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あなたのONE SCENE
法恩寺
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和田彩花さん
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こよみ、くらし。
立冬
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逆井編
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それはさておき、コーヒーでも。
無人タクシーに乗って知る、人のホンネ
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バックナンバー
プレゼントがあたる!
プロフィール
アーティスト
| わだ・あやか | |
| 和田彩花 | さん |
2019年6月にアンジュルム・Hello! Project を卒業。アイドル活動と並行して大学院で美術を学ぶ。2023年に東京とパリでオルタナティヴ・バンド「LOLOET」を結成。音楽活動のほかに、プロデュースやグッズのプリントなどの活動も行っている。群馬県出身。
アイドル時代からアートを学び、
その魅力を多くの人たちに伝えてきた
元「アンジュルム」の和田彩花さん。
12月20日まで開催されている「第一回 前橋国際芸術祭2026」の
アンバサダーをつとめる和田さんに、
自身のアートとの出会いや芸術祭への抱負について伺いました。
アイドル時代に出会ったアートが人生の軸に
地元・群馬とも深くつながっていく
暇つぶしで美術館へ
マネの絵に衝撃を受ける
――最初にアートに興味を持ったのはいつですか?
15歳でアイドルデビューした当時、高崎から東京まで往復新幹線で通勤していました。ある時、時間を間違えたので暇つぶしをしようとしたら、駅構内に貼られていた三菱一号館美術館のオープン記念絵画展のポスターが目に入ったんです。それを毎日見ながら通勤していたのもあり、ふと思い立って母と一緒に行ってみたのがきっかけです。
そこで、衝撃を受けました。絵画って綺麗なものだと思っていたのに全然そうではなかったんですよ。人が倒れているだけの絵や黒い絵の具がたくさん使われた、鮮やかではない絵があって。「あ、絵画って美しくないじゃん」と思いました。それがエドゥアール・マネの絵でした。なぜそれが美しいとされているのかと興味を持ったことは、大きな発見でしたね。
――アイドル活動の傍ら、美術の勉強のための大学院進学は大変だったのでは?
はい、大変でした。アイドルの世界は決まりごとが多く、自由ではない世界でした。反対に、自由のあるアートに触れて自分の世界を広げていましたね。そこでアイデンティティを確立したと思います。アイドルの世界でも「じゃあ自分だったらどうやってみたいか」という視点につながりました。今の自分があるのは、アートのおかげです。アイドル活動と両方あって良かったなと思っています。
改めて気づいた
地元・群馬の魅力
――前橋国際芸術祭が開催される前橋はどんなところですか?
高崎は音楽や映画で知られていますが、前橋はアートの街です。ここ十数年ぐらいで「アーツ前橋」が中心となって顕著にイメージが変化しています。
アーツ前橋は、企画展示がめちゃくちゃ面白いんです。アジア各方面のアート作品が集まり、本当に他にはない視点の展示内容なんです。周辺にはいい感じのカフェやお店も多く、白井屋ホテルというアートホテルもあります。アートの街として住民も認識しはじめていると思います。
旅行で訪れる方にはアートなホテルに滞在してもらいたいですね。近くのギャラリーや雑貨、古着などのお店巡りをされることもお勧めします。東京とは違った意味での、いいセンスに出会ってもらえると思います。きっと、感覚が刺激されるアートの旅になるでしょう。
――前橋国際芸術祭のアンバサダー就任への抱負は?
美術に興味のない方とアートとのつなぎ役を務め、前橋に芸術祭を根付かせたいです。これまでずっと、そういった接点をつくることをやってきたので、その成果をここで発揮したいです。
――ご自身も、アーティストとして参加されるとか。
はい、自身の幼少期の経験を重ねた音楽のワークショップを計画しています。
群馬って、風の音がすごく強いんですよ。前橋には赤城山からからっ風が吹いてくるんですけど、普段過ごしていたら「ぶわー」って雑音にしか聞こえないものが、視点を変えるだけでアートの一部になったり、音楽の一部にもなる。そういう体験を地元の中学生の皆さんにしてほしい。
一緒に街に出て、いろんな音を聞いて使えそうな音を発見する企画を考えています。多感な時期を過ごす中学生が、普段言えないことを言える場としてワークショップをつくっていきたいです。
アートって面白いですよね。人を刺激するものでもあるし、人を刺激するってことはその街全体を刺激するものでもあるから。だからこそ、過疎化した場所であっても芸術祭がいたる所で開催されてる。そういうのは、街おこしの意味もあると思いますね。街のエネルギーを動かしていく、みたいな感じで。
LOLOET Workshop Live「本当は言いたかったこと」11月8日開催予定。
群馬大学共同教育学部附属中学校の生徒たちと即興演奏をつくりあげる
WEB限定!
