保存車両一覧

保存車両紹介

5号蒸気機関車  6号蒸気機関車

  • 東武鉄道が1899 (明治32)年の開業のために、英国のべヤーピーコック社から購入した蒸気機関車12両のうちの1両です。後ろに連結しているのはテンダー車(炭水車)、弁装置はスチーブンソン式で、同社の蒸気ランニングボード機関車は当時一流品として有名でした。 均整のとれた美しい車体、真ちゅう製の金色の蒸気ドーム、第一動輪のスプラッシャー(はねよけ)に付けられた弓形の銘板が特徴です。 5号は開業当時に、また6号は改造が加えられた廃車時の姿に復元しています。
形式 東武鉄道B1形 、国鉄式2Bテンダー機関車、アメリカ式4-4-0
製造年 1898(明治31)年
製造会社 ベヤーピーコック社(英国)
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 14217×2308×3658mm
主要機器 動輪直径1372mm シリンダー径406×559mm 使用圧力1501b(10.5kg/cm2)
火格子面積14.27ft2(1.33m3) 標準容量 水2000gal(9.09m3) 燃料(石炭)135ft3(3.45t)
自重 機関車31.4t テンダー車22.6t
廃車 1965(昭和40)年10月
記念物指定 東武鉄道記念物12号

デハ1形5号電車

  • デハ1形5号電車
  • 東武鉄道が初めて1924(大正13)年10月1日に浅草(現 とうきょうスカイツリー)~西新井間を電化した時に走った木造電車です。正面の5枚窓、側窓降下式、3枚ドア、ダブルルーフ、米国ウェスチングハウス社製パンタグラフおよび電機装置、米国ブリル社製台車、両運転台(H棒仕切)などが特徴です。
形式 デハ1形5号(1~8号)2軸ボギー電動客車
製造年 1924(大正13)年
製造会社 日本車輌(株)東京支店
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 16129×2734×4059mm
主要機器 制御器 HL型電磁空気式単位スイッチ、ブレーキ AMM型自動空気ブレーキ・手用ブレーキ、主電動機 WH556-J-6型 75kw4台
自重 32.7t
定員 92人
廃車 1981(昭和56)年
記念物指定 東武鉄道記念物32号

ED101形101号電気機関車

  • ED101形101号電気機関車
  • 東武鉄道最初の電気機関車。1928(昭和3)年英国のイングリッ シュ・エレクトリック社製で、1930(同5)年2月に就役。 当初は貨物列車の他、客車を引いて団体用にも使用されました。 東武の電気機関車は1944(同19)年3月総武鉄道(現 東武アーバンパークライン) と合併するまでは、このED101号1両のみでした。1955 (同30)年6月にED4000形4001号に形式変更。 1972 (同47)年まで活躍した後、同年7月近江鉄道に譲渡され、1988 (同63)年3月まで働きました。廃車後も保存、展示されていま したが、2009(平成21)年1月東武鉄道に里帰りしました。
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 10900×2610×3945mm
自重 50.8t
けん引力 6500t
製造年 1928(昭和3)年
製造会社 イングリッシュ・エレクトリック社(英国)

ED5015号電気機関車

  • The Model ED 5015 Electric Locomotive
  • ED5010系は東武鉄道に在籍した電気機関車43両の中で14両と一番多く、東武鉄道の標準形とされています。5015号は坂戸機関区に所属し、東上線で活躍しました。
形式 ED5010形(5011~5024号)ED5015号
製造年 1959(昭和34)年3月
製造会社 日立製作所水戸工場
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 12000×2740×3995mm
主要機器 制御器 総括式電磁空気式単位スイッチ
電動機 MT40B(750V 142kw4台)
自重 45.45t
廃車 1984(昭和59)年9月

