池袋編

東武東上線の起点であり、いくつもの路線が乗り入れる池袋駅。その駅長・丸山さんがおすすめの場所として紹介してくれたのが、駅南側にある自由学園明日館でした。大正10（1921）年に建設された校舎は、近代建築の巨匠と称されるフランク・ロイド・ライトの設計によるもの。国の重要文化財に指定される名建築ですが、細部まで見学できるうえにかつての食堂では喫茶を楽しめる（見学とセットの場合のみ）など、より身近に感じられるのが魅力です。

明日館館長・福田さんが紹介してくれた池袋防災館へ向かうには、明日館前の小路を西へ進んで、少し遠回りして住宅街を散策するのがおすすめ。池袋駅から徒歩10分圏内に、このような落ち着いた街並みが広がっているのはあまり知られていないのではないでしょうか。福田さんは「一帯は戦火に遭わず、昔から続く住宅街が残っているのです」と教えてくれました。
東京消防庁池袋消防署に併設された池袋防災館は、防災について学び、体験できる施設。地震や火災からの避難・消火などは、一度体験しておくと、万が一の際にスムーズに行動できるようになるもの。乾燥する冬にこそ訪れたいスポットです。

館長・矢作さんがおすすめしてくれた次の場所は、池袋駅の東側へ進みサンシャインシティを越えた先のIKE・SUNPARK。正式名称はとしまみどりの防災公園ですが、芝生を前にしたおしゃれなカフェ「EAT GOOD PLACE」があり、都会のオアシスのような存在です。平日昼間も子ども連れなど多くの人が集まっていて、駅東側にも人々の暮らしが息づいていることがうかがえます。
東京の副都心として賑わう池袋ですが、鉄道が開業する以前は巣鴨村の大字のひとつだったのどかな地。今でも多くの人が暮らし公園が点在するこの地に、静けさを探しながらめぐるのが楽しい街でした。