身も心もリフレッシュ! 会津の秘湯をめぐる湯けむり旅

日光経由で東北へ。南の玄関口は旅人を癒やす名湯ぞろい

雄大な自然とおいしい食べ物、歴史のロマンがたっぷりの福島県。実は全国でもトップクラスの温泉の宝庫でもあります。中でも猪苗代湖から日本海に流れる阿賀川沿いに湧く「湯野上温泉」と「芦ノ牧温泉」は風光明媚な渓谷美を堪能できる温泉地として有名です。山深いロケーションながら駅からのアクセスがよく、気軽に向かうことができます。

電車から降りれば、会津の山々と湯けむりが温かく迎えてくれます。宿泊でじっくり浸かるもよし、日帰り温泉で湯めぐりをするもよし、充実した温泉旅が味わえるでしょう。

茅葺屋根の駅舎が旅情を掻き立てる「湯野上温泉」

湯野上温泉は南会津にある風情たっぷりの温泉街です。豊富な湯量が自慢で、毎分3000リットルもの湯が湧き出ています。

電車で湯野上温泉を訪れると、ちょっと驚くはず。最寄り駅の「湯野上温泉駅」は日本に2ヶ所しかない茅葺屋根の駅舎なのです。駅舎と南会津の景色を写真に収める人々も絶えません。待合室には火が焚かれた囲炉裏、外には足湯があって、旅情を感じさせてくれます。温泉に入る前にちょっとひと息ついてみてはいかがでしょうか。

温泉街に着いたら、さっそく温泉を楽しみましょう。町を流れる阿賀川沿いには、宿泊はもちろん日帰り入浴ができる宿泊施設もたくさんあります。崖の上にある露天風呂や夜にはライトアップをしている旅館、砂風呂が利用できる民宿など、個性的で魅力あふれるお宿ばかりです。

温泉で体が温まったら、湯野上の町をお散歩してみてはいかがでしょうか。街のメインストリート「ほのぼの通り」は町歩きにぴったりの通りです。途中には足湯もあり、町並みと南会津の山々を見ながらゆったりとした時間を過ごせます。少し足を伸ばせば、南会津有数の景勝地「塔のへつり」にも行くことができます。

圧巻の渓谷美! 会津の季節を感じるくつろぎの里・芦ノ牧温泉

温泉も会津の歴史も楽しむなら芦ノ牧温泉がおすすめです。江戸時代までは地元の人にしか知られていない「幻の温泉郷」でした。1902年に周囲に道路ができたことで旅行客で賑わうようになりました。会津地方の中心地・会津若松市にも比較的近いので、温泉と合わせて歴史を感じる城下町の散策を楽しんでもいいでしょう。

温泉街は「芦ノ牧温泉駅」からバスを使えば10分程度で着きます。阿賀川に沿うように旅館や民宿があり、四季ごとに表情が変わる景観を眺めながら温泉を楽しめる絶景の温泉街です。レンタサイクルのサービスもありますので、自然がたっぷりの温泉郷を自転車で駆け巡ることもできます。

最寄りの芦ノ牧温泉駅は「ねこ駅長」がいる駅として有名です。二代目名誉駅長「らぶ」のお仕事は、列車のお見送りや駅構内の巡回、待合室の癒し役など。また、「らぶ」という名前から「恋を育む駅」としても密かに人気です。駅にはハートのオブジェやハート型のプレートを南京錠で掛ける専用のコーナーを設けてあります。大切な人との思い出づくりにぜひとも訪れてもらいたいスポットです。

湯元ごとに違う魅力や美しさが温泉めぐりの醍醐味

東北の一大温泉エリア・会津には、一度は訪れたい温泉がまだまだあります。日本百景・尾瀬のふもとで泉質の異なる温泉を満喫できる「桧枝岐温泉」。清流・西根川の川床から湧き出る「木賊温泉」では混浴露天の岩風呂が有名です。会津藩の湯治場だった「東山温泉」は大正時代の文人に愛された名湯として今も多くの観光客が訪れています。

会津の温泉で、自然の息吹と解放感を味わいながら、体にたまった疲れを洗い流してみてはいかがでしょうか。

※2019年11月現在の情報です