そばは会津を代表するグルメ。その独特の楽しみ方

観光スポットだけじゃない。「そば」の町としても知られる会津。

観光スポットとして人気の高い会津は「そば」の産地としても有名です。福島県内のそばの栽培面積の4分の3を会津地方が占めています。

「ねぎそば」や「裁ちそば」、「水そば」など、会津地方ならではの名物そばも豊富にあり、会津地方でしか食べられない本場の味を、思う存分楽しむことができます。

そば好きにはたまらない。会津の秋はそばまつりラッシュ。

新そばが出始める秋頃になると、各地でそばまつりが開催されるようになります。そばまつりでは、採れたての新そばなどが振る舞われ、大勢のそば好きが集まります。多くの店舗が集まるので、食べ比べを楽しむことができるのも魅力です。

会津地方でも各地でそばまつりが開催され、秋のシーズンになると「そばまつりラッシュ」と言ってもいいほど、毎週のように各地でそばまつりが開催されます。新鮮なおそばを本場で食べるなら、会津地方のそばまつりはおすすめです。

村人の知恵が生み出した。檜枝岐裁ちそば。

「檜枝岐裁ちそば」は檜枝岐村の郷土料理で、この地域の名物料理である「山人料理」のひとつでもあります。山人料理は、山深く稲作には適さない気候の檜枝岐村で、お米に頼らず地元の特産品を使って美味しい食事を作ろうと考えられて生まれたものです。

裁ちそばの特徴は、つなぎを一切使用しないこと。檜枝岐村はかつて貧しい村だったため、つなぎを手にいれることができませんでしたが、そのことが裁ちそばの文化を育むきっかけとなりました。

通常そばを切るときは生地を折りたたんで切っていきますが、つなぎを使用していない裁ちそばは生地が割れやすく、折りたたむことができません。一枚一枚生地を丁寧に伸ばして積み重ねていき、生地が割れるのを防ぎます。そばを切るときは手を定規のようにあて包丁を手前に引いて切ります。このように、まるで布を裁つように生地を切ることから「裁ちそば」という名前がつけられました。水とそば粉だけで作られた、まさに「本来の味」が堪能できるそばです。

見た目のインパクトは絶大。大内宿のねぎそば。

茅葺屋根の街並みが残る人気スポット、大内宿の「ねぎそば」はインパクト充分。ねぎが丸々一本乗っており、そばを食べるときはねぎでそばをすくって食べます。薬味が欲しくなった時には、ねぎをそのままかじります。

そばは今では日常的に食べられる料理ですが、大内宿のある会津の地域では、昔は献上品や祝い事に食べられる料理でした。そうした祝いの日に「切る」という行為は縁起が悪く、祝い事や献上品にはふさわしくないということから、ねぎを丸々一本入れるねぎそばのスタイルが生まれたと言われています。

ねぎでそばをすくうのは一見難しそうですが、もちろん味は絶品。あなたもぜひ一度トライしてみてください。

名物そばにそばまつり。会津のそば文化を楽しみ尽くそう。

四方を山に囲まれたその環境から独自の文化を育んできた会津。そば文化もその独自の文化を代表するものの一つであり、会津の中でも町ごとにさらに食べ方が異なるなど、一言では語りきれない魅力を持っています。名店も数多く揃っているので、いろんなそばを食べ比べしてみるのもいいでしょうし、賑やかなイベントに出かけ地元の人達と触れ合いながら舌鼓を打つのも良さそうです。

歴史や温泉だけでなく、食においても豊かさを誇る会津。中でもそばは、その食文化を代表する食べ物と言っても過言ではありません。会津を訪ねた際にはぜひ、会津のそばの味を堪能してください。

※2019年12月現在の情報です