2025.5 No.911 掲載

清々しい山の風景を堪能し
低山登山を楽しもう

いよいよ行楽シーズン到来。とくに5月は各地で山開きが行われるシーズンです。最近は低山登山がプチブームになっていますが、とくに春から初夏にかけては初心者でもチャレンジしやすい季節です。

なかでもおすすめのスポットは、山と湿原の風景が美しい尾瀬。5月中旬頃からは、遅い雪解けとともに、高山植物も顔を出し始めます。木道などが整備されている場所が多く、登山ビギナーでも挑戦しやすいエリアです。群馬・福島・新潟・栃木の4県にまたがる尾瀬は、都心をはじめ各地からアクセスしやすいのも魅力です。本格的な登山はハードルが高いという人は、まずはビギナー向けのハイキングコースにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。美しい自然を満喫しながら、日頃の運動不足も解消しましょう。

尾瀬ハイキング日帰りコース

登山初心者さんにおすすめ

【全歩行時間:5時間5分/歩行距離:13.2km】

標高1660mにある1周約9kmの尾瀬沼の周囲を巡るコースで、森林浴と湿原歩きの両方を楽しめます。シャトルバス終点の沼山峠から出発できるのでアクセスしやすく、ルート内の最大高低差は125mとゆるめなのでビギナーでも安心です。

スタート&ゴール

入山口となる場所で、沼山峠バス停そばには休憩所がある。

高山植物が美しい絶景ポイント。黄色のニッコウキスゲの見頃は7月中旬。

山小屋の周辺からは、尾瀬沼を一望できる。

休憩所でひと休み。木道の周囲に大自然が広がる。

手前の湿原からは燧ヶ岳を望む絶景が楽しめる。

初夏から夏の高山植物

ミズバショウ

水辺に咲く尾瀬を代表する花。見頃は5月中旬〜6月中旬

ニッコウキスゲ

湿原で7月中旬から一斉に咲き誇る、ユリのような形の花。

リュウキンカ

湿地に群生し、鮮やかな黄色がかわいい。5〜6月が見頃。

初夏の尾瀬の服装や持ち物は?

シャツ
アンダーウェアは汗冷えしない吸汗速乾性にすぐれたTシャツがおすすめ。中間着のシャツは登山用の長袖を。
アウター
朝晩は冷えるので軽量のダウンジャケットがおすすめ。
ボトムス
デニムは汗や雨で濡れるので避けよう。撥水性や速乾性を備えたロングパンツがベスト。
帽子
日焼け防止のハットがよいが、防寒用にニット帽も持参。
持ち物
レインウェアやコンパクトになる防寒着はマストアイテム。トイレはチップ制なので100円玉を用意しておこう。ゴミは基本的に持ち帰りなのでゴミ袋も忘れずに。
シューズ
スニーカーはNG。防水で滑りにくい登山靴を。

首都圏発

夜行列車で行く尾瀬の旅

ベストシーズン6月〜10月中旬の週末に運行する、東武鉄道の夜行列車。
浅草駅(23:45発)から発車し、終点の会津高原尾瀬口駅到着後は専用バスで尾瀬沼山峠へ。
朝から尾瀬のハイキングが楽しめます。

text:稲元孝子 photo:坂上修司、PIXTA illustration:ラニー・イナモト