地域社会に対して
沿線地域社会は、東武 グループにとって重要な事業の源泉として捉え、お住まいの方・自治体・学校などのステークホルダー と協力 し、利便性の高い施設の提供・沿線特産物の輸送・地域コミュティの創出などの取り組みを展開し、コミュニティの創出・住みやすい地域社会の提供・地域社会の魅力創出に努めています。
鉄道事業を通じた地域活性化
「特急列車を活用した沿線地域特産品の輸送」を開始
東武鉄道では、沿線地域の魅力を発掘し、鉄道輸送を通じて国内外のお客様に届けるため、2024年9月から特急列車を活用した沿線地域特産品の輸送を開始しました。
この取り組みでは、日光産の希少なコシヒカリ「しゃりまんてん」を日光線の下今市駅から東武スカイツリーラインの浅草駅まで特急スペーシアを活用して輸送し、東武ホテルマネジメントが運営する都内終着駅近傍の浅草東武ホテルをはじめとする都内主要ホテルまで届け、レストランで提供しています。トラックではなく特急列車を物流に利用することにより、環境に優しく渋滞もない安定的な輸送も可能となります。
また、「しゃりまんてん」は、その希少性からこれまで販売ルートが限られていましたが、今後本ルートにて年間6tの輸送を目指し、今後の販路拡大にも寄与していきます。
東武グループでは、本取り組みにより、沿線地域の魅力発掘を通じた沿線の活力・価値向上に挑戦することで沿線地域との協創を実現し、鉄道会社における社会的使命を果たしてまいります。
【運送フロー】
「地域活性化」に向け鉄道輸送で支援
2021年8月から、地域活性化に取り組む企業・団体等を対象とした、荷物類を客室スペース等に持ち込める有料手回り品料金制度を導入しました。
本制度を利用した初の取り組みとして、食品ロス削減を目指し、東松山市周辺の農産物直売所で売り切れなかった農産物等を東上線 森林公園駅から池袋駅まで輸送し、池袋駅構内で販売する「TABETEレスキュー直売所」を実施しています。これまでに、延べ77トン(2024年9月末まで)の食品ロスを削減することができました。
さらに食品ロスの削減を進めるため、直売所で販売しきれなかった野菜を「OOC子ども食堂」に寄付し食材として活用しています。
こうして連携した「TABETEレスキュー直売所」事業は、2023年3月に第6回ジャパンSDGsアワード(主催:SDGs推進本部、本部長:内閣総理大臣)において、特に顕著な功績があったと認められる企業・団体等に贈られる「SDGs推進副本部長(内閣官房長官)表彰」を受賞しました。
東武宇都宮線の愛称を「いちご王国」ラインに
2024年6月15日(土)より「いちご王国ライン」(東武宇都宮線)の野州大塚駅がいちごの総合的な研究拠点であるいちご研究所(栃木県農業総合研究センター)の最寄駅であることから駅舎をいちごカラーに模様替えし、且つ副駅名として「いちご研究所」としました。
また、当日は駅舎と駅名看板をお披露目するセレモニー、いちごなどを販売する農産物マルシェを開催するとともに、昨年もお客様に好評でありました東武宇都宮線全線を無料で乗車いただける「東武宇都宮線フリー乗車DAY」を実施いたしました。
これまでも、2023年から栃木県誕生150周年を記念して東武宇都宮線の愛称を「いちご王国ライン」とし、東武宇都宮線を中心に運行されている20400型にいちごのラッピングを施した「ベリーハッピートレイン」の運行や、いちごをイメージしたカラーリングを施した「いちごスペーシア」を運行するなど、栃木県がいちご収穫量日本一であることをPRするため、栃木県と連携して様々な取り組みを今後も行っていきます。
地場産出資材の活用
東武鉄道では、一部駅の壁面などで東武沿線の栃木県産材である大谷石や芦野石を使用しています。こうした地域産材の活用などの取り組みにより、沿線地域の魅力発信・価値向上につなげていきます。
地域産材を駅リニューアルに取り入れた際のPRポスター
鉄道立体化の推進(エリア分断解消によるコミュニティの活性化)
踏切事故を抜本的に解決するとともに、道路渋滞とエリア分断の解消を目指す都市の再生、活性化に寄与するため、現在、沿線4か所において鉄道の連続立体交差事業を推進しています。
事業推進中の4か所
- ・東武アーバンパークライン 清水公園~梅郷駅間
- ・東武スカイツリーライン とうきょうスカイツリー駅付近
- ・東武スカイツリーライン・東武アーバンパークライン春日部駅付近
- ・東武東上線 大山駅付近
自治体と連携したまちづくり
沿線自治体との連携協定
