新・駅前そぞろ歩記

久喜
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 1899(明治32)年、北千住・久喜間が開通。東武伊勢崎線の歴史の一歩です。久喜駅はいわば東武鉄道創成期からの駅の一つ。当時の久喜町はその後久喜市となり、2010年(平成22)には菖蒲町、鷲宮町、栗橋町と合併しました。
 久喜駅周辺エリアは市の中心部で、公共施設や商業施設、住宅地が広がっていますが、季節の移ろいを美しい風景で実感できる懐かしい町でもあります。

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 久喜は堀川の多いところ。利根川や荒川の氾濫のたびに肥沃な土壌が形成され、古くから農業が発展してきました。江戸時代から河川改修や用水路の開発が進み、市内には葛西用水路、見沼代用水をはじめとするさまざまな水路が縦横に流れています。その堀川は久喜が都市化されても消えることなく、美しい田園風景の要となっています。
 久喜駅前には中落堀川が東西を貫いています。その流れに沿って西へ行くと、愛宕神社。
住宅街にある小さな神社ですが、狭い境内に鳥居から手水舍、狛犬、拝殿、本殿までコンパクトに配置され、ほっこりした佇まいです。
神社そばの道路は「愛宕通り」で、中落堀川に架かる朱色の欄干の橋は「愛宕橋」。昔からの周辺地区の鎮守ということで、いまも地元の人たちから敬愛されているそうです。
 中落堀川の北側を並行して流れるのは青毛堀川。さらに北側を流れるのが葛西用水路です。葛西用水路沿いの遊歩道はランニングコースとして人気のスポットですが、両岸の往復約10㎞にわたって春はポピー、秋はコスモスを栽培。とくにコスモスの花が咲き誇る秋の景観は見事で、「コスモスふれあいロード」の愛称で親しまれ、見ごろ(10月中旬~11月上旬)には多くの観覧客が訪れます。

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 久喜市内には堀川の水量を調整するための池や沼も多く点在しています。香取公園は、中落堀川の調整池としての役割をそのままに、集まってくる野鳥の観察や、ジョギングなど軽い運動のできる公園として整備されています。園内の大部分が池や低湿地で、野鳥が安心して羽を休めたり巣を作ったりできるようビオトープ環境として整備されています。野鳥観察広場では観察窓を通して、野鳥の生態をじっくり観察できます。
 久喜駅の近くにある有名な寺社を3つご紹介します。甘棠院は古河公方2代足利政氏の館跡で、寺の西と東には空堀がめぐらされ、北には土塁跡も残っています。空を突くような銀杏の木が参詣客を出迎える天王院。その境内にある小さな八雲神社はじつは旧久喜町の総鎮守で、夏の久喜を彩る提燈祭りは八雲神社の祭典です。光明寺では、約1300年前に僧・行基が疫病退散のために薬師如来を安置した伝承にまつわる薬師堂が、ひときわ目を引きます。
 葛西用水路にコスモスが咲くころ──10月15日、久喜駅西口一帯で「久喜市民まつり」が開催されます。パレードや特設ステージ公演、子ども芸能発表会、出店やマルシェなど、皆が楽しめる市民が作る市民の祭りです。

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