群馬三大うどんのひとつ「館林うどん」の名店&人気メニュー

おいしさの秘密は赤城山の豊かな伏流水と良質な小麦

昔話「分福茶釜(ぶんぶくちゃがま)」の舞台となった「茂林寺」や、5,000匹を超える鯉のぼりが一斉に泳ぎ、ギネスブックにその数が世界一と認定された「こいのぼりの里まつり」などで知られる群馬県館林市。その館林には、長く市民に愛されている歴史ある郷土料理があります。それが「館林うどん」です。

館林は古くから赤城山の伏流水による豊富な地下水に恵まれ、良質な小麦が取れる地域だったことから、うどんを食べる文化が根づき、全国有数の高級麺の産地として名を馳せてきました。江戸時代には館林藩が徳川将軍家にうどんの乾麺を上納したという記録も残っています。また、小麦粉の大手メーカーである「日清製粉」は1901年にこの地において、その名も「館林製粉」として創業しました。

桐生、水沢と並ぶ「群馬三大うどん」の一つであり、ツヤとコシ、豊かな小麦の風味が魅力の「館林うどん」の名店を、ここではご紹介します。

老舗・花山うどんの人気メニュー「鬼ひも川」「分福茶釜の釜玉うどん」

数ある館林うどんのお店の中でも、ファンの間でまず一番に名前が挙がるのは、館林駅から徒歩2分ほどの場所にある「花山うどん」でしょう。創業1894年の老舗で、天皇家にうどんを献上したこともある名店です。また、日本最大級のうどんフードフェス「うどん天下一決定戦」において2014年から2017年まで3年連続で優勝した実績もある、全国的にファンの多いお店です。

そんな花山うどんの一番の魅力は、「鬼ひも川」と呼ばれる幅5cmの幅広麺。2代目店主が大正時代に考案し、終戦直後まで作られていたと言いますが、その後50年ほどはメニューからその名を消していました。それを復活させたのは、5代目にあたる現在の店主。館林うどんの特徴であるツヤやコシが、鬼ひも川の麺ではさらに強く感じられます。

花山うどんのもう一つの名物が「分福茶釜の釜玉うどん」です。「分福茶釜」の茂林寺が館林市内にあることから生まれたメニューで、チャーミングな信楽焼の狸の器にうどんが盛りつけられています。モチモチの館林うどんの上には、温泉卵、揚げ玉、かまぼこ、エビ、ネギ、刻みのり、油揚げがトッピング。暑い夏には「分福茶釜の冷やし釜玉うどん」もあります。また、がっつり食べたい方には「分福茶釜の肉みぞれ釜玉うどん(温/冷)」がおすすめです。

花山うどん 

URL https://www.hanayamaudon.co.jp/

館林うどんには他にも名店がたくさん

もちろん、館林うどんの名店は花山うどんだけではありません。

「食事処 うどん本丸」は1947年の創業。名物は地元名産のジューシーなナマズを使った「ナマズの天ぷら」と館林うどんのセット。ここでしか味わえない絶妙の取り合わせが魅力です。

茂林寺のすぐ近くにある「もり陣」は、地元の人に人気のお店。看板メニューである鶏釜めしとのセットの他、良質なたんぱく質を含む「シルクパウダー」が練りこまれたオリジナルメニューの「まゆ玉うどん」も人気を呼んでいます。

「まるなかうどん」は、マイナスイオン水や天然塩を用いたこだわりの製麺が特徴。つなぎを使わず小麦粉100%を使用した麺を、熟成させてからゆで上げます。当日仕入れたばかりの新鮮な季節の野菜を使った「天もりうどん」がイチ押し。民家を改装してできた趣きあるお店の雰囲気も魅力です。

食事処 うどん本丸

URL http://www.the-udon.com/udon_honmaru/

もり陣(食べログ)

URL https://tabelog.com/gunma/A1002/A100204/10000769/

まるなかうどん(食べログ)

URL https://tabelog.com/gunma/A1002/A100204/10002167/

上質な小麦の味が「忘れられない味」になる

将軍家や皇室にも納められたことのある館林うどん。その味は今の時代にも脈々と受け継がれ、変わらぬおいしさを私たちに届けてくれています。「うどん天下一決定戦」で3年連続1位に輝いた「花山うどん」をはじめ、市内の名店には県内外からお客さんがやってきます。

どの店も、上質な小麦粉を使い、工夫を凝らしたメニューを揃えているので、ついついはしごをしてしまいたくなるかも。館林を旅する際は、ぜひしっかりとお腹をすかせて訪ねることをおすすめします。

※2019年12月現在の情報です