2025.11 No.917 掲載

サブカルチャーに触れて
日本文化の新たな魅力を発見

11月3日は文化の日。この日は明治天皇の誕生日であったため、昭和前期まで「明治節(めいじせつ)」という祝日でした。昭和21年の同日に日本国憲法が公布されると、平和と文化を重視した国づくりのもと、2年後の昭和23年に「文化の日」が誕生しました。

ひと言で“文化”といっても幅広い側面を持ち、芸術関連の分野をあげても音楽、映画、美術、文芸などさまざまです。そのため11月3日は「レコードの日」などといった文化にちなんだ記念日も多数あるようです。なかでも興味深いのが「まんがの日」や「世界コスプレの日」。以前はオタク文化やサブカルチャーと称されていた漫画やアニメも、今やメインカルチャーへと成長しつつあります。そこで今回はサブカルのみならず、多彩な文化施設が集まる池袋の街にスポットを当ててみました。

池袋文化を牽引する
「サンシャインシティ」に聞いた

カルチャー体験 in 池袋

東武沿線を代表する文化都市の池袋。この地のランドマークでもあるサンシャインシティは、長年“まちづくり”を担ってきました。ここでは街を熟知するサンシャインシティの方に、今どきの池袋カルチャーについて聞いてみました。

なぜ池袋は文化のまちになったの?

1970年代、サンシャインシティ計画の際に、行政から「施設内に博物館や学習関連などの文化施設を設けること」と要望されました。やがて駅周辺には劇場やミュージアムなどが増え、徐々に文化都市へ。一方で昨今、サブカル文化のまちといわれるようになったのは、2000年代に入りアニメグッズ専門店のアニメイトを中心に、アニメファンが集まるようになったことに始まります。その後も文化的なまちづくりの一環として行政と企業が手を組み、アート・カルチャー関連のイベントを開催。今や池袋は日本を代表するサブカル文化の聖地となりました。

映画

日本一大きなスクリーンを有する都内最大級の映画館・グランドシネマサンシャイン池袋をはじめ、大型シネコンが点在。小規模ながらも個性派作品を上映する、新文芸坐やシネマ・ロサなどの映画館も魅力です。

アニメ・コスプレ

アニメグッズ専門店の代表格であるアニメイトを中心とした、アニメイト通りや乙女ロードと呼ばれる通り沿いに、関連ショップが集結。また、サンシャインシティにはキャラクター関連のショップが多数あるうえ、期間限定でさまざまな作品とのコラボイベントや、マンガやアニメの企画展を開催。さらに、サンシャインシティでほぼ毎月開催されるコスプレイベント「acosta!」では、各地から年間20万人以上の来場者が集まります。詳細はこのページの下記へ。

演劇・音楽

池袋駅の西側には東京芸術劇場、東側には東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)と大ホールをもつ劇場があり、ミュージカルや演劇、コンサートなどが行われ、文化都市のイメージを高めています。

アート

駅周辺を中心にミュージアムやギャラリーが集結。なかでも毎年春と秋に開かれるアートフェスティバル「池袋モンパルナス回遊美術館」が話題です。池袋駅周辺の街なかがメイン会場となり、東武百貨店やサンシャインシティをはじめ、豊島区内の約50会場で企画展や講演会、ワークショップなどを行います。今秋は11月30日まで開催中。

サンシャインシティ

サンシャイン60ビルを中心に5つの建物からなる大型複合施設。ショップやグルメが充実のショッピングセンターをはじめ、水族館やプラネタリウム、博物館、ホール、劇場などの文化施設も集結。キャラクターショップも多数。多彩なイベントにも注目です。

  • 03-3989-3331
  • 東京都豊島区東池袋3-1
  • JR・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ 池袋駅から徒歩8分
  • https://sunshinecity.jp

コスプレイベントに参加しよう

毎月開催される「acosta!」。サンシャインシティを中心に周辺の公園なども会場となり、まちをあげて盛り上がります。イベント当日はサンシャインシティのホールがまるごと更衣室に。詳しくはサイトをチェック。

秋冬のおすすめイベント

やっぱりエジプトが好き♡
昭和のニッポンと古代のエジプト

開催中~11月24 日(月・振)

布・紙・陶磁器・木工・金属、さらにサブカルチャーまで、約200点を紹介し、昭和30~40年代の「エジプト柄ブーム」を読み解きます。古代オリエント博物館で開催中。

©あだち充/小学館

—画業55周年記念— あだち充展

12月19日(金)~2026年1月14日(水)

これまでの漫画家生活と数々の作品を振り返る大規模展覧会を、展示ホールC(文化会館ビル3階)にて開催。原画展示や作品のラフスケッチなど、貴重資料を初公開。

text : 稲元孝子 illustration : ラニー・イナモト