従業員とともに

人材戦略

 当社グループは、広域な鉄道ネットワークに広がる沿線地域を事業基盤として「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現を目指しており、そのために必要な人材とは、当社グループ経営理念「奉仕」「進取」「和親」を行動原理として、自ら考え自ら行動し、新たな分野にも挑み、街と街、人と街など、さまざまな「つなぐ」ビジネスモデルを実現できる人材であります。
 また、このような人材の活躍を促すためには、安全技術のように、長期にわたって継続的に磨き込んでいく能力と、刻々と変化する事業環境の下で新たな商品・サービス提供によって価値を創造することのできる能力の両面を育てていく必要があります。
 この基本的な考え方を人材育成方針及び社内環境整備方針に反映させ、今後も多様な社員の「能力と可能性」の向上をはかり、企業価値の持続的向上を目指してまいります。




経営計画の体系

人材戦略

 当社グループの事業環境は、インバウンドや外出需要などが回復傾向にある一方、働き方の変化、価値観の多様化や急速なデジタルシフトの進展などにより大きく変化しております。そのような環境における当社グループの中長期的な経営の方向性は、事業環境やニーズの変化を進取する『挑戦』と、グループ内外を問わず関係者との協力や連携で価値を創出する『協創』により、基盤である沿線の持続的な発展とともに、鉄道事業に加え、非鉄道部門における成長事業の拡大によるグループ全体の利益維持・向上であると捉えております。
 この「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」という長期経営ビジョンのもと、10年後を見据えた経営戦略及び中期経営計画の実現においては、重点戦略(成長戦略)で掲げる 「人的資本の強化」は、事業推進の原動力として不可欠な取組みであると考えております。
そこで、求める人材像を明確にし、それに資する社員育成の基本的な考え方を「人材育成方針」に取りまとめるとともに、求める人材の育成に必要となる社員支援の考え方を総括した「社内環境整備方針」を整備し、この方針のもと、「会社と社員の絆・エンゲージメントの向上」と「生産性向上」との連動により、社員および組織のパフォーマンスの最大化を目指す「人的資本強化」に向け、さまざまな具体的取組みを推進してまいります。

人材育成方針

東武グループ経営理念を行動原理とし、事業と地域社会の持続的成長を担う
自ら考え自ら行動できる人材の育成

求める人材

 既存事業をさらに磨き上げることによる「信頼」と、変革を恐れない新たな発想による「価値創造」により、ビジネスチャンスの開拓を地域社会の持続的成長につなげていく人材

求める人材に必要な共通コンピテンシー(行動特性)

  1. (1)[安全・安心] 東武グループ各事業の信頼獲得
  2. (2)[自覚・自律] 自らの能力最大化による自己実現と組織貢献
  3. (3)[対話・洞察] お客様や社員等との対話を通した課題発見
  4. (4)[受容・変革] 多様性やニーズを受容した新たな発想
  5. (5)[協働・共創] 周囲を巻き込んだオンリーワンの価値創造

社内環境整備方針(求める人材の育成に必要となる社員支援の考え方)

(方針-1) 時代に即した変化を促す人材育成への支援
安全や技術の伝承を通して専門分野を伸ばしながら他分野との連携ができる人材育成への支援と、企業環境の変化に柔軟に対応し、価値創造できる人材育成への支援をはかります。
(1)安全や技術の伝承  (2)管理監督者層(次期管理監督者層含む)支援  (3)自律的なキャリア形成支援

(方針-2) 安心して働き、能力を発揮し続けられる働き方整備
ダイバーシティ&インクルージョンの推進とともに、社員一人ひとりが個人の属性やライフステージにかかわらず、お互いを尊重しあい、安心して働きやすく、能力を最大限に発揮できる働き方を整備してまいります。さらに社員の健康維持・増進の取組みを行い、働きがい向上を通じた更なる価値の提供を目指します。

指標及び目標

指標 目標 2023年度実績
1.人材育成・自律的な
キャリア形成支援
〇安全教育に資する模擬訓練施設の活用状況 毎年度継続実施
対象社員数50%以上
88.5%
(5,134名受講)
〇対話スキル(傾聴・1on1)研修実状況 2023~2025年度で
課長補佐・現業長級
対象者全員受講
79.2%
(206名受講)
〇「グループ会社管理監督者支援研修」実施状況 ※1 毎年度継続実施 20名
(17社)
〇「手挙げ式研修」のグループ会社社員への拡大 ※1 全参加者の50%以上 46.7%
(589名/1,260名)
2.ダイバーシティ&
インクルージョン推進
〇ダイバーシティ&インクルージョン・テーマ教育実施状況 対象者全員年1回、
継続実施
2024年度より実施
〇両立サポート面談によるキャリア支援 毎年度継続実施 40名
〇障がい者雇用率 法定雇用率(2.5%)を
上回る水準の継続
3.35%
(2023.6.1現在)
3.人的資本の最適化・
制度設計
〇多様な知識・経験を
持つ人材の獲得
採用チャネルの拡大・
獲得(新卒採用によらない人材の獲得)
22.6%
〇再雇用への移行率 100%に近い水準の継続 88.6%
〇配偶者出産休暇取得率 100%に近い水準の継続 92.0%
4.健康経営・
ウェルビーイング推進
〇定期健康診断受診率 100%の維持 100%
〇ストレスチェック
実施率
100%に近い水準の継続 96.7%
〇1人当たり有給休暇取得日数※2 20日以上の取得 22.9日

※1 当社グループ全体における指標及び目標。
この2つの項目以外は、当社及び主に鉄道事業に係る業務を担務する東武ステーションサービス㈱・東武エンジニアリング㈱・東武インターテック㈱・東武シェアードサービス㈱における指標及び目標。
なお、障がい者雇用率については、㈱シンフォニア東武(特例子会社)を含む指標及び目標。

※2 年次有給休暇のほか、当社独自の有給休暇制度を含む1人当たりの取得日数を記載。

具体的な支援の成果

2023年度に実施した具体的な支援の成果として、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、とりわけ出産・子育てを経ても安心して働き続けられる「両立サポート」を継続して実施したことにより、2024年2月に「プラチナくるみん」を認定取得いたしました。また、多様な人材の活躍を目指す上で、職場の要となる全管理職層211名を対象に、求められる思考や対話スキルを習得する「D&Ⅰ 推進プログラム研修」を実施し、意識改革・行動変容の促進に努めました。さらには、健康経営の観点から、健康投資施策の取り組み状況が評価され、2024年3月に「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」を認定取得いたしました。