日光のゆばは「湯波」と書く! 名物ゆばの楽しみ方と名店ガイド

厚みのある二枚仕立ての日光ゆばを味わう

日本のゆばは、1200年前頃に最澄が中国から仏教とともに持ち帰ってきたのが始まりといわれています。初めは京都の延暦寺に伝わり、その後日本全国に精進料理として広がっていきました。現在の日本を代表するゆばの特産地は日光と京都であるといわれますが、それぞれ製法に違いがあり、漢字の書き方も、京都のゆばは「湯葉」、日光のゆばは「湯波」と書きます。

ゆばは豆乳を加熱したときにできる薄い膜をそっとすくい上げて作りますが、京都のゆばは膜の端に串を入れて引き上げる一枚仕立て、日光のゆばは膜の中央部分に串を入れて二つに折るような形で掬い上げるので間に豆乳が残り、やや厚みのある二枚仕立てになります。

ゆばは、良質なたんぱく質やカルシウム、鉄分などが豊富な上に、低カロリーで消化も良い食品です。始めは精進料理として広まりましたが、現在では家庭料理や料亭などでも好んで食されています。わさび醤油やポン酢をつけて食べるほか、味噌汁や鍋などの料理に入れても美味しくいただけます。

工場見学でゆばの引き上げを体験

「日光ゆば製造 日光工場」は栃木県内で唯一、ゆば作りの見学とゆばの引き上げ体験、試食を行なっている工場です。厳選された良質な大豆ときれいな清流の水を利用し、日光の特産品である「日光ゆば」を作っています。

工場見学では、約30分をかけてゆばの歴史や京都のゆばとの違い、ゆばの製造工程などの説明を聞きながら回ります。引き上げ体験では、専用のミニチュアゆば槽で実際にゆば作りを行います。また試食コーナーでは、できたての生ゆばなどを食べることができます。併設された売店では、豊富なラインナップのオリジナルの商品を取り扱っています。

日光ゆば製造

URL https://nikkoyuba.net/

日光ゆばを楽しめる名店3店

ここでは、東武日光駅から歩いていける「日光ゆばを楽しめる名店」を3店紹介します。

「揚げゆばまんじゅう本舗 さかえや」は、東武日光駅から徒歩わずか30秒とアクセス抜群。ゆばを用いたまんじゅう屋さんです。昭和33年に創業したこのお店は、栃木のものづくりを代表する企業を認定する「栃木県フロンティア企業」に認証され、多くのメディアにも登場している有名店。良質な日光ゆばを使ったオリジナル商品の揚げまんじゅうは、日光のお土産にも最適です。日光の天然氷を使用した日光産いちごのかき氷もあります。

「割烹 与多呂(よたろ)」は、東武日光駅から徒歩で15分ほどのところにある割烹。特上の国産大豆を使用して作られる老舗ゆば店「海老屋」のゆばを使った本格懐石が味わえます。12品の豪華な御膳「本格懐石湯波料理(男体)」がお店の一押しメニュー。気軽に楽しみたい人には湯波ランチがおすすめです。

「元祖日光ゆば料理 恵比寿屋」は、東武日光駅と日光東照宮の中間地点にある老舗のゆば料理店です。創業100年を超える趣のある建物の大広間でゆったりとゆばづくしのコースを味わえます。生ゆばの刺身やゆばの天ぷら、ゆばのお吸い物など、ゆばの美味しさを存分に堪能できます。

揚げゆばまんじゅう本舗 さかえや

URL http://www.sakaeya.net/

割烹 与多呂(よたろ)

URL http://www.nikko-yotaro.com/

元祖日光ゆば料理 恵比寿屋

URL http://www.nikko-ebisuya.com/

ヘルシーで美味しい日光ゆばの伝統を味わう

日光を訪れたら、観光地巡りを楽しむのもいいですが、ぜひ日光名物のゆばを堪能してみてください。京都のゆばとは一味違い、「日光湯波」は肉厚の二枚仕立て。工場見学で歴史や作り方をしっかりと学びながら食べるのも良し、割烹でゆばづくしのコースを味わうのも良し。さらにゆばを使った特産品をお土産に持って帰っても喜ばれます。それぞれの楽しみ方で「日光湯波」を楽しんでください。

※2019年12月現在の情報です