2025.12 No.918 掲載

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ラジオ体操をふたたび!
3分間の魔法の話

私たちはもっと自分を大切にしていい。
「自分を大切にする」ためのちょっとした工夫をシェアします。

秋口から長く続いた体調不良を抜け出して、久しぶりにまた、ラジオ体操をはじめました。こんなことを言うと大げさに聞こえそうですが、私はラジオ体操で人生が変わったと信じています。
40代の一時期、更年期症状に悩み鬱々(うつうつ)とした日々を送っていました。心配した友人にラジオ体操を勧められ、藁(わら)をも掴む気持ちでやってみると……体も気分もスッキリ! そして、今、必要なのは体を動かすことだと気づきました。その勢いのままに空手を習い始めると、いつの間にか元気に。体力もつき、新しい人間関係が生まれ、生きがいとも言える趣味を得ました。
この話は第1回目でも触れました。タイミングもよかったのかもしれません。でも、たった3分間のラジオ体操の後に、パッと前向きに切り替わった感覚はまるで魔法のようでした。
今は、毎日ベランダにスマホを持ち出して、YouTubeのラジオ体操に合わせて体を動かすのが日課です。外気に触れながらやる方が俄然気持ちよく、日が差す暖かい日は、少し汗ばむくらい体がポカポカになります。温まりがもの足りない時は、ラジオ体操第二まで続行です。寒さも本格的になってきましたが、しばらくベランダで続けてみるつもり。
冬の体調管理は、足首ウォーマーや毎日湯船に浸かって体を温めるのは今まで通りです。加えて、ラジオ体操の自家発電で、中と外からの温めが今季の作戦。
空手のおかげで丈夫になった体も、年を重ねて新たな不調がちらほら。心なしか“体調不良話”も増えているような。これを無意識の口癖にしないように、言うなら明るく。来年の目標ならぬ、心がけです。
自分ファーストが少し苦手な私たちの体や心、暮らしを労(いた)わることをテーマに綴(つづ)ってきたこの連載は、今回が最終回です。混沌の時代を軽やかに進むために、ますます自分を知り、そして大切にしていきましょう。一年間のご愛読、ありがとうございました。


文・絵 柿崎 こうこ

©︎ Asako Shimizu

かきざき・こうこ
イラストレーター。1970年生まれ。雑誌や書籍、広告など各メディアで活躍。保護猫の「まるお」♂と「しろちゃん」♀の3人暮らし。近著『50歳からの私にちょうどいい美容と健康』。郷里の青森から上京して、はじめてのひとり暮らしは東上線の下赤塚駅が最寄り駅。
Instagram: @kakizaki_koko