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01
最新号
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02
あなたのONE SCENE
本屋イトマイ
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03
クロストーク
井ノ原快彦さん
山田五郎さん
中原みなみさん -
04
こよみ、くらし。
避暑
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05
おとなの私のセルフケア
高級美容液を手放した話
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06
ちょっと、そこまで
東武日光編
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07
アートのはなし
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08
Window on TOBU
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09
東武沿線小説「てむちゃん」
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10
てみやげ、おもたせ、心づかい
いちごの加工品
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11
「パズル」でアタマの体操
数独編
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12
日常から生まれた川柳
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13
バックナンバー



プロフィール
いのはら・よしひこ | |
井ノ原 快彦 | さん |
1976年生まれ、東京都出身。俳優・歌手・番組MCなど幅広く活躍。20th Centuryのメンバーとしても活動中。
やまだ・ごろう | |
山田 五郎 | さん |
1958 年生まれ、東京都出身。編集者・評論家。街づくり・美術・時計などの講演、執筆でも活躍。
なかはら・みなみ | |
中原 みなみ | さん |
1999 年生まれ、神奈川県出身。テレビ東京アナウンサー。2022年入社。
放送開始から今年で30 周年を迎えた
テレビ東京の長寿番組「出没! アド街ック天国」。
今回は司会を務める井ノ原快彦さんと
テレビ東京アナウンサーの中原みなみさん
そしてレギュラー出演者で街歩きの達人・山田五郎さんに
番組の魅力やお出かけについてお話ししていただきました。
散歩や旅がもっと楽しくなる――
街歩きの極意は好奇心とコミュ力にあり
街歩きや旅のプロたちの
プライベートに接近
――よく行かれる街は?
山田 個人的な買い物は銀座や丸の内が多いですね。日常的なものを手軽にパッと買いたいときは、近くの池袋にも結構行きます。とくに東武百貨店の地下の食料品売り場は異常に充実してるので。
井ノ原 池袋は友達の家との中間地点だったので、子どものときからよく遊んでいました。少し大人になってからは、池袋から埼玉の小川町の方へよく行ってましたね。
山田 小川町って和紙を作ってるところでしょ? 和紙作りや絵葉書作りが体験できる。
井ノ原 そうそう。和紙の町。あの辺はカブトムシもよく捕れるし、すごく自然豊かなところですよね。
中原 私も緑が見たくて、最近よく旅行に行きます。飛行機に乗って東京から出たいと思って。
井ノ原 何かあったの?(笑)
中原 いえ、何も抱えてはないですけど(笑)、この間は知床(しれとこ)に行って知床五湖を回ってきました。
井ノ原 結構歩いたでしょう。
中原 一番長いコースを歩きました。とにかく最近は散歩が好きです。近場だと上野公園とか代々木公園に行きます。すごく緑を欲していて。
井ノ原 やっぱりちょっと休んだ方がいいよ(笑)

――街歩きの極意を教えてください
山田 歩いていて何かちょっとでも変わったものや興味があるものを見つけると、それが何なのかがわからないと気が済まなくて、徹底的に調べたり聞いたりします。勝手に入れないようなところは、ピンポンして聞いたりまでします。「ここ何なんですか?」って。
中原 えーっ!?ピンポンするんですか?
山田 うん。昔からそうですね。
井ノ原 五郎さんは街の歴史的なことも詳しくて面白いけど、「ここはこういうおじさんがいるんだよ」とか、「あそこのおじさんさー」とか、その街の人の話も面白い。
山田 人も気になるんだよね。「あのおじさん、ずっと座ってるけど誰なんだろう」とか(笑)。で、それをまた周りに聞く。「あの方は何をなさってるんですか?」とか。とにかく誰にでも話しかけて聞きます。
中原 五郎さんが「人に話しかける」っておっしゃっていたことを私もすごく覚えていて、旅先では道すがら入ったお店の人やタクシーの運転手さんに「どこへ行ったらいいですか」って聞くようになりました。するとインスタとかに載ってないようなお店に行けて楽しいです。
井ノ原 地元の人って、聞かれた方も嬉しいんですよね。
中原 そうですね。1個聞いたら100ぐらい教えていただくので。

長寿番組「アド街」の
魅力や楽しみ方
――番組をより楽しむポイントを教えてください
井ノ原 自分事として観ていただけると面白いと思います。なぜかっていうと、毎回ゲストの方たちが自分の街を紹介するときに生き生きとしていて、街の魅力を全部吐き出していくんですよ。僕もですけど、知っている街が放送されたときってテンション上がるでしょう。だから知らない街でも、もし自分がここに住んだらどんな生活をするだろうってイメージしながら観るのも、ロマンがあっていいなと思います。
山田 あともうひとつ、この番組はお店やスポットを紹介する情報番組と思われがちですが、最大のコンテンツは実は「人」なんですよ。
中原 〝アド街で見たあの人〟に会いに行きたいってなりますよね。
井ノ原・山田 なるなるなる!
中原 あの街に行ったら、番組に出たキャラの濃い店主さんに声かけて帰ろうと思ったり。ほんとにコッテリした人もいっぱい登場するので、そういう方々を番組で見ていただくのも楽しいと思います。
井ノ原 うん、わかるな。似たような雰囲気の街でも、人が全然違うから。でも最近は再開発なんかで変わってしまう街を見ると、ちょっと悲しいなって思うこともあるんですよね。だからこそ今の街の良さをできるだけ伝えていけたらと思います。アド街を観て、自分の街の魅力を今一度見つめ直すみたいなこともありなんじゃないでしょうか。