東武鉄道と東武トップツアーズでは、沿線自治体などと「相互の強みや資源を活かした観光地域づくりを協力して推進していくことを目的」とした連携・協力に関する協定を結んでいます。協定を通じこれまで以上に緊密に連携・協力し、沿線価値向上に向けた施策に取り組んでいきます。
※直近の締結状況 2023年3月 埼玉県比企郡小川町 2023年5月 栃木県栃木市、國學院大學(観光まちづくり学部)
産・官・学5者連携によるサステナブルな街づくり
久喜市、東武鉄道、トヨタホーム、イオンリテール、早稲田大学 小野田研究室の産・官・学連携による次世代の街づくりを推進するプロジェクトとして、南栗橋駅前において「BRIDGE LIFE Platform(ブリッジライフプラットフォーム)構想」を策定しました。
また、この5者が緊密に連携し協力するため、「まちづくりに係る連携・協力に関する協定書」を締結し、街づくりを推進しています。
分譲戸建住宅においては、断熱性の高い住まいをベースに、高効率エアコンやLED照明などの省エネシステム、太陽光発電をはじめとする創エネシステムと、それらをコントロールするHEMSを活用。年間のエネルギー消費量(一次エネルギー換算)を正味(ネット)ゼロ以下にすることを目指したZEH(ゼロエネルギーハウス)として計画しています。
なお本プロジェクトは「2023年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)」を受賞しました。
地方・郊外エリアが人口減少や高齢化といった課題を抱える中、本プロジェクトにおいて、産・官・学の垣根を超えて積極的にノウハウを共有し、5者がそれぞれの強みを生かしながら、環境配慮型・次世代型のスマートタウンを実現した点が評価されたものと考えています。
BRIDGE LIFE Platform 南栗橋 夕景
「獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域」でまちづくりを共同推進
東武鉄道は、埼玉県草加市の「獨協大学前〈草加松原〉駅西側地域」において産官学5者連携によるまちづくりに関する協定を2024年5月9日に締結しました。
総面積約54haの本地域において老朽化や住民の高齢化といった課題に対応するべく、多世代が繋がり、学び、誰もが活き活きと暮らせる未来を育む「WELL BIND(ウェルバインド)」をコンセプトに各者が連携を図ります。また、5者が住民や事業者、地域団体との連携を通して、ソフト面でも継続的なにぎわいと交流を創出し、本地域の活性化に資することを目指したまちづくりを行っていきます。
沿線自治体と連携したファミリー層の「住み替え」支援
シニア世帯が所有する住宅を借り上げ、子育てファミリー層などに貸し出す「住み替え支援事業」を行っています。本事業は、東武鉄道が住みかえ支援機構(JTI)の実施する「マイホーム借上げ制度」に参画する形で展開しています。
さらに、子育て世帯等の埼玉県内への住み替えを促進し、沿線地域の活性化を図ることを目的として、埼玉県と相互連携に関する協定を締結し、県と連携した広報活動や住み替え、移住希望者向けの相談会イベント等を実施し、住み替えニーズをとらえた暮らしのサポートを推進しています。
ライフスタイルにあわせたサービスの提供
子育て支援施設併設マンションの供給
2020年1月に竣工した賃貸マンション「ソライエアイル練馬北町」は、東武鉄道として初めて「東京都子育て支援住宅認定制度」の認定を取得しました。
本制度は、入居者の安全性や家事のしやすさなどに配慮した住宅であり、子育てを支援する施設やサービスの提供など、子育てしやすい環境づくりを行っている優良な住宅であることを東京都が認定するものです。
本物件には、ドアの指はさみ防止やベビーカー置き場、動線や広さに配慮した間取りを取り入れ、入居者にベビーシッターサービスの無料枠を提供するほか、共用部にはキッズルームを設置し、子育てしやすい環境づくりを行いました。
また、非常食の循環システム付き宅配ロッカー「イーパルボックス」を民間住宅として初めて導入しました。平常時には、日常食として自動販売し、地震発生時には、揺れを感知して自動的に備蓄BOXが開放される仕組みであり、商品は週1回補充することでローリングストック(非常食の循環)が可能となります。
駅チカ保育施設の開設
2012年から保育施設の誘致を進めており、東武鉄道の駅チカ保育所は東武線全線で合計18か所になりました。
江戸川台保育施設
