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シンカ(進化・深化)の最前線 

国内初の環境配慮型 観光MaasNIKKO MaaS プロジェクト

KEYWORD

PART.1

日光と首都圏をつなぐ鉄道会社として
日光の未来を共に考える

日光へのアクセスに係る輸送分担率はマイカーが約7割を占める状況であり、紅葉シーズンに代表される繁忙期の交通渋滞とそれに伴う温室効果ガスの排出は国立公園を形成する当地にとって不可避の課題である。そこで、マイカーから公共交通へのモーダルシフトを促し、移動・観光のプラットフォームとなる「MaaS」の開発を東武鉄道を代表事業者とする6事業者(※)によるコンソーシアム体制で取り組むこととなった。このプロジェクトのプロジェクトリーダーを任せられたのが杉本である。※東武鉄道、JTB、栃木県、オリックス自動車、トヨタレンタリース栃木、JTBコミュニケーションデザイン

「当社は、鉄道で都心と日光をつなぐ導線を担い、日光エリアを当社の重点投資エリアに定め、東武グループ全体でさまざまな取り組みを行ってきたことから、当社にしかできないという気概をもってこのプロジェクトに参画しました。最初に行ったのは、カスタマージャーニーを描くこと。公共交通機関を利用する方の行動を挙げていき、そこからエコモビリティをどうやったら活用してもらえるのかにフォーカスしていきました」

こうしてデザインされたサービスは、スマホひとつで日光エリア内の移動をスムーズにするスマートフォン専用サイトだった。

「日光エリアは、日光、鬼怒川、奥日光、湯西川温泉などさまざまな観光地を持ち、利用する世代が幅広いという特徴があります。そのため留意したのは、幅広い世代が使いやすいと感じるUIと、四季折々の日光の良さを伝えるサイトにすることでした。日光エリアに東武グループの施設やサービスが数多くあることもあり、これまでは点だったものを面でつなぐことができることも、当社ならではの価値だったと思います」

PART.2

地域で唯一無二のECサイトを目指す

日光エリアのもうひとつの課題は、日帰りの利用者が多く、エリア内の観光消費額が伸び悩んでいることだった。周遊観光の振興による滞在時間の長期化、当地の観光商品・サービスに係る情報のワンストップ化を一体的に推進することもNIKKO MaaSには求められていた。

「これまで日光エリアは、歴史あるまちを支えてこられた方々の経験と勘によって観光産業が成り立っており、誰が、どこで、どのような消費活動を行ったのかコンバージョンを図ることができるWEBサービスはありませんでした。これからの日光エリアには、お客さまのニーズを誰もが定量的に把握でき、変化の激しい時代にも柔軟に対応できるサービスが必要と考え、観光客にとって便利であることは勿論、地域の方にとっても有益なECサイトを作ることをプロジェクトの中心に据えるようになりました」

そして2021年10月28日。NIKKO MaaSはサービスを開始した。サービス開始後、プロジェクトチームが想定していたユーザー数を超え、右肩上がりで遷移し続けている。

「開発期間からサービス開始後の運用や改善を経て、NIKKO MaaSで実現すべきサービスの全容がより具体的に描けるようになってきました。さまざまなシステムとの連携を図ってきましたが、こだわったのは東武鉄道がデータベースを自社で構築すること。利用者の属性データを収集し、データ分析をいろんな角度から実施できるように、データを統合し加工することも並行して行ってきました。その中で見えてきたこともあり、結果としてサービスの向上と拡大が視野に入るフェーズにまで発展させることができたんだと思います」

シンカのこれから

MaaSとして公共交通やエコモビリティの利用を促進し、唯一無二の日光エリアECサイトとして、地域の事業主や観光施設、ネイチャーアクティビティの周知・利用を通じて、エコリゾートとして日光の認知を高め、通年賑わうサスティナブルな観光地へと発展させていきたいと考えています。そのためにも、今後は収集したデータの一部を日光の観光振興に携わる方々へオープンにし、データをもとにした集客施策を検討いただくことで、新しい層のお客さま獲得につなげてもらいたい。それこそが「2050年ゼロカーボンシティ」宣言を掲げる日光の未来へとつなげていくために、東武鉄道がシンカし続けなければならない使命だと思います。

MEMBER※所属は取材当時の内容です

PROJECT

TOBU RAILWAY CO.,LTD. | POTENTIAL RECRUITING SITE