2025.1 No.907 掲載

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からだを動かしたら、ぜんぶ整った話

等身大の自分を、ゆるりとありのままに、
見つめる時間を持つこととは…

はじめまして。私は、2匹の愛猫と3人暮らしのイラストレーターです。現在54歳、更年期のさなかですが比較的元気です。ここに至るまでは、40代で心身の不調に悩み、50代目前では漠然とした将来への不安も味わいました。それがいま元気と言えるのは、探り探り、自分を労わることを重ねてきたのがよかったのかなと感じています。

中でも、救いとなったのは〝運動〟。ありきたりですが、それまでもダイエットや健康のためにと、ジョギング、ジム通い、ヨガなどに挑戦してきました。でも、根本が運動嫌い、どれも義務感が上回って楽しくないのです。だから長続きもしない。その繰り返しで40代半ばを迎えると、突如、落ち込みや体調不良が現れオロオロ……。今ならそれが更年期症状とわかりますが、当時はただただ鬱々としていました。

心配した友人が「軽く体を動かしたら?」とラジオ体操を勧めてくれ、藁をも掴む思いで動いてみると、気分も体もスッと軽くなりました。これだ!と、その翌日に空手道場へ入会。高校の部活動で経験がある空手を再び始めることにしたのです。そこから数年、気づくと、体調を崩しがちだったのもなくなり、いつの間にか元気に。空手は今も楽しく続けています。

運動を習慣にする難しさはよくわかります。そんな私でも〝歩く〟ことだけは、もう30年続いています。最寄り駅まで歩く、車の時はスーパーの駐車場で入り口から遠いところに車を停めるなど、日常に無理なく取り入れるのが唯一のコツです。続けていると、自然に歩きを選ぶようになるので、運動をしているつもりもなく、でも運動量は以前よりアップ。せっかくなら、姿勢よく歩幅は大きめに、サクサク歩くと強度もアップ。これだけですが、未来の足腰も健康も違ったものになるはず、と信じて30年。

運動習慣は一生の宝と身に沁みて思います。外は寒いですが、少し体を動かしてみるとスッとしますよ。


文・絵 柿崎 こうこ

©︎ Asako Shimizu

かきざき・こうこ
イラストレーター。1970年生まれ。雑誌や書籍、広告など各メディアで活躍。保護猫の「まるお」♂と「しろちゃん」♀の3人暮らし。近著『50歳からの私にちょうどいい美容と健康』。郷里の青森から上京して、はじめてのひとり暮らしは東武東上線の下赤塚駅が最寄り駅。
Instagram: @kakizaki_koko