――群馬県出身でいらっしゃいますよね。
私、高崎出身なんです。アイドル時代は仕事の時だけ東京に行っていました。大学から上京して。でも、あまり東京に馴染めないタイプの人間だったので、すごい頻繁に群馬に帰っていましたね。本当に群馬が結構好きです。
アートの仕事でいろんな美術館行くたびに、群馬の美術館をみたいなと思い始めました。去年の夏ぐらいから県内の美術館のいろんなところに足を運んでいます。
――あまり群馬に馴染みのない人たちが今回の芸術祭をきっかけにということになると思うんですけど、アート以外のアピールポイントはありますか?
群馬って結構ハイセンスなお店が多いんですよ。こだわりの古着や雑貨を売ってる店があったりだとか。中目黒の有名古着店「JANTIQUES」が今、群馬にもあるんです。「JANTIQUES内田商店」という名前なんですけど。もともと東京でアパレルに関わる仕事していた人がこだわりの商品を集めてセレクトショップをしてたりだとか。「この感覚、群馬でできてるのやっぱすごいな」と思って、地元の美容師さんなどに話を聞くと、群馬のハイセンスなお店にはみんな通ってるらしいんです。
――そういうのは大人になってから知ったんですか?
私はもう高校生から東京に通っちゃったんで、東京の美術館の文化から育った人間だから、まあ群馬の文化の感覚がわかんないまま大人になっていました。改めて群馬に接すると、結構いいですよね。
――最近、「アーツ前橋」で面白かったアートの展示は?
現代アートの向井山朋子さんの展示です。自分の服とかを血で染めて展示されている作風で、ジェンダー問題に取り組まれているのもあり、身体性が強い。
アーツ前橋は、展示によってガラッと館内の雰囲気が変わるんですよ。向井山さんだと、障子とか昭和のガラス窓みたいな……、照明は全体的にすごい暗い。ちょっとすりガラスみたいなものの奥に血のついた服があったり、映像があったり。不気味な世界観だと思いました。
でもそれが、東南アジアなど海外の作家になると、ド派手な展示になったり。施設の使い方が展示によってすごい変わる美術館ですね。展示によってその作家さんの個性を最大限に生かす美術館でもあるなって思っています。
ものすごく尖った現代アートが、なぜか前橋で発信されてるっていう印象です。
地元の人はどう思ってるか分かりませんが、美術オタクの私としてはやっと念願のっという気持ちです。商店街の中で作品を展示したり、展示室の外にアート空間が広がってるので、芸術祭になるとその規模が格段に大きくなると思います。街を巡っていくイベントもいろいろ作られるんですよ。
――作品って作品が先なのか、それとも文脈が先なのかっていうのをこのSNS時代で思うことはありませんか?
文脈が先であってもいい気がします。文脈を知ってわざわざ観に行く、みたいな人も増えていると思うんですよね。SNSで見て、こういう視点で作られた作品だって言っている人がいたらなんか気になるとか。
ただ、意外と皆さん鑑賞時間が短い。5秒ぐらいその作品の前で止まって次に、とか。量が多いとその場で観たもの、触れたものを深掘りすることはできないから、ウェブ上で深掘りをしてから実際に足を運ぶとか、その反対もありますね。
――和田さんのこの先の計画は?
今は、芸術の中でも舞台表現が気になっています。絵画に触れるうちに「今何をしたいか」と強く思うようになり、世界観を作りたいと思うようになりました。トータルで演出まで。自分のアイドル時代のライブも、カメラワークまで全部「こうしたい」という希望をスタッフに伝えていました。
――休日は、お出かけされますか?
はい。お出かけするなら伊香保の原美術館ですね。品川にあった原美術館が統合されて、原美術館ARCになりました。いい展示をいつもやっているんです。群馬の山の方に登っていかないといけないんですが。
家族でも行きますよ。娘の行くところについて来たがる父なので、それで全部連れて行ってもらっているというか、付いてきているというか。運転手兼ボディガードをお願いしています。
インフォメーション
第一回前橋国際芸術祭2026
- 9月19日(土)から12月20日(日)までの80日間、群馬県前橋市を舞台に初開催される。国内外の著名アーティストが参加し、まちなかに点在するアート建築や商店街、空きビル、路地などに建築、文学、音楽、演劇などのジャンルを横断した芸術空間を創出する。
text:朝比奈千鶴 photo:古本麻由未