――最後に読者の方々へメッセージをお願いします
井ノ原 番組は30周年を迎えましたが、これから先また40年、50年とアド街が残ることが、日本が元気な証拠ってことになるんじゃないかなと思うんですよね。それに、まだまだやらなきゃいけない街があると思うので。
山田 うん。「そこをやってなかったか!」と膝を打つような街が、どこかに隠れているはずです。
井ノ原 はい。なので、番組ではみなさんからの情報やご要望をお待ちしています!

WEB限定!
「アド街」ご出演者たちの
行きたい場所や街歩きのお話し
――今後行きたいエリアがあれば教えてください。
井ノ原 子供の頃に家族で日光と鬼怒川温泉へ行ったんですが、幼稚園でそれをすごく自慢したのを覚えています。それで、子供の時に行った場所にもう一度行って、思い出と照らし合わせてみたいですね。
中原 答え合わせみたいな。
山田 日光や鬼怒川は浅草からスペーシアで1本だもんね。僕は東武線沿線で言うと、大山に行っておきたいんですよ。これから激変しそうだから。
中原 再開発ですか?
山田 道路計画で、全国的にも有名だったあの「ハッピーロード」商店街が解体されてしまうんですよ。だから今のうちに行っとかなきゃと思っています。
井ノ原 そうなんだ。残念ですね。
山田 あと、小川町や隣の嵐山町あたりは、子どもが小さかった頃に紙すき体験で訪れて、すごくよかった記憶がある。
井ノ原 めちゃくちゃいいですよね。
山田 景色がいいところがあるんですよね。だからもう1回行ってみたい。
井ノ原 サイクリングやパラセーリングもできるし、僕はゴルフやらないけどゴルフ場もあるし、アウトドアが充実していて。ホルモン美味しいし。それと、山一面が桜で覆われるところもあって、僕もいい思い出しかないですね。

――引越しで培った(?)山田五郎さんのコミュ力
井ノ原 五郎さんて、住んでいたことがあるっていう街が多くないですか?
山田 そうでもないですよ。東京近辺で言えば、渋谷、武蔵小杉、世田谷の若林、方南町、亀戸、千駄木、東武練馬、それで今の小日向……と、そんなところかな。
井ノ原 だからそれぞれの街にもすごく詳しい。街だけじゃなくて、その街の人にも興味があるんですよね。
山田 そう。だから誰にでも話しかけてしまう。
井ノ原 それがすごい。小さい頃からそうだったんですか?
山田 何回か転校してるから、自分から話かけないといけないっていうのがあったのかも。1960年代の終わりに東京から関西の学校に転校したときには、全員から敵意を持って迎えられましたからね。「東京もん」っていうことで。
井ノ原 そういう時代だったんですね。そこを生き抜いてきたわけですね。
山田 そう。だから早く関西弁をマスターしようと、むやみに人に話しかけていた。
井ノ原 イントネーション違うといじられるから。
山田 教科書読むだけで笑われましたからね。
井ノ原 そうですよね。でもそれを乗り越え乗り越えて、コミュニケーション能力が上がっていって、誰にでも話しかけるようになって……。それが街歩きのコツにもなっていくわけですね。
中原 コミュ力といえば、この間、尾道にも行ったんですけど、駅に着いた瞬間に地元のおじさんが「どこ行くの?」って話しかけてくださって。それで「尾道のラーメンが食べたい」って言ったら、教えてくれたのがラーメン屋さんじゃなくて、焼肉屋さんのラーメンだったんですよ。どうなんだろう……って思いながら行ったら、それが本当に美味しくて。
井ノ原 旅先で地元の人に何か聞くと、喜んで教えてくれる人がいるんですよね。
中原 そういう人の出会いが、自分の知らない、検索しても出てこない場所やお店との出会いにつながるんですよね。
インフォメーション
テレビ東京「出没!アド街ック天国」
毎週土曜21:00放送
街を徹底的に紹介する地域密着系都市型エンターテインメント! おなじみの街から「えっ、こんな街あったの?」という意外な街まで、あらゆる街に出没する情報バラエティ番組です。

©テレビ東京・ハウフルス
司会者
井ノ原快彦(あなたの街の宣伝部長)
中原みなみ(テレビ東京アナウンサー)
レギュラー出演者
峰竜太、薬丸裕英、山田五郎
放送内容の詳細は、こちら→
text : Takako Inamoto photo : Chiemi Shimizu