「TOBU POINT子育て応援プログラム」の充実
東武グループでは子育て世代が親子でお出かけしやすいよう、「TOBU POINT子育て応援プログラム」を導入しています。これは、ご家族で鉄道に乗ってお出かけいただく機会を増やし、家族の絆を深めていただきたいという想いから開始したものです。東武グループでは、このような取り組みを通じて子育て世代を応援し住み続けたい沿線づくりを行うことで、定住人口の増加を目指してまいります。
「TOBU POINT子育て応援プログラム」は以下2つのサービスを実施しており、TOBU POINTにPASMO番号や東武カード(クレジットカード)をご登録いただくことで、どなたでもサービスを受けることができます。
1. 親子でお出かけポイント
TOBU POINTに登録したPASMOで対象期間に親子でいっしょに東武線をご利用いただくと、お子さま分の東武線運賃全額相当のTOBU POINTをポイントバックします。これにより、親子でいっしょにお出かけする際には、お子さまは実質無料で東武線をご利用いただけます。
2. 小児通学定期券ポイント
TOBU POINTに登録した東武カード決済により お子さまの小児通学PASMO定期券を購入いただくと、東武線運賃全額相当分をTOBU POINTでポイントバックします。これにより、東武線内は小児通学定期券を実質無料でご利用いただけます。
東武グループでは本プログラムをはじめとした子育て世代の応援を通じて、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現を目指し、沿線地域社会とともに持続的な発展を推進してまいります。
シニア向け住宅の整備・供給
2021年6月に竣工した「岩槻駅前ビル」は、賃貸マンション「ソライエアイル岩槻」とサービス付き高齢者向け住宅・クリニック・コンビニエンスストアが一体となった複合施設となっています。
賃貸マンション「ソライエアイル岩槻」とサービス付き高齢者向け住宅はそれぞれペットとの共生をコンセプトとしており、両物件の入居者が共用することのできるドッグランを設置することで、ペットとの共生を通じて多世代交流の促進を図っています。
ソライエアイル岩槻
在宅勤務対応型分譲住宅の供給
在宅勤務に対応した住宅の供給を進めています。2023年に分譲した戸建住宅「ソライエ清水公園アーバンパークタウン」では、「テレワークスペースのある家」や「シアターピットのある家」など1邸ごとにコンセプトを設けており、「テレワークスペースのある家」では、落ち着いた環境でリラックスして仕事に取り組めるよう、居室レイアウトを配慮した間取りを提供しています。
また、分譲マンション「ソライエ新鎌ケ谷」、「ソライエ若葉ステーションヴィラ」は共用部にワークスペースを設け、居住空間とは別の場所で集中して働くことができる空間を提供しています。
今後も新しい生活様式に応える住宅を企画・供給していきます。
ワークスペース付き賃貸マンションの供給
2021年3月に東武鉄道初となるワークスペース付き賃貸マンション「ソライエアイル草加」「ソライエアイル新河岸」の賃貸を開始しました。
また、2022年7月には共用スペース及び一部居室内にワークスペースを設置した「ソライエアイル越谷蒲生」の賃貸を開始し、「暮らす」と「働く」が融合する空間を提供しています。
ソライエアイル越谷蒲生
サテライトオフィスの開設
東武鉄道では、沿線にて職住近接の環境を整えることで、より暮らしやすいまちづくりを目指して、2020年6月に、郊外型サテライトオフィス「Solaie +Work(ソライエ プラスワーク)」を開設しました。店舗型オフィス6施設(草加松原・ふじみ野・鎌ケ谷・朝霞台・坂戸・銀座)のほか、駅BOX型サテライトオフィス「EKI DESK(エキデスク)」を北千住駅など13駅に設置し、時間と場所にこだわらない働き方をサポートしています。
EKIDESK
「2拠点生活」での新しいライフスタイルを提供
東武鉄道では、東武日光線新古河駅前の所有地に、アグリメディア社が展開する滞在型貸し農園「畑住処(はたすみか)」を誘致し、新しいライフスタイルを提供しています。
これは、価値観の多様化やライフスタイルの変化により、都心だけの生活にこだわらない2拠点生活への関心が高まっていることを受け、「貸し農園事業のノウハウを持つ」アグリメディア社と、「都心部と郊外をつなぐ」東武鉄道が連携することで、都心部と郊外で農のある2拠点生活を実現し、新たなライフスタイルを提供するものです。