日光軌道203号

  • 日光軌道203号
  • 明治末に日光~馬返間に開業された路面電車、日光軌道は、かつて観光や貨物輸送、また住民の足として1968(昭和43)年まで営業しました。200型は2車体3台車連接式の珍しい電車で、車体の連結部を共通の台車でささえ、資材の節約や軽量化を図る利点があります。
形式 200型203号(201~206号)
製造年 1954(昭和29)年4月
製造会社 汽車会社東京支店
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 18550×2200×3702mm
主要機器 制御器 発電制動付電動円筒総括制御方式
電動機 60馬力×4台
自重 26t
定員 150人
廃車 1968(昭和43)年2月25日

1720系デラックスロマンスカー

  • The 1720 series Deluxe Romance Car
  • オール電動車で、居住性・乗り心地に優れた軽量構造の高速運転車両。編成の両端は特異なボンネットで、側窓構成はペアガラスのユニット方式。全車分散式のクーラー搭載。ビュッフェの他、日本初のサロン室を設置。日光・鬼怒川温泉への特急電車として、長く観光客に親しまれましたが、特急スペーシアに世代交代して引退しました。
形式 モハ1720系 1721号先頭部
製造年 1960(昭和35)年9月
製造会社 ナニワ工機
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 21400×2850×4065mm
主要機器 制御器 発電ブレーキ付直並列総括制御方式、 ブレーキ 電気制動併用HSC-D(A-1非常弁付)、主電動機 T.D.K. 824-A 75kw4台
自重 36.2t
定員 52人
廃車 1991(平成3)年8月31日

キャブオーバーバス

  • キャブオーバーバス
  • 標準であったボンネットバスの車体を前の方まで伸ばし、運転席をエンジンの横に配置したものをキャブオーバーバスと呼びました。客室面積が拡がり輸送力が増大し、乗客の多い都市間輸送で活躍しました。 一般の路線バスとして使用されたガソリン車として最終期を代表し、貴重です。
形式 TN714型1625号 登録番号 東2-58277
製造年 1951(昭和26)年
製造会社 富士重工業(エンジン日産)
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 7400×2200×2800mm
主要機器 エンジン ボア3 1/4インチ(8.25cm) ストローク4 1/2インチ(11.43cm) 気筒数6(3.668cc)
定員 45人
廃車 昭和40年代初め

5700系5701号電車

  • The Model 5700, No. 5701 Train (front section)
  • 1951(昭和26)年、戦後最初に新造した日光・鬼怒川線特急車。 5700系は1951年および1953(昭和28)年に2両固定が3編成ずつ計12両が造られ、このうち最初のモハ5700・クハ700形4両は、正面2枚窓の通称“湘南型”の変形ともいえる独特の流線形で登場。前面の飾り金の形から“ネコひげ”の愛称で親しまれました。1960(昭和35)年、貫通扉付(展示中の5703号と同タイプ)に改造され、 急行・快速・団体用に使用された後、1991(平成3)年7月に廃車されましたが、当館への展示を機にネコひげ形に復元しました。
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 18700×2840×4160mm
自重 38.7t
定員 56人
製造年 1951(昭和26)年
製造会社 汽車会社東京製作所
廃車 1991(平成3)年7月

トキ1形貨車

  • トキ1形貨車
  • 1960 (昭和35)年4月から1971 (同46)年3月まで製造された2軸ボギー無蓋貨車です。東武鉄道に在籍した貨車中、同一形式で最多の222両を所有するとともに、東武で最後に造られた車体長13.8mの大形貨車でした。 展示の貨車は1967 (昭和42)年に造られた49~88号の中の一両で、もとの車号は不明です。廃車後、約3分の1にカットされ、改造されて元杉戸工場構内で重量測定用に使用されていました。小さくなっていますが、かつての面影を残すものです。
    ト…無蓋車 キ…荷重トン数25t以上

