北関東一の都市で市民や観光客を癒す緑のオアシス「宇都宮二荒山神社」

戊辰戦争の攻防も繰り広げられた歴史の舞台

宇都宮二荒山神社は、栃木県の県庁所在地であり北関東一の都市である宇都宮市の中心部、明神山と呼ばれる標高135mの小高い丘に鎮座する神社です。すぐ北には栃木県庁を中心に官庁街が広がり、まさに栃木の中枢と言える場所に位置しています。境内には美しい緑が広がり、宇都宮市民はもちろん、観光客の心も和ます「都会のオアシス」として親しまれています。

宇都宮二荒山神社の創建は353年と伝わりますので、その歴史は1600年を超えることになります。宇都宮の地名も、ここが神社の格付けで下野国一宮であることから、「一宮(いちのみや)」が転訛して宇都宮になったという説があります。

神社は戦国時代以降、幾度か戦乱の舞台となり、幕末の戊辰戦争においても旧幕府軍と新政府軍がこの境内で戦い、社殿が焼失しました。宇都宮二荒山神社は、時代の流れとこの街の繁栄を絶えず見つめ続けてきた、深く長い歴史をもつ神社なのです。

日光二荒山神社とはどんな関係がある?

朱塗りの鳥居をくぐり、江戸末期に築造された参道の石段を昇りきると、趣きある唐破風の神門の先に拝殿が姿を現します。現在の社殿は1877年に建てられたものです。境内は木々に囲まれ、心地よい風が吹き抜けて、県都の中心にいることを忘れるような静寂に包まれています。社殿の周辺には12の末社があり、地域で深い信仰を集めていることがうかがえます。

ところで、「二荒山神社」と言えば日光山中の二荒山神社が有名ですが、日光二荒山神社と宇都宮二荒山神社にはどんな関係があるのでしょうか。

「二荒山神社」という名前の神社は上記以外にも栃木県内や福島県会津地方を中心に多く存在しますが、その中でも特に古い歴史を持つとされるのが日光二荒山神社と宇都宮二荒山神社です。しかし、それぞれの縁起や郷土歴史家の研究によれば、二社の間に直接的な関係性はないようです。読み方も、日光二荒山神社が「ふたらさんじんじゃ」であるのに対し、宇都宮二荒山神社は「ふたあらやまじんじゃ」であり、また祀っている祭神もそれぞれ違います。

二荒山神社のルーツをめぐる議論は歴史家の間でも長年のテーマとなっていますが、いずれにしてもこの二社がそれぞれ由緒正しく長い歴史を持つ神社であることは間違いありません。

一度はチャレンジしたい「しあわせ餃子おみくじ」

宇都宮を代表するご当地グルメと言えば、なんといっても「餃子」。宇都宮二荒山神社には、餃子の街らしく「餃子おみくじ」があり、参拝客の人気を集めています。

見た目もまるで餃子のような「餃子おみくじ」。箸でつかんでおみくじを引くスタイルで、餃子の皮を模した包み紙を開けると「しあわせ餃子の縁起物」とおみくじが入っています。縁起物は「水餃子(学業成就)」「焼餃子(金運上昇)」「翡翠餃子(厄除健康)」「海老餃子(恋愛成就)」「胡麻餃子(運気上昇)」の5種類。ここだけのユニークなおみくじを引いて宇都宮二荒山神社のご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。

神社から東武宇都宮駅に至る周辺には、有名店「宇都宮みんみん本店」など餃子のお店がたくさんあります。参拝のあとにはぜひお好みの餃子店に入り、ご当地グルメを堪能してみましょう。

日光観光や餃子を楽しみつつぜひ訪ねてみては

宇都宮の歴史を見つめ、多くの市民から信仰を集める宇都宮二荒山神社。長く街の繁栄を見つめてきた由緒ある神社です。

東武宇都宮駅からは徒歩10分少々の距離ですので、日光観光の行きや帰りに、また餃子などのご当地グルメを味わう前後に、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

宇都宮二荒山神社

URL http://futaarayamajinja.jp/

※2019年9月現在の情報です