2025.9 No.915 掲載

地震、台風、ゲリラ豪雨など
自然災害に備えましょう

9月1日は防災の日。この日は大正12(1923)年に関東大震災が発生した日であると同時に、台風シーズンを迎える時期でもあります。戦後最大の被害をもたらした伊勢湾台風に見舞われたのも9月でした。こうした過去の災害が契機となり、地震や風水害などに備えるための心構えを育成することを目的に、防災の日が制定されました。

災害が起きたときに最も重要なのは身を守ること。地震を防ぐことはできませんが、被害を最小限に抑える対策は事前に行えます。一方、台風は地震と違い日時の予測ができます。雨雲レーダーなどお天気アプリを確認し、最新の情報を得てから行動しましょう。もちろん非常用バッグや、最低3日程度の水と非常食の用意も必須です。日頃から防災意識を高め、大切な命を守りましょう。

覚えておきたい

災害時に役に立つ防災知識

非常時のけがを防ぐための最善策や、被害を最小限にとどめるための方法を覚えておきましょう。下記で紹介している本所防災館では災害時の疑似体験ができるので、訓練と情報収集を兼ねて足を運んでみてはいかがでしょうか。。

地震

突然発生する地震から身を守るには事前の対策が大切。家具の転倒防止器具の設置は不可欠です。さらに家具の配置や、けがの原因となりそうな生活用品の収納方法も見直しましょう。

被害を最小限にする家具の配置を

家具が倒れて出口をふさがれないよう、ドア付近に大きな家具を置くのは禁物です。また、キャスター付きの家具は地震のときは凶器に変わるので要注意。キッチンでは包丁やガラス製品など、危険が想定される物の収納を見直して、けがを回避する対策をしておきましょう。

火事

地震が起きると同時に火災が多発することも。家庭でも消火器を常備して、初期消火に備えましょう。

消火器の噴射時間はたったの数十秒

消火器1本の使用時間は20秒前後と、かなり短時間です。そのため遠くから噴射をし始めると、火元の近くに来た時点で消火剤がなくなってしまうということも。できるだけ火元に近い位置から消火を始め、炎の下側の火元部分を狙って噴射してください。

※消火器の大きさなどにより異なる

台風・豪雨

やむを得ず外に出る場合は、河川など水辺に近づかないこと。低い場所や地下もできるだけ避け、とくに冠水しやすいアンダーパスは通らないようにしてください。

傘は差さず杖(つえ)の代わりに

水が氾濫(はんらん)した際、にごった水が流れる道路では、水の下にどんな危険が潜んでいるかわかりません。閉じた傘を杖にして地面を探り、側溝やマンホール、流れてきたがれきやゴミなどがないか、傘先で確認しながら歩きましょう。

施設で災害を体感し、
地震や風水害などに備えましょう

本所防災館
ほんじょぼうさいかん

本所消防署に隣接し、さまざまな災害の擬似体験をしながら防災に関する知識や技術が学べる体験施設。地震の揺れ体験や火事の初期消火、応急救護、火災の煙からの避難などを、各コーナーで実際に体感することができます。巨大スクリーンのシアターや防災ゲームコーナーなどもあり、楽しみながら防災知識が得られます。

都市型水害体験コーナーでは、水圧がかかった状態の地下や自動車のドアを開ける体験ができる

(写真右)VRで地震や火災、風水害を疑似体験 (写真左)消防に助けを求める119番への通報の仕方が学べる

  • 03-3621-0119
  • 東京都墨田区横川4-6-6
  • 9:00~17:00(最終入館16:45)
  • 水曜・第3木曜(祝日の場合は直後の平日)
  • 無料
  • JR・東京メトロ半蔵門線錦糸町駅、東武スカイツリーライン・京成押上線・都営浅草線・東京メトロ半蔵門線押上駅から徒歩10分
  • https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/taiken/honjo/index.html

text : 稲元孝子 photo : 古本麻由未 illustration : ラニー・イナモト