鬼怒川の浸食が生んだ龍の流れ。奇岩と瀑布が魅力の「龍王峡」

渓流が生み出した自然のミュージアム・龍王峡

鬼怒川の流れが火山岩を浸食して生まれた「龍王峡」。その流れが龍のもがき苦しむような姿を思わせることから、その名がつけられました。火山岩の種類によって白龍峡・青龍峡・紫龍峡に分けられていて、歩を進めるごとに趣が変わっていきます。清流が長い時間をかけて削りだした奇岩怪石はまさに自然の彫刻。エメラルドグリーンに輝く川面とのコントラストは見応え抜群です。

鬼怒川・川治エリアでも珠玉のこの景勝地を満喫するなら、のんびりと自分のペースで周れるハイキングがオススメです。最寄りの「龍王峡駅」から川治温泉までの川沿いには遊歩道が整備されていて、四季折々の美しい景観を間近で見ることができます。

切り立った岩肌と燃え立つような紅葉を見ながらの「渓谷探検」

移ろうごとにさまざまな表情を見せる龍王峡の四季の中でも、最も見頃を迎えるのが紅葉の秋です。真っ赤に染まっていく山々をひと目見ようと、多くの観光客やハイカーが訪れます。白龍峡から紫龍峡までのルートは約2km、往復で3時間もあれば龍王峡を心おきなく堪能できます。

下流の白龍峡も、上流とは一味違った風景が広がり魅力的です。中でも「虹見橋」「むささび橋」からの見晴らしは迫力満点。龍の通り道を思わせるような川のうねりと紅葉の鮮やかさを特等席で見られます。「虹見の滝」を中心とした個性的な滝が多いのも特色の一つ。滝から出るマイナスイオンを浴びれば心も体もリフレッシュされるに違いありません。

渓谷ならではの景観を堪能するなら、青龍峡から紫龍峡のルートを巡ってみてください。全国観光地百選の渓谷の部で第5位に輝いた「大観」や、溶岩流が冷えて固まった際にできた「柱状節理」など、自然が作り出した神秘的な岩の数々を見ながら散策できます。周辺の遊歩道では森の彩りを眺めながらの森林浴も満喫できます。

谷川をつなぐつり橋を渡ったり、林の中をかけ分けるように進んだりと、まるで「渓谷探検」のような雰囲気の場所もあります。道中は階段や木道が多いので動きやすい服装で訪ねましょう。

ハイキングのご褒美は味わい深いご当地グルメで

遊歩道入口近くには、ハイキングの帰りに立ち寄りたい茶屋や食事処がめじろ押し。電車の待ち時間を利用して、疲れた体を癒やしましょう。

虹見の滝を一望できる「瀧見茶屋」は座敷もある広々とした店内で、足を伸ばしてリラックスできる空間です。ここで食べてもらいたいのが、栃木県の郷土料理「ちたけそば」。ナスと一緒に炒められた「ちたけ」の香りは松茸にも負けない存在感です。

遊歩道入口から一番近い「龍王峡食堂」では、厚みのある日光の湯波をふんだんに使った定食や、黒みつときなこがたっぷりとかかった「龍王だんご」が味わえます。中でも一押しは日光の天然氷を削ったかき氷。ふわふわとした口どけが楽しい冷たいスイーツは、ハイキングで温まった体をクールダウンするのにぴったりです。

澄み渡る青空の下、旅の醍醐味がすべて詰まった龍王峡へ

ハイキングで体を動かしたあとは、いざ温泉へ。近場には鬼怒川温泉を始めとした人気の温泉地が数多くあります。心地よい疲れをお湯で癒して、より充実した一日を楽しんでください。

木々と川の流れのコントラストが美しい龍王峡。眺めに感動し、水の流れる音に癒され、グルメで心と体を満たし、温泉でリラックス。旅の魅力や醍醐味がすべて詰まった魅力あふれるスポットへぜひ出かけてみてください。

※2019年9月現在の情報です