ご神体は男体山! 日光の氏神様「二荒山神社」

日光山信仰が今も息づく、伝統ある神社

日光山二社一寺のうち、日光東照宮と日光山輪王寺に挟まれるような位置に本社(拝殿)があるのが、日光二荒山神社です。標高2486メートルの霊峰「男体山(二荒山)」をご神体としており、古くから日光における信仰の中心となってきました。

日光二荒山神社の本社がいつ建てられたのかははっきりしておりませんが、勝道上人(しょうどうしょうにん)が767年に日光山を開基したという記録がもっとも古いものとして残っています。現在の本社や社殿は江戸幕府の2代将軍徳川秀忠の発願により建てられたもので、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

ご祭神は「大己貴命(おおなむちのみこと)」、「田心姫命(たごりひめのみこと)」、「味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)」の親子3神です。二荒山神社の境内は日光連山を含む3,400ヘクタールの広大な敷地で、男体山の山頂に「奥宮(おくのみや)」、中禅寺湖のほとりに「中宮祠(ちゅうぐうし)」、山内に本社がそれぞれ鎮座しています。

毎年4月13日から17日にかけては、例祭の「弥生祭」が行われます。神護景運(じんごけいうん)年間(767~770年)から続くとされるこのお祭りのクライマックスは、16日と17日に門前の11町の花家体(はなやたい)が練り歩く「各町家体繰出し」。栃木県の県花「ヤシオツツジ」があしらわれた約500kgの家体が、勢いよく参道を駆け上がります。間近で見れば圧倒されること間違いなしです。

関東屈指のパワースポット? 縁結びのご利益も

日光のパワースポットというと何と言ってもお隣の日光東照宮が有名ですが、実は日光二荒山神社も知る人ぞ知る関東屈指のパワースポットです。

太古の昔からご神体としてあがめられている男体山をはじめとして、日光連山には山々の強いエネルギーが流れているとされ、日光二荒山神社の建物などはその流れの上に立っていると言われています。奥宮や中宮祠、本社はやはり強いパワースポットとのこと。また「二荒霊泉」は、日光二荒山神社の裏手にある恒霊山の洞窟の「薬師の霊泉」と日光二荒山神社の別宮である滝尾神社境内の「酒の泉」が流れ込んだ水で、飲むと眼病が治ったり若返ったりすると言い伝えられています。

さらに、日光二荒山神社は縁結びのご利益でも有名です。滝尾神社の境内に生えている笹にお祈りをすると、恋愛だけでなく仕事や日常の人間関係でも良縁に恵まれるご利益があるそう。この神社のご祭神の大己貴命は縁結びの神様「大国主大神(おおくにぬしのかみ)」と同一とされているので、そのご利益にも納得です。

二社一寺への架け橋「神橋」とは

日光二荒山神社、日光東照宮、そして日光山輪王寺の二社一寺がある日光山内は神仏が宿る神聖な場所ですが、その日光山内に沿うように流れる大谷川に架かり、聖域への入り口の役割を果たしていたのが「神橋(しんきょう)」です。橋板の長さは26.4メートルで、幅は7.4メートル。川から10.6メートルの高さにあるアーチ形の木造反り橋です。

神橋は「蛇橋(じゃばし)」とも呼ばれています。勝道上人が日光山を開こうとした際、大谷川の激しい流れに立ち往生しました。そこで神仏に祈ったところ、蛇王権現が2匹の蛇を使わし橋を渡しました。それが神橋であるという伝説によるものです。

日本三大奇橋の1つともされる神橋。渓谷地に架けられる「はね橋」の形式の橋としては日本で唯一の古橋であり、1999年2月にユネスコの世界遺産に登録されました。有料で実際に渡ることもできますので、聖域へと足を踏み入れる感覚をご自身の足で感じ取ってみてはいかがでしょうか。

日光の歴史とご利益を感じる旅へ

男体山そのものがご神体という日光二荒山神社。いにしえの時代から信仰の聖地として育んできた自然と伝統が、今も確かに守られています。実際に訪れてみると、日光の自然と聖域の持つ大きな力が私たちの人生に感動や発見を与えてくれることを、理屈抜きに感じられのではないでしょうか。

ぜひあなたも、日光のこれらのパワースポットを訪ね、その歴史とご利益を体いっぱいに感じてみてください。

日光二荒山神社

URL http://www.futarasan.jp/

※2019年10月現在の情報です