地域に開かれたコミュニティ拠点の創出
東武鉄道では、2024年3月、埼玉県草加市において従業員住宅をリノベーションした賃貸住宅・店舗に広場と農園を併設した複合施設『ミノリテラス草加』を開業しました。
本施設は、ファミリー向け賃貸住宅44戸、店舗4区画、地域の皆様も利用いただける広場および農園から構成されており、「人とつながる・地域とつながる まちのリビング」をコンセプトに、地域に開かれたコミュニティ拠点を目指します。
本施設の開業により、入居者ならびに地域の皆様が生きがいやゆとりを実感できる暮らしを提供することで、地域社会および東武鉄道沿線の活性化とさらなる価値向上に努めていきます。
地域とのコミュニケーション
「東武グループ社会学習応援プログラム」を提供
「東武グループ社会学習応援プログラム」は、社会に不可欠なインフラである鉄道や東京スカイツリー®について、実地体験として学んでいただく機会を創出し、安心・安全な鉄道輸送を支える車両の仕組みや世界一の高さを誇る電波塔である東京スカイツリーの仕組み、東京スカイツリータウン®に集積する最先端技術等の理解を深めるとともに、東武沿線に対して愛着や誇りを感じていただくことを期待し実施しています。
このプログラムが学校教育充実の一助となり、沿線地域の次代を担う子供たちが沿線を中心に活躍することで、地域の持続的な発展につながっていくことを願っています。
東武鉄道杯の開催
次世代を担う健全な青少年の育成活動への支援と沿線地域への社会貢献活動の一環として、東武鉄道杯少年野球・少年サッカー大会を東武グループ社員などのボランティアで開催しています。2008年度の開始以降、2022年度までの大会参加者(選手、指導者、ボランティアスタッフ)は延べ7万名を超えています。この取り組みが評価され、東武鉄道は東京都から「東京都スポーツ推進企業」として、2015年度の制度開始以降、継続して認定されています。また、スポーツ庁から「スポーツエールカンパニー」として、2017年度の制度開始以降、継続して認定されています。
東武沿線子ども体験プログラムを提供
「東武沿線子ども体験プログラム」とは、休日のお出かけ先のマンネリ化や、移動手段の制約など、都会の子育て世代の抱える課題と、地域の魅力発信などに課題を抱える郊外地域の両者をつなぎ、東武グループが新たなアプローチで課題解決を図ろうとするプログラムです。
小学生のお子様とそのご家族を対象とした体験プログラムとすることで、自然、農業、文化、科学など、地域の方々との交流を通じて、学校やインターネットでは得られない「遊び」を通じた「学び」を提供します。
2023年度は、一般社団法人足利市観光協会と協力し、栃木県足利市名草地区において、山と川を散策するネイチャーゲーム、稲刈り、かまどご飯づくりなどが体験できるプログラムを計3回設定、延べ約100人のお客様にご参加いただきました。今後も関係者と連携しながら、子育て世代に対して様々な取り組みを実施していきます。
安全教育の提供
鉄道部門では、駅や乗務管区などの現業長が中心となり、沿線の小学校において安全教室を行っています。鉄道に関する安全、事故防止及び車内マナーの啓発を目的として、踏切の渡り方や電車の乗り方などを楽しく、わかりやすく説明し、児童たちとのコミュニケーションも図っています。
また、東武グループのバス各社では、地元の小・中学校において、公共交通機関としてのバスの役割を伝え、事故防止・交通安全の啓発を行うことを目的とした安全教室や就業体験の受け入れを行い、児童・生徒たちとのコミュニケーションを図っています。
環境教育の提供
東武線各職場の現業長などが、沿線の小学校において講師を務め、「人と環境にやさしい鉄道」と題した授業を行っています。
また、2004年から毎年「こども版社会環境報告書」を発行し各駅等で配布してきましたが、2019年よりweb化し、キッズサイト「と~ぶキッズ」で公開しています。こども部屋の本棚をイメージしたページになっており、"鉄道"を切り口にお子さまにも楽しみながら環境について学んで頂ける内容となっています。
「鉄道の歴史と文化を学ぶSL学習会」を開催
東武鉄道では、2024年6月と9月に日光市内の小学生を下今市駅に招き、鉄道の歴史と文化を学ぶSL学習会を初めて実施しました。
当社では日光・鬼怒川エリアの観光活力創出による地域活性化を目指して2017年からSLの運行を開始し、地域の皆様に支えられて同年8月に7周年を迎えました。
