新・駅前そぞろ歩記

西新井・大師前
西新井・大師前

西新井駅を発車した電車が約1キロの高架をとことこ走って2分後に大師前駅に到着。はい終点です。東武大師線は全国屈指の「距離が短い路線」。もともとは伊勢崎線(西新井)と東上線(板橋)を結ぶ計画「西板線」の一部だったのですが、関東大震災のために計画は白紙に。西新井・大師前の2駅だけが1931(昭和6)年に開業し、大師線へと改称されました。昨年末に開業90周年を迎えた大師線の2駅を訪れました。

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西新井・大師前
西新井・大師前

西新井駅の西口側にはかつて東武鉄道の電車の検査や整備をする西新井工場が広がっていましたが、南栗橋に新工場が完成したことで2004(平成16)年に廃止。跡地には大規模マンションが建ち、「亀田トレイン通り」と名付けられた道路を挟んで亀田トレイン公園ができました。そこには東武鉄道寄贈の車輪のモニュメントがあり、当時を偲んでいます。

そして西新井駅東口側には「子どもたちの興味とことん追求」をテーマにした体験型複合施設・ギャラクシティ。こども未来創造館では国内最大級のネット遊具やクライミング、体を使ったデジタルゲームなど、いろいろな体験を通して遊びながら学べるアトラクションが盛りだくさんで、子どもの知的好奇心を満たすイベントプログラムも充実しています。

まるちたいけんドーム(有料)は、東京23区最大のプラネタリウム。最新鋭のデジタル技術を駆使した投影機材が映し出す全天周映像は、これまでにない臨場感を体感することができます。昭和のプラネタリウムを知る世代からすると、異次元の宇宙が目の前に。生解説番組「ほしぞらさんぽ」「今夜の星空」などプログラムも豊富。親子で半日でも一日でも楽しく過ごせるギャラクシティには、ランチやティータイムを楽しむカフェもあります。

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西新井・大師前
西新井・大師前

西新井駅から大師線の電車に乗ります。いま大師線では昭和30年代をイメージした緑色の車両も運行していますが、これは西新井大師の名物に因んだ「草だんご列車」の愛称で地元の方々から親しまれています。一方、大師線では鉄道の自動運転に向けた検証試験が予定されていて、添乗員付き自動運転の実現を目指しています。昭和レトロと令和の最先端を併せ持つ大師線なのです。

大師前駅を一歩出ると、もうそこから西新井大師の境内が始まります。正式名称は五智山(ごちさん)遍照院(へんじょういん) 總持寺(そうじじ)──西新井大師は、佐野厄除け大師、川崎大師と並ぶ関東厄除け三大師として知られています。悪疫に苦しむこの地の人々を救うため弘法大師(空海)が21日間の祈祷(きとう)を行った由。すると堂の西側にあった枯れ井戸から清らかな水が湧くとともに悪疫が消えた、というのが「西新井」の由来。というわけで西新井大師は厄除けの霊場で、広い境内中央に建つ大本堂では護摩祈願が毎日行われています。境内を巡れば数多くの諸堂諸仏。山門へ続く参道もまた昭和の風情が残っています。弘法大師がヨモギを煎じて病人に飲ませると回復したという伝説から、西新井大師名物となった草だんご。現在は3店舗がその味を競っています。

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