1200年の歴史を誇る秘湯「日光湯元温泉」。時の流れを忘れて温泉三昧の旅へ

美肌効果が人気の秘密。奥日光屈指の名湯

「日光の奥座敷」と呼ばれる日光湯元温泉。中禅寺湖の北に位置する湯ノ湖のほとりにある、落ち着いた雰囲気の温泉街です。

奥日光の自然に囲まれたこの地で温泉が見つかったのは約1200年も前。788年に日光を開山した勝道上人(しょうどうしょうにん)が見つけたとされ、それ以来湯治場として利用されるようになり、今に至るまで足を運ぶ人が絶えない名湯として人気を博しています。

泉質は硫化水素型の単純硫黄泉。乳白色でメタケイ酸が多く含まれ、美肌効果が高い温泉です。また、糖尿病・神経痛・慢性婦人病・病後回復期の人にもいい温泉です。

全国でも珍しい「温泉に入れる寺」もある温泉街を歩こう

日光湯元温泉には多くの温泉宿が建ち並び、それぞれが魅力的ですが、温泉街そのものにも楽しみがあります。

「あんよの湯」は入浴料が無料の足湯です。湯元温泉の源泉を引いているので温泉の効果も抜群。湯ノ湖付近の登山をした帰りなどに寄れば、すっと足の疲れが消えていくように感じるのではないでしょうか。

「温泉寺(おんせんじ)」は、世界遺産「日光山輪王寺(にっこうさんりんのうじ)」の別院となるお寺です。日光湯元温泉を見つけた勝道上人が病苦を救う薬師瑠璃光如来(やくしじょうるりこうにょらい)を御本尊として安置したことが温泉寺の始まりとされています。

温泉寺の注目ポイントは、全国でも珍しい「温泉に入れるお寺」であること。江戸時代には管理していた中禅寺上人(ちゅうぜんじしょうにん)と日光奉行の許しがなければ入れなかったという「薬師湯」に入ることができます。

奥日光湯元温泉旅館協同組合

URL http://www.nikkoyumoto.com/

自然あふれる温泉街周辺の人気スポットを訪ねる

日光湯元温泉街のすぐ西側には「湯ノ湖」が広がっています。三岳の噴火によって湯川がせき止められたことによってできた湖です。マス釣りの名所で、5月から9月にかけての解禁期間には、ルアーフィッシングやフライフィッシングを楽しむ人の姿があちらこちらに見られます。湖の周りには散策路があり、のんびりと静かな湖を眺めながら歩くこともできます。

そんな湯ノ湖の南端にあるのが「湯滝」。高さ70m、長さ100mの溶岩の岸壁を水が流れ落ちていきます。華厳の滝、霧降の滝、裏見の滝、竜頭の滝、そして湯滝は「日光五名瀑(にっこうごめいばく)」と呼ばれていて、日光を訪れたらぜひ見ておきたいところ。湯滝周辺はハイキングコースの途中にあり、春になるとツツジやシャクナゲの花が咲きそろうことから、人気のスポットになっています。

湯の滝からハイキングコースを北に行くと、「戦場ヶ原」が見えてきます。その昔、ここで男体山の神と赤城山の神が中禅寺湖をめぐって争ったという神話からその名がつけられました。広さは400haもある湿原で、植物は350種類が自生しています。6月から8月にかけては、ふわふわとした綿毛がてっぺんに乗ったワタスゲや、薄紫の小さなモップのような花をつけるホザキシモツケが見ごろになります。

「光徳牧場」は日光国立公園の一角にあり、広々とした敷地に牛や馬が放牧されている、のんびりとした穏やかな時間が過ごせる牧場です。搾りたての牛乳やアイスクリームが評判で、休日には行列ができるほど。散策路の途中にはかわいいサイズながらも風光明媚な「光徳池」もあり、抜群のロケーションを楽しむことができます。

四季折々でさまざまな顔を見せてくれる、奥日光の自然。あなたはどの季節に行ってみたいですか?

あわただしい日常から逃れて、奥日光の湯元温泉でのんびり

いろは坂をのぼった先、中禅寺湖のさらに奥にある日光湯元温泉。勝道上人の時代から続く隠れた名湯です。こじんまりとした温泉街で、秘湯気分をとことん味わってはいかがでしょう。

周辺にはトレッキングやハイキングのスポットがたっぷり。奥日光の自然を自分のスタイルで心行くまで満喫したいですね。

都会の喧騒から遠く離れた日光湯元温泉。夜になると満点の星空が現れます。時間を忘れて夜空を眺める時間もまたおすすめの一つです。

※2019年11月現在の情報です