加須編

2026.6 No.924 掲載

騎西地区のシンボルである騎西郷土史料展示室。堂々とした姿の模擬天守は、昭和になって婦人会館として建設されました

東武鉄道の駅周辺をおさんぽするこの企画。
6月のおすすめは、加須駅周辺と路線バスで向かう
歴史香る騎西地区です。
この季節は、あじさいが各所で開花します。

(左)歴史ある玉敷神社では、数多くの巨木の神々しい姿が見られます
(写真右上)平坦な地が広がり、農業が盛んです。なかでも小麦畑が数多くあり、うどんが名物料理となっています
(写真右下)国内最大の鯉のぼりが泳ぐ5月開催の加須市民平和祭が行われる加須。「鯉のぼりの街」として駅前で一年中、風になびく姿が見られます

あじさいの花が彩る道を
行き来しながらおさんぽ

埼玉県の北東端に位置し、都心から1時間ほどでアクセスできる加須。おさんぽのハイライトとなる騎西きさい地区は、加須駅から2~3㎞ほどと距離があるので、駅南口から運行している鴻巣駅行きや免許センター行きの朝日バスを利用するのがおすすめです。

まず向かいたいのが、天守風の建物が目を引く騎西郷土史料展示室。かつてこの地に騎西城があったことから、天守を模して建てられたもので、館内では城郭や武家屋敷などの遺跡から出土した品々や埴輪、民具などを展示しています。なかでも必見なのが、状態のよいまま出土した十六間筋兜じゅうろっけんすじかぶと。兜の鉢だけでなく、その周辺のシコロ、吹返しが残った姿で出土したのは日本で唯一です。

(写真上)最上部の屋外には回廊があり、周囲を一望することができます
(写真中央右)階段を上った先の入り口付近に展示されている十六間筋兜。戦国時代、騎西城を攻めた上杉家のものと考えられています
(写真左下)2階は農具や戦争、相撲に関する資料などが展示されています
(写真中央下)建物を1 周するように設けられた回廊。屋根には鯱が見られます

続いて訪ねるのは、歩いて10分ほどの距離にある釜屋。寛延元(1748)年に創業した造り酒屋です。中国の詩人・李白が愛した酒器から二代目が命名した代表銘柄「力士」のほか、ワイン酵母で仕込んだ純米酒や市内産の酒米を使った純米大吟醸のスパークリングなど、時代に合わせた新商品も生み出しています。

事前に予約すれば、釜屋の歴史を伝える史料などが展示された蔵や神社なども見られる酒蔵見学も受け付けています。

釜屋から次なる玉敷神社へも、旧国道122 号を北西へ歩いて15分ほど。カフェ サンズイも徒歩圏内にあり、騎西地区は歩いてめぐることができます。

(写真左)力道山を起用した商品のポスター(1960年頃)も酒蔵見学で見られます

(写真左)国内外で多数の受賞歴を誇る力士 大吟醸3300円(左)とワイン酵母仕込みの純米酒ARROZ-アロス-1848円(右)
(写真右上)大正時代築の酒蔵
(写真右下)米寿祝いとしてお酒を送った渋沢栄一から届いた直筆の手紙。酒蔵見学で観覧可能

武州騎西総鎮守としての歴史を刻む玉敷神社は、8世紀の創建と伝わる古社。江戸初期から続く神楽が奉納されていて、国内の40神楽とともに、2028 年にユネスコの無形文化遺産に登録申請されることが決まりました。6月には茅の輪くぐり(最終日曜)が行われるほか、境内各所で額あじさいが開花します。

(写真左)2・5・7・12月に行われる祭礼で奉納される玉敷神社神楽。写真はイザナギイザナミの連れ舞

(写真左上)大己貴命を御祭神とする本殿
(写真右上)本殿のみごとな彫刻も必見
(写真左下)茅葺屋根の神楽殿
(写真右下)額あじさいが開花する旧河野邸跡

隣接する玉敷公園と騎西総合公園、騎西郷土史料展示室を結ぶふじとあじさいの道でも6月中旬~下旬頃、約1万本のあじさいが見ごろを迎えます

(写真左)1500mほど続く遊歩道の両側にあじさいが咲き誇ります
(写真右)6月14日には玉敷公園で人力車の乗車体験やスタンプラリーなどが行われる加須市騎西あじさい祭りを開催

今回訪れたのはこちら

騎西郷土史料展示室

きさいきょうどしりょうてんじしつ/p>

  • 0480-62-1223(加須市生涯学習課)
  • 埼玉県加須市根古屋633-2
  • 9:00 ~ 16:30(最終入館16:00)
  • 平日
  • 加須(南口)から朝日バス鴻巣駅または免許センター行きで約10分、騎西城下車すぐ

釜屋

かまや

  • 0480-73-1234
  • 埼玉県加須市騎西1162
  • 9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 16:00
  • 日曜、祝日(土曜は不定休)
  • 加須駅(南口)から朝日バス鴻巣駅または免許センター行きで約10分、騎西二丁目下車すぐ

玉敷神社

たましきじんじゃ

  • 0480-73-6022
  • 埼玉県加須市騎西552-1
  • 境内自由(社務所は8:30〜16:30)
  • 無休
  • 加須駅(南口)から朝日バス鴻巣駅または免許センター行きで約10分、騎西一丁目下車、徒歩8 分

ふじとあじさいの道

ふじとあじさいのみち

  • 0480-73-1111(加須市騎西総合支所地域振興課)
  • 埼玉県加須市騎西
  • 散策自由
  • 騎西郷土史料展示室まではA参照

手打ち一筋 麺切り処 久下屋脩兵衛

てうちひとすじめんきりどころ くげやしゅうべえ

郷土食・加須うどんが味わえる駅近くの人気店

昭和58(1983)年に創業した手打ちうどん&そば処。加須産小麦などを独自にブレンドしたうどんは、もちもちとしたコシの強さと香りの高さが魅力です。ごまやきゅうり、大葉などを合わせた味噌味のつゆで味わうごま汁天セイロうどん1353円がおすすめです。

  • 0480-65-5225
  • 埼玉県加須市久下1674-1
  • 11:00~15:30(L.O.15:00)、17:30~20:15(L.O.19:45)、麺が売り切れ次第終了、最終入店は各L.O.15分前
  • 火曜、第3・5 水曜
  • 加須駅から徒歩13分

※価格変更の可能性あり

カフェ サンズイ

創作カレーが美味なペット同伴OKなカフェ

騎西地区に移り住んだ夫妻が営むカフェ。ペット同伴と一般のスペースが分かれているのも好評です。看板メニューのカレーは、スリランカのスパイスを使ったチキン、大豆ミートのキーマ、ビーフの3種があり、2種盛りカレー1150円(単品)がイチオシ。近隣の農家が育てたキャッサバのケーキ350円も人気です。

  • 0480-77-4943
  • 埼玉県加須市正能15-19
  • 11:00 ~ 17:00(土曜は11:30 ~ 19:00)
  • 水・木曜
  • 加須駅から朝日バス鴻巣駅または免許センター行きで約15分、プラザきさい下車、徒歩13分

text:Taku Tanji photo:Taku Tanji、玉敷神社 illustration:Mai Beppu