下野電気鉄道デハ103号の台車

  • 下野電気鉄道デハ103号の台車
  • 下野電気鉄道(現 東武鉄道鬼怒川線)が、軽便鉄道時代(軌間762mm)の1925(大正14)年に雨宮製作所で造った電車デハ103号の台車です。 当初は762mm軌間の軽便電車でしたが、1929~30年、1,067mmへ改軌道後は、台車を改造して使用しました。しかし1931(昭和6)年2月架線電圧を550Vから1,500Vに昇圧したため、すぐに使用されなくなり、同電気鉄道の東武系列化後は、浅草工場に保管されていました。 1939 (昭和14)年になって、日本鉄道自動車工場(株)が台車を買取り、これを使用して銚子電鉄初のボギー電車ボデハ101(後のデハ101)号が誕生しました。1999 (平成11)年3月に廃車になり保管されていたので、貴重な台車として当館に保存しました。車輪はその形状から通称「松葉スポーク車輪」で知られていますが、製造当時、貨車に多く使用され、電車にはあまり使用されていません。最近では珍しくなりましたが、大変乗り心地が良いといわれています。片方の台車は上毛電気鉄道に引き取られ保存されています。また同種の台車は、花巻電鉄( (昭和47年廃止)のデハ1~3号でも、使用されていました。 下野電気鉄道は、1943 (昭和18)年5月1日に東武鉄道に合併され、現在の鬼怒川線になっています。
重量 約4トン
車輪直径 863mm

明智平ロープウェイのゴンドラ

  • 明智平ロープウェイのゴンドラ
  • 日光の明智平と海抜1,373mにある展望台を約3分で結ぶ明智平ロープウェイは、華厳の滝や中禅寺湖、男体山などの景観が一望できる人気スポット。東武鉄道が日光の一大観光ルートの一つとして1933(昭和8)年に営業を開始し、1985(昭和60)年に日光交通株式会社に営業を譲渡しました。
    全長300m、高低差86mの三線交走式普通索道です。このゴンドラは、ロープウェイのリニューアルにより引退しました。
製造年 1950(昭和25)年
製造会社 川崎車輌製造
自重 800㎏
定員 16人
廃車 2001(平成13)年

5700系5703号電車(前面部)

  • 5700系5703号電車(前面部)
  • 日光線用特急車両として1951(昭和26年)に登場した5700系のうち、5703号は1953(昭和28)年にB編成として造られた貫通式の半流線形です。元は5710形モハ5711号とよばれ、1965(昭和40)年に改番されて5703号になりました。製造会社のナニワエ機(現 アルナ車両)が東武鉄道に最初に納入した記念すべき車両として同社が保存していましたが、2004(平成16)年に譲り受け展示しました。
形式 5710形5711号→5703号(改番)
製造年 1953(昭和28)年3月
製造会社 ナニワ工機(現 アルナ車両)
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 18700×2840×4160㎜
主要機器 制御器 総括方式ES-534型
ブレーキ AMAR-E型中断弁付自動空気ブレーキ
主電動機 TDK-528/8HM型
自重 38.7t
定員 56人
廃車 1991(平成3)年7月

東武博物館保有動態保存車両 8000系8111編成電車

  • 東武博物館保有動態保存車両 8000系8111編成電車
  • 2012(平成24)年8月から、東武博物館は8000系の製造当初の原形をとどめる唯一の車両として8111編成(6両)を動態保存しています。修繕・復元工事を行い、往時の面影を再現しています。現在は、東武アーバンパークラインで活躍しています。
製造年 1963(昭和38)年11月 8111・8211・8311・8411
1972(昭和47)年1月 8711・8811
製造会社 日本車輌東京支店 8111・8211・8311・8411
富士重工業 8711・8811
最大寸法(車体長×車幅×高さ) 20000×2850×4200㎜
制御装置 総括制御自動加減速バーニア・カム軸式
制動装置 電磁直通空気ブレーキ
主電動機 直流直巻補極補償巻線付電動機
定員 先頭車150人 中間車170人

