2026.1 No.919 掲載

在庫処分品から大注目の袋へ
福袋の歴史をたどる

新年を迎え、初売りを楽しみにしている人も多いでしょう。この時期は福袋も気になりますね。福袋の起源は江戸時代。現在の百貨店の前身となる呉服店が、着物を作るときに出た端切(はぎ)れを集めて袋に入れ、安く販売したのが始まりといわれています。その後も昭和後期の途中までは、洋服や雑貨などの売れ残りを福袋にして売ることが多かったようです。

福袋が特に話題になり始めたのは80年代に入ってから。それまでの余り物が入った袋から、良い品や人気の品を集めた袋へと変化します。ブランドショップの福袋を目当てに長蛇の列ができたり、数億円の福袋が登場したりなど、ニュースでも度々話題に。現在はネット販売や中身の見える福袋も多いですが、やはりお店で手に取り「何が入っているかな」と、ときめきを味わうのもいいですね。

買い初めにぜひ!

魅力が詰まった福袋の選び方と楽しみ方

失敗しない買い方のポイント

こだわりの強いジャンルの福袋は買うのを控える

福袋の満足度を高めたければ、自分がこだわりを持っているジャンルの福袋はあえて避けましょう。例えば洋服にこだわっている人がファッション系の袋を買うと、形がダメ、色がダメ……など妥協できる範囲が狭まり、結果「ハズレ袋だった」と思ってしまうことも。こだわりのないジャンルなら妥協範囲が広いので、何が入っていても満足感を得られやすくなります。

福袋の個数に注目。端数は“ 当たり袋” の予感!?

「限定◯個」と、用意した福袋の数を打ち出すことも多いですが、注目したいのがこの数字。本来なら限定50個や100個など、キリの良い数で公表しそうですが、「限定93個」などといった中途半端な数を記している場合は、「良い品だけを集めた結果、100個に到達できず93個となってしまった」のようなケースが多々あります。この端数こそが店の人の熱意と努力の証しであり、必死で集めた価値のあるお買い得品が入っている可能性が高いです。

そんなのあったの!? 変わりダネ福袋

バブル期には、ピカソとルノワールの絵画が2点で5億円という衝撃的な福袋が世間を沸かせました。最近では有名アイドルの振り付け師によるオリジナル振り付けをしてもらえる権利や、老舗ブロマイド店のスタジオで芸能人のような写真撮影ができるというユニークな福袋も。他にも、有名漫画家の自宅に招かれ似顔絵を描いてもらえるという夢のような福袋もありました。

今どきの福袋事情

今や当たり前になったネット販売の福袋のほか、最近では定期的に商品が届くなどのサブスク福袋も増えています。旅行や乗馬、コンサートなど、もはや袋すら存在しない"◯◯ができる権利"のような体験型の福袋も定着しており、ジャンルの幅も広がってきています。とはいえ、やはり食品の福袋は安定した人気。特に百貨店の気合が詰まったデパ地下の福袋は、フロア内の名店の味が集結した至極の福袋として、毎年不動の人気を誇っています。

買って楽しい&開けて楽しい福袋の魅力

最近では中身が見える福袋や、ネット販売などであらかじめ商品を公表している福袋も多いですね。もちろんハズレ袋で損をしたくないという意見もありますが、くじ引きやカプセルトイなどと同様に、中身が見えない福袋は開くときのワクワク感も魅力のひとつ。
もしも好みではない物やお目当てでない品が入っていたら、「本来なら自分で買わない物との出合いが入っていた」と考えてはいかがでしょう。新しい物との出合いによって視野が広がり、新年に新たな福を呼ぶきっかけになるかもしれません。

IT関連からダイエット系まで、多岐にわたる分野のライターとして活躍。小学生の頃から福袋に興味を持ち、福袋の歴史や商品の傾向、買い方など、さまざまな角度から研究を重ねている。百貨店などの福袋お披露目会には、累計100回近く参加。また、福袋コメンテーターとしてテレビやラジオにも出演。

text : 稲元孝子 illustration : ラニー・イナモト photo : PIXTA