このSL学習会は、SL展示館の見学やSL乗車体験を通じて歴史や伝統・文化を実感することで、鉄道産業文化遺産や地域活性化の取り組みについての理解を深めていただくとともに、自動改札機や自動券売機等の駅設備の見学や駅の仕事見学を通じて、現代の鉄道についても学べる内容です。SLを通じて鉄道の歴史や文化を学び、鉄道に親しみを持っていただくことで将来の鉄道ファンを作ることを目的として、小学校と連携して実施いたしました。
視覚に障がいのあるお客様への対応教育及び体験会の開催
2023年2月、視覚に障がいのあるお客様への対応教育を実施しました。
本教育は、視覚障がい者団体と協力し、駅のプラットホームや列車内等の鉄道関連施設において、視覚に障がいのあるお客様の行動の特性や、ご案内するうえでの注意点等を理解するための社員教育の一環として実施したものです。
当日は、視覚障がい者団体及び沿線の盲学校の生徒の皆さんに、ご協力いただき東武宇都宮駅・鉄道関連施設において、社員への教育を実施したほか、実際に視覚に障がいのあるお客様に通常時は体験できない線路内歩行や列車のドアに白杖が挟まった状態を体験するなどの機会を提供し、相互に理解を促す教育として実施しました。
また2024年2月には、視覚に障がいのあるお客様向けに鉄道施設利用の体験会を実施しました。
本体験会は、視覚に障がいのあるお客様および歩行訓練士を迎え、実車および訓練線の設備を使用し、通常時では体験できない非常梯子を使用した乗車、降車体験や模擬踏切道での歩行訓練士による歩行体験や脱出体験などの機会を提供し、相互に理解を促す目的として実施しました。
生活環境への配慮
車両関係(防音車輪・滑走防止装置)
防音車輪
列車走行時の騒音にはレールと車輪間で発生するものが多く、カーブ区間通過時に発生するキシリ音がその代表例です。キシリ音発生のメカニズムはレールと車輪がこすれ、車輪が微細に振動することで、高い周波数の音を発生させるものです。キシリ音を低減するために、車輪の振動を抑制する構造の「防音車輪」を導入しています。現在、防音車輪の導入率は100%です(70000系操舵軸の車輪を除く)。
防音車輪
滑走防止装置
雨天時などレールが滑りやすい状態で急ブレーキをかけると、車輪がロックされた状態でレール上を滑走し、車輪に「フラット」と呼ばれる平面状の部分ができます。このフラットが、騒音・振動の要因となるため、その対策として滑走を検知して、ブレーキを加減する滑走防止装置の導入を進めています。
軌道関係(高架区間における防振・防音対策)
高架区間における防振対策として、各高架化工事において、弾性枕木直結軌道を採用し、併せて消音バラストを散布することで騒音の低減を図っています。また、竹ノ塚ではレール重量を1mあたり60kg(従来は1mあたり50kg)とし、さらなる振動の低減に努めています。
防音対策として、高架橋の外側に遮音壁(高欄)を設置し、列車が通過する時に発生する騒音の低減を図っています。
弾性枕木直結軌道
施設新設・改良・大規模工事関係
鉄道事業における「とうきょうスカイツリー駅付近高架化」等の大規模な改良工事や「ソライエグラン流山おおたかの森」等の大規模な分譲マンション建設に伴う、杭打ち工事や地盤補強として打ち込んだ鉄製の板を引き抜く工事等を行う際、重機については、油圧を用いた低騒音・低振動の機械や、国土交通省より認定を受けた低騒音型の機械を使用することで、騒音や振動の低減を図っています。
また、日頃から清掃などを行うことで、粉じんの飛散防止に努めています。
低騒音型の重機
企業情報
サステナビリティ
- サステナビリティへの考え方
- サステナビリティへの考え方
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- 環境負荷低減に向けた取り組み
- 基本的な考え方
- 気候変動に対して
- CO2排出量削減
- 再生可能エネルギーの活用(PPAなど)
- 森林資源・水資源の保全と生物多様性の維持
- 環境負荷データ
- 東京都地球温暖化対策報告書
- グリーンボンド
- 社会環境報告書(2023,2022,2021)
- 南栗橋工場におけるISO14001
- ステークホルダーへの取り組み
- 基本的な考え方
- お客様に対して
- 地域社会に対して
- サプライヤーエンゲージメント
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンスについて
- コーポレート・ガバナンスに関する報告書