紅葉の便りが届く11月。蔵の街のアートイベントや
今月開幕する話題の展覧会へ足を運んでみましょう。

2025.11 No.917 掲載

《蔵と現代美術展2025》

2025年11月2日(日)~ 16日(日)
  • 田村優幸《PRODUCE SPACE 2018》2018年
    小川長倉庫でのインスタレーションの様子(過去の開催より)

  • 山本麻世《釜なめ蛇》2017年
    本丸御殿の中庭を使った展示(過去の開催より)

  • 牛尾卓巳《Shelter 002002》2021年(過去の開催より)

地図を片手に川越のレトロ建築めぐり
蔵と現代アートが響きあう芸術展へ

川越の街なかに点在する大小さまざまの「蔵」と現代美術作品が響きあう――。そんなユニークな展覧会が今年も開幕します。「歴史的な生活空間にある川越の“蔵空間”と、現代を生きる作家たちのアートを呼応させ、蔵の街の新しい魅力を発信したい。そんな思いで2011年から始まったのが本展です」とNPO法人蔵と現代美術展の田村優幸さん。今回は小川長倉庫、時の鐘、茶陶苑大蔵など9か所で14作家の展示を行うほか、コラボレーション企画「“ 音園/Oto Zono”実験音楽祭」を展開。美術館などのホワイトキューブとは異なる、伝統的な建造物を使った展覧会。非日常の視点で街をめぐる特別な体験を楽しんでみましょう。

蔵と現代美術展2025 くらとげんだいびじゅつてん
  • 非公開
  • 埼玉県川越市元町2-6-6(本部/小川長倉庫A・B)
  • 10:00~17:00(施設により異なる)
  • 期間中無休(施設により異なる)
  • 無料(一部有料あり)
  • 東上線川越市駅から徒歩20分(本部/小川長倉庫A・B)
  • https://www.facebook.com/kuratogendaibijututen/?locale=ja_JP

CREVIAマチュピチュ展

2025年11月22日(土)~ 2026年3月1日(日

アンデス山脈の標高約2280mの断崖に建てられたインカ帝国の遺跡、マチュピチュ。今月、国内13年ぶりとなる「CREVIAマチュピチュ展」が東京・六本木でスタートします。本展は2021 年のアメリカ・ボカラトン美術館を皮切りに世界各地で高い評価を得ている巡回展。そのアジア初開催として日本に上陸するもの。ペルーの考古学博物館・ラルコ博物館から貸与された、国外初公開を含む貴重な文化財約130点が展示されるほか、世界遺産マチュピチュを最新技術で再現した没入型空間も出現。謎多き天空都市・マチュピチュと古代アンデス文明を圧倒的な演出とともに体感できますよ。

森アーツセンターギャラリー もりあーつせんたーぎゃらりー
  • 未定
  • 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
  • 10:00~18:00(金・土曜、祝前日は~19:00、12/29~1/4は~18:00、閉館は各1時間後)
  • 無休
  • 当日券・平日一般2800円(予定)
  • 東京メトロ日比谷線 六本木駅直結
  • https://machupicchuneon.jp/
在原業平生誕1200年記念 特別展

伊勢物語-美術が映す王朝の恋とうた-

2025年11月1日(土)~12月7日(日)

在原業平像 室町時代 16世紀 根津美術館蔵

平安時代前期に活躍した在原業平の和歌を中心とする短編物語集『伊勢物語』。『源氏物語』と並び、日本の文化・芸術のあらゆる分野に多大な影響を与えてきました。業平の生誕1200年にあたる本年、『伊勢物語』が生み出した書、絵画、工芸を一堂に集める展覧会が開幕します。『伊勢物語』の核心をなす和歌を味わいながら、『伊勢物語』の造形化における和歌の働きにも注目。平安王朝の美しい恋とうたの世界に浸ってみませんか。

根津美術館 ねづびじゅつかん
  • 03-3400-2536
  • 東京都港区南青山6-5-1
  • 10:00~16:30(閉館17:00)
  • 月曜(11月3・24日は開館)、11月4・25日
  • オンライン日時指定予約一般1500円、学生1200円、中学生以下無料
  • 東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線 表参道駅から徒歩8分
  • https://www.nezu-muse.or.jp/
大宮盆栽村100周年記念特別展

緑のフロンティア―大宮盆栽村100年―

開催中~12月10日(水)

盆栽村の盆栽園から自慢の作品も展示される

大宮公園の北側一帯に、国内屈指の盆栽園が集合する「大宮盆栽村」があるのをご存じでしょうか。現在は6園の盆栽園があり、四季折々の樹影を求めて国内外から多くの人が訪れています。その観光拠点となるミュージアムがこちら。世界に誇る盆栽の名品や美術品、歴史・民俗資料などを展示しています。折しも今年は大宮盆栽村の開村100周年。特別展で大宮の粋なアートにふれてみましょう。

さいたま市 大宮盆栽美術館 さいたましおおみやぼんさいびじゅつかん
  • 048-780-2091
  • 埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
  • 9:00~16:00(11~2月は~15:30、閉館各30分後)
  • 木曜(祝日の場合は開館)
  • 一般310円、学生・65歳以上150円、小・中学生100円、未就学児無料
  • 東武アーバンパークライン大宮公園駅から徒歩10分
  • https://www.bonsai-art-museum.jp/

text : Fumiko Sato photo : 関係各施設