新・駅前そぞろ歩記

中央前橋
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桐生線と特急「りょうもう」の終着駅の赤城駅は上毛電気鉄道(通称 上電)との接続駅でもあり、ここから前橋市に行くことができます。桐生市と前橋市を結ぶ上電は赤城南麓を東西に横断する全長25・4㎞の鉄道。無料でマイ自転車を車内に持ち込める「サイクルトレイン」や、車内外をさまざまにラッピングする「デコトレイン」など、ユニークな鉄道です。

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赤城駅から中央前橋駅に向かう上電の車窓からは、裾野の長い赤城山の景色が続きます。途中の大胡(おおご)駅の電車庫は国の登録有形文化財で、昭和3年の開業時に走ったレトロな車両が顔を見せています。赤城駅から終点・中央前橋駅へは、約40分で到着。昔ながらの硬券に鋏(はさみ)を入れてもらいます。

群馬の県庁所在地である前橋市は、豊かな自然環境の中で多くの詩人を輩出したことから「水と緑と詩(うた)のまち」と謳われています。それを象徴するスポットが「広瀬川詩(うた)の道」。広瀬川に沿った遊歩道にはケヤキやヤナギの木が連なり、萩原朔太郎をはじめ前橋ゆかりの作家たちの詩碑や彫刻が並ぶ、潤いと安らぎの文学散歩道なのです。

そして広瀬川の畔(ほとり)に建つのが前橋文学館。日本近代詩の父・萩原朔太郎の作品と生涯を紹介し、自筆原稿や愛蔵品などを常設展示しています。また山村暮鳥(ぼちょう)や伊藤新吉、萩原恭次郎など前橋出身の詩人たちの資料も展示。前橋市が贈る萩原朔太郎賞の受賞者展も開催しています。館内の壁に詩の一節が象徴的に描かれたり、朔太郎の詩を朗読と音楽と光によって表現した人形劇で再現するボックスシアターなど、詩を立体的に味わうことをめざした施設になっています。

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前橋文学館と広瀬川を挟んだ対岸には萩原朔太郎記念館。朔太郎の生家にあった書斎、離れ屋敷、土蔵を移築復元しています。

広瀬川を後にして県庁へ向かって歩きます。オフィスビルや官公庁が並ぶ県庁前通りはケヤキ並木が美しく、群馬県都の風格あり。通りから裏手に入るとゴシック様式の前橋カトリック教会が姿を見せます。現在の聖堂は昭和7年に竣工、国の登録有形文化財に認定されています。聖堂内も公開されているので、厳(おごそ)かな祭壇や美しいステンドグラスを鑑賞することができます。

県庁通りの突き当たりにそびえるのは高さ約154mの群馬県庁舎。32階は展望ホールです。この地はかつて関東七名城の一つに数えられた前橋城の跡。現在は城郭の一部が前橋公園として整備されています。前橋公園は利根川を眼下にし、榛名(はるな)山・浅間山・妙義(みょうぎ)山の山並みを望む絶景の場所に広がっています。園内には鶴舞う形の「さちの池」や中央児童遊園(るなぱあく)などがあり、市民の憩いの場として親しまれています。公園に隣接するのは、江戸時代に松平家が前橋城主だったことに由来する前橋東照宮。現在は創建400年を記念した「令和の大改修」が行われていましたが、参拝は受け付けています。

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