流山のなかでも今回、魅力を探ってみたのは、東武アーバンパークラインとつくばエクスプレスが交差する流山おおたかの森駅周辺を中心としたエリア。大型マンションや戸建てが次々と建設され、整然とした美しい街並みが広がる流山の中心地です。とはいえ、地名の由来となり、市の鳥にも制定されているオオタカが繁殖する森が残されるなど、自然とみごとに調和。市が「都心から一番近い森のまち」をキャッチフレーズにしているのも納得の環境が広がっていました。

たとえば、駅から西側へ少し離れた場所にある「森の美術館」は、市街地にあるとは思えない竹林に囲まれた自然豊かな環境が魅力。すぐ近くには、オオタカが生息していそうな緑豊かな「大畔の森」があり、整備されている散策路を歩いて森林浴が楽しめます。緑を生活に取り入れる人も多いのでしょうか。駅近くのガード下には多彩な植物がそろうグリーンショップ「Forest」があり、緑をテーマにした多彩なワークショップもこの街に暮らす人々に人気を集めています。他の街から訪れた人も、緑ある生活を始めるヒントをもらえそうです。

自然と調和した街――流山が人々を惹きつける理由のひとつであることは間違いなさそうです。でも、それだけではありません。「住人が増えることでお店も次々とオープンしていて、暮らしやすさがアップしているのもこの街の魅力。都心に比べて家賃が安く、住人も多いことから、実力のある人が独立してお店を開くのにも最適な環境なのです」。今回取材したあるお店の店主が語ってくれたように、魅力的なお店やスポットが数多くあるのもポイントです。そして、街は駅を中心にどんどんと広がり、さらに魅力的な街へと発展していく……。何度訪れても、新しい魅力に出合えそうです。

数々の実力店のなかで、この冬におすすめの2軒をピックアップしてみました。ひとつ目が、駅からすぐの距離にある「スパメッツァ おおたか 竜泉寺の湯」。今行くべき全国サウナ『SAUNACHELIN 2022』で全国1位を受賞した、サウナーの聖地と称される大人気の大型スパ施設です。大きなお風呂に浸かり、サウナで汗を流してリラックスすることをコンセプトに、ボタニカルなリラックス空間が広がる岩盤浴ラウンジや充実したサ飯（サウナ飯）がそろうダイニングなどもあり、丸1日たっぷりと時間をかけて身も心も癒され、整うことができます。朝6時から営業していて、どれだけ滞在しても追加料金がない（土・日曜、祝日は時間制の追加料金あり）のもうれしいポイント。毎時00分にストーブ5基をいっせいに稼働させる「ドラゴンロウリュ」は、ぜひ体験してみたいメッツァ名物となっています。

駅前にある大型ショッピングモール「流山おおたかの森S・C」では、「茶鍋カフェ kagurazaka saryo」を見つけました。こちらは、心と体にやさしいをコンセプトとする『神楽坂 茶寮』が提案する新食事スタイルのお店。お茶と旬の食材を融合させた一人分ずつの茶鍋は、ヘルシーでありながら満足感たっぷりのさまざまな鍋料理がそろっています。京抹茶とチョコレートが融合した和スイーツもおすすめです。

多彩なお店が次々とオープンしている流山おおたかの森駅の周辺ですが、街をめぐってみると、カフェやスイーツショップ、ベーカリーが多いことにも気づきました。今回は、流山の最新スイーツシーンをチェックしてみました。

おしゃれなスタイルで話題なのが、駅前にある「夜パフェ専門店VIGO」。バルやビストロとして営業後、2021年から店名のとおりに夜パフェをメインに提供しているユニークなお店です。夜パフェは、お酒や食事を楽しんだ後にパフェで締める札幌発祥のスイーツ。甘さ控えめでフルーツを多用することが多いなか、こちらの冬のおすすめもりんごを使ったパフェ。さまざまな味わいにアレンジされたスイーツが層になっていて、味のバランスが絶妙です。昼の13時から開店していて、ランチ後にパフェを楽しむこともできます。

同じく駅前にある人気のスイーツショップ「Patisserie CONSTELLAS」は、「お菓子の美味しさを科学するパティスリー」がコンセプト。おいしさを追求した結果、温度や水分量、細かく言えば分子レベルなど科学的な根拠に行きついたとか。製法や食材の組み合わせにこだわったスイーツの数々が楽しめます。ケーキなどは店内のイートイン席で味わうことも可能。冬におすすめのテリーヌショコラ・メルテ（持ち帰り販売のみ）は、濃厚で風味豊かなチョコと滑らかな口当たりにうっとりする、自分ご褒美にぴったりな逸品です。

駅から北東に少し進んだ場所では、地元の人に人気のベーカリーとカフェを見つけました。「kushino no panya」は、南インドの建具などを使った白くナチュラルテイストの店内が目を引くベーカリー。具材に負けない生地の風味を大切にしていて、焼き加減にもこだわっています。冬季はチョコ系の限定商品もお目見えする予定。具材もすべて手作りしているのも魅力です。

駅の北東側にあるもうひとつのおすすめは「148 CAFE」。BARN&FOREST 148内に併設されたおしゃれな空間が広がるカフェです。ピザ窯を備えたオープンキッチンで作られる多彩な料理も評判ですが、パン工房やパティスリーで職人が手作りしたパンやスイーツも人気。季節の食材を使った多彩なパンやケーキはテイクアウトも可能で、クリスマスの伝統菓子シュトーレンなども販売（12月中のみ）。店内利用はもちろん、お土産や贈り物にもおすすめの商品がそろっています。

隣駅の初石駅前にあるドーナツショップ「CYCLO」もぜひ立ち寄りたい流山スイーツスポット。卵や牛乳、バターを使わず、国産小麦のはるゆたかのブレンド粉や天然酵母を使い、長時間発酵させた生地は、ふわふわ＆もちもちの食感。店内で食べることもできますが、テイクアウトすると、ユニークな籠に入れてもらえるのも魅力のひとつになっています。

さらに北へ進んだ運河駅近くには、スイーツではありませんが、手作りのシャルキュトリーが買える「ハム・ソーセージ職人の店Umami」があります。流山の絶景地である利根運河を訪ねながら、立ち寄ってみましょう。冬季には、かわいいスペシャルパッケージの限定パックが登場します。