2025.5 No.911 掲載

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猫飼い初心者が
猫との暮らしを叶えるまでの話

私たちはもっと自分を大切にしていい。
「自分を大切にする」ためのちょっとした工夫をシェアします。

現在、私は5歳と3歳になる2匹の猫と暮らしています。ちょうど3年前の5月、保護活動団体から先住のまるおを迎え入れ、人生初となる猫との生活がはじまりました。

猫と暮らす以前へ遡ると、当時私は、都内でそこそこの家賃の賃貸マンションでひとり暮らしをしていました。そして、この先もこの家賃を払い続けてまで今のような生活を保ちたいのか、50代を目前にして先の暮らし方を模索していました。同時に、猫のいる暮らしに憧れを募らせ、ペット飼育不可のその家で保護猫の里親募集サイトを覗くのが日課となっていました。

やがて叶えたいことがふたつ明確に。

まずは都心から離れて家賃を下げること。もうひとつは猫と暮らすことです。決めた途端、目の前の霧がスーッと晴れて未来へワクワクしはじめたことを覚えています。

それにしても“ペット可賃貸物件”の少なさには本当に困りました。少ない中で希望の条件が揃う家は皆無。今の家に出会うまでに1年以上かかり、まるおを迎え入れたのはさらにその1年後です。

保護主さんのサポートと、まるおの懐っこい性格のおかげで、迎え入れて慣れるまでは割合スムーズでした。1年半後には、妹分のしろちゃんが家族の一員に。

「猫は手がかからなくて飼いやすい」とはよく言われます。でも、実際に暮らしてみると、少しの変化がストレスになって食欲が落ちたり、繊細な面もチラホラ。わが家の2匹も、日頃からちょっとした変化を見逃さないように気をつけています。

愛おしい存在を守るため、自身の健康もより気遣うようになって、元々の健康オタクに磨きがかかっています。なにより、人生の彩りが百倍鮮やかに変わりました。

あの時、猫と暮らすことを選んで本当によかった。私は今、しあわせです。


文・絵 柿崎 こうこ

©︎ Asako Shimizu

かきざき・こうこ
イラストレーター。1970年生まれ。雑誌や書籍、広告など各メディアで活躍。保護猫の「まるお」♂と「しろちゃん」♀の3人暮らし。近著『50歳からの私にちょうどいい美容と健康』。郷里の青森から上京して、はじめてのひとり暮らしは東武東上線の下赤塚駅が最寄り駅。
Instagram: @kakizaki_koko