新・駅前そぞろ歩記

花の大群生と湿原の緑と青い空 夏の尾瀬をハイキング
会津高原尾瀬口(あいづこうげんおぜぐち)

夏が来ると思い出すのは尾瀬。東武で行く尾瀬へのアクセスはいろいろです。たとえば、30年の伝統をもつ私鉄で数少ない夜行列車「尾瀬夜行23:55」で、早朝の会津高原尾瀬口駅へ行くも良し、新宿駅や川越駅からの高速バス「尾瀬号」で大清水へ行って尾瀬入りするのも良し。もちろん、特急スペーシアと野岩・会津鉄道を乗り継いで行くこともできます。さらに、今年は新たなアクセスが誕生。今回は話題の新型特急「リバティ会津」に乗って、乗り換えなしで会津高原尾瀬口駅へ向かいます。

会津高原尾瀬口(あいづこうげんおぜぐち)
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会津高原尾瀬口(あいづこうげんおぜぐち)
よみがえった 江戸時代の千本松原

午前9時22分、会津高原尾瀬口駅に特急リバティ会津101号(浅草発6時30分)が到着しました。この電車を使えば、夏の尾瀬沼をめぐる日帰りハイキングを楽しむことができます。ちなみに「リバティ会津」はこの後も下りで3本運転されていて、そちらを利用すれば尾瀬の山小屋や檜枝岐(ひのえまた)村に宿泊し、翌日には尾瀬ケ原までロングコースのハイキングが楽しめます。

会津高原尾瀬口駅からはバスに乗って、檜枝岐村を経由して11時30分に尾瀬沼山峠に到着。ここは尾瀬へ入る最短ルートで、初心者でもハイキング感覚で歩くことができます。

尾瀬沼へのアプローチは、「山の駅 沼山峠」をスタートし、木道や階段を25分ほど登って沼山峠を越え、下り道を30分。途中の展望台からは尾瀬沼が見え、その向こうに燧ヶ 岳(ひうちがたけ)も見えます。木道を緩やかに下っていくと、尾瀬を代表する絶景ポイント・大江湿原に出ます。

尾瀬沼に流れ込む大江川の両岸に広がる大江湿原は、尾瀬沼周辺では最大規模の面積。一番の見どころは7月に最盛期を迎えるニッコウキスゲの大群生。湿原の緑のカンバスに黄色の点描(てんびょう)、そして青空とのコントラストは、まるで印象派の絵画の中に入ったような感動の美しさです。ニッコウキスゲだけではなく、大江湿原は花の宝庫。貴重な植物たちが可憐な花を咲かせている姿を木道から眺めることができます。そして大江川を覗いてみるとたくさんの魚影。尾瀬にはイワナやアブラハヤ、ギンブナなどの川魚も生息しているのです。

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会津高原尾瀬口(あいづこうげんおぜぐち)
江戸時代から残る町屋建築と 草加煎餅手焼き体験

尾瀬沼は、燧ヶ岳の1万年以上前の火山噴火で只見川がせき止められてできた湖。標高は1660m、周囲は約9㎞で最大水深は約9mあり、湖面の向こうには標高2356mの燧ヶ岳の雄大な姿が見えます。尾瀬沼には3軒の山小屋があり、ここに宿泊すると尾瀬沼を1周散策したり、尾瀬ケ原まで足を延ばしたり、また朝霧の大江湿原や夕焼けの燧ヶ岳、満天の星など、刻一刻と変わりゆく沼畔の表情をじっくり楽しむことができます。日帰りコースなら、尾瀬沼の東岸と南岸を中心に時間の許す限り尾瀬の自然を堪能できます。

尾瀬の気候や動植物の生態など、職員が収集した情報をリアルタイムで紹介しているのは、尾瀬沼ビジターセンター(尾瀬保護財団)。散策前にぜひ立ち寄りたいところです。ビジターセンターの軒先には、毎年のようにイワツバメが飛来して巣作りをし、7月には餌をねだる可愛い雛の姿を見ることができるかも。また、尾瀬には準絶滅危惧種に指定されているイタチ科の小さなオコジョが生息し、「森の妖精」とも呼ばれています。そして、もしオコジョを尾瀬で発見したら、その目撃情報をビジターセンターに報告すると、もれなく「おこじょ発見証」が贈呈。このカードは自慢の尾瀬土産で、オコジョを発見するために尾瀬を訪れるファンもいるそうです。

おっと、そろそろ帰りのバスの時間が近づいてきました。都心から日帰りの尾瀬ハイキングですが、澄んだ大気と見渡す限りの大自然が心と体をたっぷり癒やしてくれます。

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会津高原尾瀬口MAP
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