新・駅前そぞろ歩記

春日部
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 春日部駅は東武スカイツリーラインと東武アーバンパークラインが交差する接続駅です。都心方面から日光・鬼怒川方面へ、また大宮方面、柏・船橋方面に向かう交通の要衝ということで、東武日光線方面の特急が停車します。もちろん来月15日にデビューする「スペーシア X」も、春日部駅に停車します。

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 春日部駅はいま大きく変わろうとしています。駅を中心に2路線の鉄道を高架にする工事が進行中。2019年度から13年かける大工事ですが、現在は東口の駅舎が役目を終え新たな仮駅舎に姿を変えました。今回は変わりつつある春日部駅東口の街を紹介します。
 駅のすぐ近くには春日部市観光協会が運営する「ぷらっとかすかべ」。だれでも気軽に立ち寄れる憩いのスペースで、春日部の観光情報を発信しています。また、電動アシスト付き自転車のレンタルも受け付けています。
 春日部の市街地を歩くとあちこちでいろいろな彫刻に出会います。これは「彫刻のある街づくり」として設置されたもの。出会いが楽しい春日部のアートウオークです。
 駅前から北に伸びる通りを進むと、大落古利根川に出ます。そこに架かっているのが古利根公園橋。橋と公園を一体にした橋上公園で、春日部特産の麦わら帽子をイメージしたアーチのモニュメントが特徴。春日部のシンボル的な存在の憩いのスポットです。
 「かすかべ大通り」は銀行や商店、企業が並ぶ目抜き通りですが、じつは旧日光街道で、この通りこそ江戸日本橋から千住、草加、越谷に続く日光道中4番目の宿場町「粕壁宿」だったのです。

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 粕壁宿には人馬の手配を行う問屋場があり、本陣と脇本陣、そして一般の旅籠 が45軒。そのほか茶屋などの飲食店、商店などが軒を連ねて賑わい、鍛冶や大工といった職人など大勢の人が暮らしていたそうです。現在の春日部の特産品は桐箪笥や小箱ですが、これは日光東照宮造営に関わった指物師たちが、粕壁宿に定住したのが始まりといわれています。
 春日部市郷土資料館では、江戸末期の粕壁宿の街並み全体を忠実に200分の1で再現した模型を展示しています。その模型の街道に立った目線で覗くと、茅葺や板葺の家、間口が狭く奥行きの長い短冊状の地割などの景色がよく分かり、タイムスリップして実際に粕壁宿にいるような現実感を味わえます。
 現代のかすかべ大通りには、宿場町の面影はほとんどありません。でも地割はあまり変わらず、いまでも明治時代の蔵が並ぶ奥行きの長い商店が見受けられます。
 寺町が形成されるのも宿場の特徴。粕壁宿の東側には粕壁の鎮守・東八幡神社や八坂神社、『奥の細道』で芭蕉が泊まったといわれる東陽寺など。西側には最勝院や普門院、成就院など。最勝院は粕壁宿の突き当たりに位置し、明治の一時期存在した千住馬車鉄道は、ここを起点にして千住に向かっていました。

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