私の実家は足立区梅田にあり、幼い時から都心へ出かける際には必ず荒川を渡ります。帰路につく際に見る北千住駅～小菅駅間の土手は、家族が待つ家に帰るという安心感を抱く風景でした。
荒川を渡ることのない街で暮らしている今、帰省をする際に気づいたのです。荒川土手はどんな時も自分を見送り、迎えてくれた存在だった――。幼い時に母や弟たちと一緒に父を北千住駅まで迎えに行った時のこと、新社会人時代に慣れない勤務で疲れて帰宅した時のことなど、いろいろな思い出がよみがえってきました。

この先の人生でさまざまな場所にルーツを持つことになると思いますが、私と東武鉄道、そして荒川土手が、今まで共に経てきた時間と思い出を超える場所はないのだろうと感じています。
（20代：真面目が粋さん）