東武博物館保有動態保存車両 蒸気機関車C11形207号機

  • 蒸気機関車C11形207号機

    C11形207号機

  • 1941 (昭和16)年12月26日に日立製作所笠戸工場にて製造され、現役中は一貫して北海道で使用されていたタンク式SLです。1974(昭和49)年の廃車後は、北海道日高郡静内町(現・新ひだか町)にて静態保存されていましたが、2000 (平成12)年からJR北海道が動態保存機として使用を開始し、「SLニセコ号」「SL冬の湿原号」「SL函館大沼号」などで活躍してきました。2016 (平成28)年9月、鉄道産業文化遺産の保存の観点から東武博物館で借り受け、2017(平成29)年8月10日から鬼怒川線でSL大樹として運転を開始。2021(令和3)年10月17日からは日光線(下今市~東武日光)でもSL大樹ふたらとして活躍中です。

東武博物館保有動態保存車両 蒸気機関車C11形325号機

  • 蒸気機関車C11形325号機

    C11形325号機

  • 1946(昭和21)年に日本車輌製造熱田工場で製造、茅ヶ崎機関区に配属され相模線などで活躍。その後米沢機関区に転出し、左沢(あてらざわ)線で貨物列車のけん引などを担っていました。
    1973(昭和48)年に一度引退、新潟県水原町(現・阿賀野市)にて静態保存されていましたが、1998(平成10)年に復元を行い、真岡鐵道にて「SLもおか」として運転されました。その後2020(令和2)年7月30日に当館が栃木県真岡市の芳賀地区広域行政事務組合より譲り受けました。正面煙室の金色のハンドルが特徴で、2020(令和2)年12月より日光・鬼怒川エリアで活躍中です。

東武博物館保有動態保存車両 蒸気機関車C11形123号機

  • 蒸気機関車C11形123号機

    C11形123号機

  • 1947(昭和22)年に江若(こうじゃく)鉄道(滋賀県)の発注により日本車輌製造にて製造され、同鉄道で客車をけん引していました。
    1957(昭和32)年から北海道の雄別炭礦(ゆうべつたんこう)鉄道、1970(昭和45)年から釧路開発埠頭にて貨物列車をけん引したのち、1975(昭和50)年に引退、北海道で静態保存されていました。
    2019(平成31)年に日本鉄道保存協会より当館が譲り受け、3年の歳月をかけて復元作業を行い、2022(令和4)年7月より営業運転を行なっています。車両番号は力強く助走し飛躍していくシンボルとして「1・2・3」がつけられました。

東武博物館保有動態保存車両 客車12系(2両)・14系(4両)

  • 客車12系(2両)・14系(4両)

    スハフ14-1(右)スハフ14-5(中央)、オハフ15-1(左)

  • 客車12系2両(オロ12-5、オロ12-10)は、国鉄が1969(昭和44)年から1978(昭和53)年まで、合計603両を製造した急行形座席客車12系のうちの2両で、1969(昭和44)年6月製でオハからの改造車です。ジョイフルトレイン(イベント列車)やムーンライト高知として2009(平成21)年まで使用されていました。
    客車14系4両(スハフ14-1、スハフ14-5、オハフ15-1、オハ14-1)は、12系をベースとして特急列車での使用を前提に、車内設備を変更した客車です。この4両は1972(昭和47)年9月製で、この年ブルーリボン賞を受賞しています。また四国内にて蒸気機関車に連結して使用されていたこともあり、これらの客車はSL「大樹」の運転に合わせ、2016(平成28)年8月にJR四国より譲渡されました。

東武博物館保有動態保存車両 車掌車ヨ8000形(ヨ8634・ヨ8709)2両

  • 車掌車ヨ8000形(ヨ8634・ヨ8709)2両

    ヨ8634(左)、ヨ8709(右)

  • 車掌車ヨ8000形は、国鉄が1974(昭和49)年から1979(昭和54)年にかけて1170両製造した事業用貨車(車掌車)です。従来は貨物列車の最後尾に車掌を乗せて連結していましたが、車掌乗務の廃止により連結されなくなりました。
    SL「大樹」の保安装置等を搭載して連結するため、JR貨物からヨ8634、JR西日本からヨ8709の譲渡を受けました。ともに1978(昭和53)年製です。