非常停止ボタン】

お客様がホームから転落した時などに列車を緊急停止させることを目的として、ホーム上に「非常停止ボタン」を設置しています。さらに主要な折返し駅では、ホームにいる駅係員がリモコン式の非常停止ボタンを携帯しており、緊急時には速やかに列車を停止させるようにしています。

【転落検知マット】

「転落検知マット」は、お客様がホームと列車との間に誤って転落してしまった時に自動的に検知し、乗務員および駅事務室へ異常を知らせる装置です。

また、伊勢崎線浅草駅、とうきょうスカイツリー駅、野田線大宮駅、東上本線池袋駅の転落検知マットには、緊急停止の警報を発信することで付近を走行している列車を停止させる機能があります。

【ホーム下待避口・ホームステップ】

ホーム下に空間のない駅では、お客様が誤ってホーム下に転落した時に備えて、「ホーム下待避口」および「ホームステップ」を設置しています。

「声かけ・サポート運動」および「プラットホーム事故0(ゼロ)運動」の実施

2018年度も9月3日~10月31日に「声かけ・サポート強化キャンペーン」を実施することにより、協力会社を含めお客様へのお声かけを積極的に推進しました。さらに、春日部市、志木市、新座市が主催した「駅ホーム声かけサポート講習会」に春日部駅、志木駅において協力することにより、「声かけ・サポート」について、お客様への普及および啓発を実施しました。

また、2018年12月2日~2019年1月31日において、お客様に安全に駅をご利用いただくため、プラットホーム上での列車との接触やホームから線路への転落について注意喚起するとともに、危険と感じたときは非常停止ボタンを押していただくことを目的として、「プラットホーム事故0(ゼロ)運動」を実施いたしました。

声かけ・サポート運動
プラットホーム事故0(ゼロ)運動

車両の安全対策

【転落防止用ホロ】

お客様がホーム上から車両間(車両連結部)へ転落することを防止するため、車両間のすき間に転落防止用ホロを設置しています。

【車内非常報知器・非常通報器】

列車内で異常があった場合に、乗務員に対して異常を知らせる非常報知器を設置しています。また、車両により乗務員と直接通話ができる非常通報器を設置しています。

【車内バリアフリー化】

新造車両には、目の不自由なお客様にドアが開いている状態であることをお知らせするための「ドア誘導音」や、「ドア開口部の床の識別色(黄色)」の使用、耳の不自由なお客様にドアが開閉するタイミングが分かるようにドア付近のランプが点滅する「扉開閉予告灯」の設置、座席をご利用しやすくするために「スタンションポール」の取付けなどを実施しています。その他、リニューアル工事を実施する車両も、バリアフリーに対応した整備を実施しています。

列車無線・防護無線

全列車に列車無線装置を搭載し、列車の乗務員と運転指令との間で主として運転に関する指示、情報の収集・伝達を行っています。

また、列車無線装置には防護無線機能が組み込まれており、緊急時や異常時等に遭遇した係員やお客様がホームに設置されている非常停止ボタンを操作することで、付近の全列車に緊急停止の警報が発信され、警報を確認した乗務員は直ちに列車を停止させます。

ATC(自動列車制御装置)の導入

Automatic Train Control(自動列車制御装置)の略で、信号を運転台に配置し、先行列車との間隔に応じて自動でブレーキ制御を行うほか、曲線やポイント通過の際、列車の速度を自動的に連続して制御する装置です。東上本線池袋駅~小川町駅間において現在使用している「ATC」では、踏切支障時の防護機能や停車駅の定位置停止・誤通過防止などの機能をもたせており、安全性のより一層の向上に寄与するものとなっています。

ATC対応運転台計器(30000系車両)

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