汽笛の音に旅気分もUP! SL大樹でレトロ気分を味わう旅へ

下今市駅から鬼怒川温泉駅までの12.4kmを疾走する往年の名SL

「SL大樹」は東武鉄道が2017年8月10日に復活させたSL列車です。このSL復活のプロジェクトは、鉄道産業文化遺産の保存と活用、日光・鬼怒川エリアの活性化、東北復興支援の一助を目的として進められました。蒸気機関車から電車に主役が交代した今も現役で走るSLは全国各地で根強い人気を博していますが、特にこの「SL大樹」は大きな人気を誇っています。

SL大樹の走行区間は、栃木県日光市の下今市駅から鬼怒川温泉駅までの12.4km。起点となる東武鬼怒川線下今市駅は、都心から特急列車で約2時間の距離です。

「大樹」という名前は、世界遺産・日光東照宮に祀られている徳川家康の別称でもあり、また自立電波塔としては世界一の高さである東京スカイツリー®を想起させることから付けられました。さらに、この復活プロジェクトが強く大きく育ってほしいという思いも込められているそうです。SLのヘッドマークは、3つの「動輪」に「大樹」の文字を重ね、徳川の家紋である「三つ葉葵」をイメージさせるデザインとなっています。

昭和レトロな雰囲気を存分に味わう。車内でのお楽しみも盛りだくさん

下今市駅からSL大樹に乗車すると、鬼怒川温泉駅まで約35分の旅が始まります。車内では車両ごとにSL観光アテンダントが乗車し、おもてなしをしてくれます。機関士をはじめ乗務員の制服もSL全盛期の頃のデザインを採用し、昭和レトロ・ノスタルジーのコンセプトを体現しています。またお正月や七夕、春夏秋冬など季節ごとのイベントや地域と連携したイベントが車内外で行われ、乗客を楽しませてくれます。

使われている機関車はC11-207、客車はJR四国から譲り受けた昭和40年〜50年製造の国鉄14系です。レトロな外観・内観はそのまま活用していますが、座席シートやカーテン、トイレなどは清潔で使いやすくリニューアルされているので、快適な旅が楽しめます。

車内で販売されているコインケースや黒いアイス、トートバッグなどのオリジナルグッズも人気。またカメラマンによる記念撮影も行われていて、撮った写真はオリジナルフォトフレーム入りで買うことができます。

SL大樹を間近に見られる「転車台」と「機関庫」

下今市駅は、SLの開通を機にレトロな駅舎に生まれ変わりました。駅のすぐそばには、SL展示館とSLを近くで見られる転車台広場や機関庫があります。転車台とは、車両の方向を変える装置のことです。

SL展示館では、東武鬼怒川線をモデルとしたジオラマやSLの実物大パネルなどが展示され、SL大樹やSL復活プロジェクトについてより深く知ることができます。

転車台広場では走り終え次の出番のために向きを変えるSLの姿を間近で見られるので、この珍しい光景を見ようと運行終了の時間を見計らって大人から子供までたくさんの人が集まってきます。隣接する機関庫は側面がガラス張りになっていて、運休日でも点検中や準備中のSLが見られます。

SL大樹に乗って、沿線エリアを満喫する旅に出よう

せっかく旅に出かけたら、SL大樹に乗るだけでなく、近くのスポットを巡って楽しみたくなりますよね。沿線には、そんな旅にぴったりの魅力的なスポットがたくさんあります。

下今市駅周辺は、日光杉並木街道や歴史のある酒蔵をはじめ見所が多数。歩き疲れた時の一休みにぴったりなレトロな雰囲気のカフェや、天然氷のかき氷を食べられる「松月氷室」などのお店もあります。

途中駅の東武ワールドスクウェア駅の近くには、駅名の通り「東武ワールドスクウェア」があり、世界の有名建築物のミニチュアで世界一周気分を味わえます。

東武ワールドスクウェア

URL http://www.tobuws.co.jp

SLの終点駅である鬼怒川温泉駅の周辺は、日本屈指の温泉街として知られています。鬼怒川の渓谷沿いに多くのホテルや旅館が建ち並び、毎年多くの人が訪れます。お湯は神経痛や疲労回復に効果があるといわれるアルカリ単純泉で、肌にも優しい泉質。駅からすぐのところには、温泉を手軽に味わえる無料の足湯「鬼怒太の湯」があります。

鬼怒太の湯(足湯)

URL http://www.nikko-kankou.org/spot/56/

SLに乗って昭和レトロな雰囲気に浸り、周辺エリアで観光やグルメ、温泉を満喫する。そんなのんびりした休日の旅を存分に叶えてくれるのが、SL大樹です。

SL大樹の運転日、時刻表、料金、購入方法などは「SL大樹」公式サイトからご確認ください。
http://www.tobu.co.jp/sl/

※2019年11月現在の情報です