2025.9 No.915 掲載

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美容も健康も
365日湯船が欠かせない話

私たちはもっと自分を大切にしていい。
「自分を大切にする」ためのちょっとした工夫をシェアします。

食事と睡眠と体を動かすこと。若い頃からさまざまな健康及び美容法を試してきましたが、結局、いつも戻るところは基本のここ。

加えて、私にとっては入浴も。毎晩、シャワーで済ませず湯船に浸かることが欠かせません。入浴による効能は数えきれませんが、何十年と毎日湯船に浸かる生活を続けてきて、体感でその恩恵がよくわかるようになりました。疲労回復も心身の整い方も翌日の体調もまるで違います。億劫(おっくう)な日もあります。でも、1日の終わりには、なにはなくとも湯船です。

私の生まれ育った青森は、銭湯文化が深く根づいています。温泉が豊富な土地柄のおかげで、温泉がひかれている銭湯も多く、車に銭湯道具を備えておき、仕事終わりに立ち寄ったり友達同士で出かけたりと銭湯が身近な憩いの場にもなっています。

そんな土地で生まれ育ったせいか、時折、無性に広い湯船に浸かりたくなり、都内に住んでいた数年前まで割と頻繁に銭湯に通っていました。都内はたいてい近くに一軒は銭湯がありました。今の横浜市内は銭湯より、スーパー銭湯や健康ランドが主流な印象です。先日も、友人と連れ立ってスーパー銭湯へ行ってきたところです。

近頃の楽しみはなんといってもサウナ!温冷交代浴というのだそうですが「サウナと水風呂を交互に行き来する」のを試したら、苦手と思っていたはずがすっかりはまってしまいました。湯船に浸かるだけでも十分に休まるのが、体の芯まで気血(きけつ)がめぐるような感覚とでもいいますか、疲れがスコーンと抜けるのが最高です。

暑さで眠りも浅くなりがちな夏場も、銭湯に出かけた日の夜はぐっすり。翌日は仕事も家事の捗(はかど)りもよく、この気持ちよさを知ってしまった今では、サウナと水風呂なしの銭湯は考えられません。

夏の疲れが極まるこの時期、こんな暑い時にと言わずぜひ湯船に。そしてぜひ銭湯へ!


文・絵 柿崎 こうこ

©︎ Asako Shimizu

かきざき・こうこ
イラストレーター。1970年生まれ。雑誌や書籍、広告など各メディアで活躍。保護猫の「まるお」♂と「しろちゃん」♀の3人暮らし。近著『50歳からの私にちょうどいい美容と健康』。郷里の青森から上京して、はじめてのひとり暮らしは東上線の下赤塚駅が最寄り駅。
Instagram: @kakizaki_koko